エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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即位礼BGM
♪DDONのARISEN“S”
h ttps://www.youtube.com/watch?v=69Ws6ncAh64
ファンタジーものだけどシーズン1ED“白竜よ永遠なれ”で同じメロディー使われてたし王政の権威を印象付ける音楽としてチョイス



【挿絵表示】

アスカエンパイア内でのミルローゼイメージ


歌詞10番の勝利(平和)になぞらえて



110話 2024.12.20 旭はまた昇る

2020.12.20 15:20

 

 

アスカ・エンパイア

弊闇京 醞川デルタ

 

市街地北東、二つの川の合流点となる三角州の開けた場所に御座が敷かれて人が集まり賑わっていた。

 

「今回もギルドランキング1位おめでとう!銃弾でだいぶ稼いだしいくらでも飲み食いできるぞ。さあ飲も飲も」

時代劇の悪代官みたいにテカテカ反射する派手な模様の着物をきたアルシエが両手に瓶を持って手近のグラスにどんどん注いでいく。

エンパイアワールドのイベント祝勝会が開かれていた。

 

近くのNPC店舗から調達されたみたらしだんご、豆餅、阿闍梨餅が陳列用の木箱ごと運ばれてくるが四方八方から伸びる手で数は勢いよく減っていく。

 

 

「ふう、リアルは冬なのにここは暑いですね」

川に連なっている飛び石の一つに座ってブラウスを脱いだサナエは日本晴れの下、サラシ姿になって裸足を川に漬けていた。右手で団扇を仰ぐ。

 

「サナエ、お疲れさま」

「ひゃっ!」

サナエの首筋に冷たいものが当てられ、驚いた彼女から声が上がる。

 

「アイスキャンデーできたわよ」

リーゼロッテは料理スキルで作ったアイスキャンデーをサナエに差し出す。

 

「ありがとうございます。これで涼めます」

サナエは嬉しそうに受け取ると早速咥える。

 

「ヘイ、コーラ」

「こっちジャスミンティー」

 

「はいはい、今行きますよ」

呼ばれたリーゼロッテは次の御座へ歩んでいった。

 

 

───────

「あれはどうなったの、ベティ?」

「ふふふ、バッチシですわ」

抹茶茶碗を持ちながらアンジェラは紅茶を飲んでいるベティにお願いしてたことを訊ねる

 

「いかがでしょうか?」

ベティはとあるホームページを映す。

“Samurai girls is the strongest.”(侍少女達に勝るもの無し)

海外のゲームサイト記事の見出しにはアスカ・エンパイアでの今回のイベントの活躍が動画、画像付きで掲載されていた。運営のVR観光計画が飛躍的に海外接続数を伸ばしてきているのにあやかって、エンパイアワールドの知名度を高めることを狙っていた。

 

他にもGooTubeなど動画サイトへイベント中のボディカム動画が上げられたりしていた。戦闘の参考目的や上位プレイヤーへの興味で再生数はぐんぐん伸びていた。

 

「良い感じね。これで次の運営への報酬上乗せ要求できるわ」

アンジェラはゲーム内への影響力で運営への交渉を目論んでいた。

 

 

───────

「ナーブギア帰ってきたしアミュスフィアにSAOのデータ移してALOできるな。ルチア、ALOに行ったらサラマンダーにしようぜ」

ルチアに肩を組んだシャサールが言う。総務省仮想課からデータの解析が終わったナーブギアが各家庭に戻されていた。また被って使うことはないがアカウント自体は残っていたので別のゲームへコンバートができるようになっていた。

 

「嫌よ、わたしはウンディーネのほうがいいの。もしくは姉さんと一緒!」

しかし、ルチアはシャサールの誘いを頑なに拒む。

 

「じゃあアネさんをサラマンダーに勧誘すれば3人ともサラマンダーだな!」

シャサールは名案とばかりに言う。

 

「姉さんを懐柔するのはやめなさい!」

ルチアは声を荒げる。

 

「むーっ」「むーっ」

しまいに二人は睨み合っていた。

 

「・・・・ふたりがケンカするならわたしは別の種族を選ぶわ」

「「えーっ!」」

ルチアとシャサールに取り合いにされているのを見てて呆れたアネットの回答に不満の声を漏らす

 

 

───────

「ねえねえティール、もらった勲章見せてよ」

ティールの背中から肩にしなだれかかったシエルが言う。

 

「これ?」

ティールは白い二対の翼の描かれたメダルを実体化する

 

「ふーん、天使とかをイメージしてるのかな?」

シエルはメダルを覗き込む。

 

「あっ、それあたしももらったよ」

隣接した場所で集まってた探索班の中からホタルがティールと同じメダルをぷらんぷらんと揺らしていた。

 

 

 

 

───────

集まりから距離を置いた飛び石の連なるところでエクレール達遊撃班は菓子を食べていた。

 

「班長」

ウルリカがエクレールに声をかける。彼女は午前中にフブキの率いる班への異動命令が下されていた。

 

「何しけたツラしてるのよ。親衛と同列の班への栄転でしょ。よかったじゃない」

エクレールはうっとおしそうに団子を食べながら言う。

 

「・・・」

ウルリカは浮かない顔をする。不本意で押し込まれてたとはいえ、共に戦ってきた班から急な異動に戸惑っていた。

 

「ああ、でもアンタのことだからまた命令無視してすぐここに戻ってくるか」

未練残すウルリカへエクレールはわざと煽る。

 

カチン

「うっさい、二度とこんなとこ戻ってくるか!」

ウルリカは怒ってズカズカと歩いて離れる。

 

「良かったんですか?あれで」

二人の会話を聞いていたイブがエクレールに聞く。

 

「どうせまたヘマした奴が出ればこっちに押し付けられてくるわよ」

エクレールは気にせず、空になった串を川に投げ入れて次の団子に齧り付きだした。

 

 

 

 

───────

六条院 春の御殿

 

「ここに近衛班を設立する。近衛班は今後対外戦闘指揮を執る任を持つ。班長フブキ前へ」

 

「はっ」

殿上から辞令を読み上げていたリリオに指名されたフブキは一歩前に出る。

 

「がんばってね将軍」

「“将軍”?」

キーナの言った将軍という単語にフブキが反応する

 

「拙者が征夷大将軍ということか!」

フブキは興奮したように言う。その目はいつになく輝いていた。

 

「征夷大将軍?」

キーナが首をかしげる

 

「侍としての最高の誉を仰せつかるとは感無量」

フブキは感慨深く目をつぶり右手を胸に当てた。

 

「いや、将軍っていうのは要するに」

「いいんじゃない本人が名乗りたいようにやれば。そのほうがモチベ上がるようだし」

キーナは言葉の意味を修正しようとするがリリオはそのまま流した。

 

 

 

 

───────

首都キヨミハラ 帝宮 

 

正殿中庭に色とりどりの菊花章錦旛、万歳旛、金色の銅烏幢などが立ち並ぶ。新帝の即位礼の準備が整っていた。

 

イベント終了後に勝利チームのギルド特典でストーリームービー演出に参加できる権利が与えられていた。

 

ストーリーの流れとしては現上皇の弟だった現帝は皇位継承争いを鎮圧するどころか娘を担ぎ上げて騒動を一層混乱に陥った責任を取り退任、次代皇位は上皇の長男、皇太子が継承することとなった。

 

「いっつ、絶対クロン防具で守られてない所ばかり狙ってたぞ。VR入っても痛み出てくるし」

午前中剣道場で瑠希にしごかれたヴァイリはヒリヒリしているところをさすっていた。珍しいもの見たさに彼はイベント終了演出に参加するミルローゼに付き人枠で付いてきていた。

 

「あらら~」

もう一つの付き人枠で来ていたカスミが気の毒そうに言う。

 

「ざまあないな」

ミルローゼは冷笑していた

 

「おお、魔王どのも参加されてましたか」

いつもの無精ひげを剃ってあり、大鎧ではなく殿上用に黒い束帯を着たキヨモリが声をかける。その後も上皇派のギルマスが次々とミルローゼに挨拶をしていった。イベント初期は敵対していたトクサガ達親王派も今後のイベントでの同盟を考慮して和解の方向で話を進めていた。

 

皮肉なことにキヨミハラ内で開催されているにも関わらず参加するプレイヤーはキヨミハラホームタウンのプレイヤーではなく弊闇京ホームタウンのプレイヤーで占められていた。

 

 

「ほほ、ものどもよくやってくれた」

「褒美を取らせるよう麻呂も言伝しておいたぞ」

長男側についていた上達部NPC達は扇を開いて特別報酬をミルローゼ達に配布していた

 

 

 

「新帝の御成」

呼び出しの言葉とともに正殿の奥から現れたのは黄櫨染御袍を纏った皇太子改め新しい帝だった。けばけばしい布地の服ばかり着ていた放蕩時代と違って、30代の若さといえど一国の主としての凛々しさが見られた。

 

「うつけ設定はどこいったんですか?」

変わりようにカスミは目を丸くする。

 

「演技だったってことでもみ消しだな。」

「どこの陣営が勝とうが同じような落とし所でパターン作っといたんだろ」

ミルローゼとヴァイリには予想の範囲内だった。

 

高御座に立った帝は即位宣言を始める。

 

「ここに即位を内外に宣明する。先立っては帝の位を巡って争いがあったが、兼ねてから官位世襲制には疑問を抱くものが多かった。適した位に就かなければまつりごとにも支障があるのは確かだ。此度の謀反も皆アスカを思ってのこと。朕は弟と共に先々代より案の上がっていた科挙導入を推し進める。産まれを問わず才ある民が国政を担えるよう整える」

帝の傍らには親王改め弟の皇嗣も控えていた。

 

「な、なんと。麻呂の三位がそのまま息子に継げぬと、蝶よ花よと腑抜けさせている場合ではない」

 

「そうじゃ、清原(すがわら)公の甥も才溢れるものときく。是非教師として迎えねば」

 

「いやいや、我が息子の指導が先じゃ」

公家NPC達が式そっちのけで子供の専属教師の囲い込み争奪のためにドタバタと退席していった。

 

「王として随分とまともになったな。これは我が新皇になるのは当分先であろう」

「あはは、なることは諦めてないんですね」

ミルローゼは感心したように言うが、その野望を聞いてカスミは空笑いしていた。

 

 

「千年の安寧をもたらした歴代の帝の意志を継ぎ、次の千年の繁栄のため朕はつとめを果たすことを誓う」

帝が宣言したあと、参列していた官吏NPC達から万歳三唱が起こっていた。

 

 

 




ヴァルキュリエ勲章
白い二対の翼の描かれたメダル 
ヴァルハラへ旅立つ資格のある戦士を称える勲章
ギルドに大きく貢献する玉砕を行った場合、本部の評議によって授与が決定される
暴仁の乱でティール、ホタルの二人が授与
複数回授与でリボン部分に五角星型のクラスターが追加されていく


これにてアスカ・エンパイア編は一段落 次はALOです
なお、ALO編執筆新捗率3%です

コードレジスタ、メモデフのストーリー見直してサイドストーリーとして使えそうな設定引っ張ってきます
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