エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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116話 2025.1.10 不可侵条約

2025.1.10

 

ALOにスヴァルトアールヴヘイムが実装されてから数日後、セブン率いるシャムロックは本格的に活動を開始し、ALOヘビーユーザー達とクエスト攻略の競争をしていた。

 

 

 

 

ALO 空都ライン シャムロックギルドホール

 

「──というわけで貴方達とは組むことはできないわ。実力不足だしね」

「そんなぁ」がっくり

執拗にシャムロックへ共闘を申し込んでいたギルマスはセブンに一蹴されて肩を落とし踵を返した。

 

「あーもう スメラギ君がこういうのを代理で断るものでしょ」

「これでも99%はふるい落としている。直接会っているのは俺達の口から言ってもしつこく毎日来るのだけだ。君が一言言った方が諦めがつくし効率いい」

 

セブンはシャムロックと同盟を結びたがっているギルドの対応に追われていた。

 

「次のギルド入ります」

シャムロックの幹部がそう言うとミルローゼ、アンジェラ、リリオの3人が部屋に入る。セブンも耳に入れている人たちだった。

 

「SAOサバイバーのアインワールドね、スメラギ君があなた達のことを調べてくれたのよ。ご用件はスヴァルトアールヴヘイムの共闘?ごめんなさいね、ネームバリューがあるからって組むことはできないの。今じゃわたしたちのほうが注目されているし、悪いけどアレはシャムロック独自でやるから「同盟の前に不可侵条約を結びにきた」

セブンがまくし立てて断ろうとするところをミルローゼが割って言う。

 

「不可侵条約?」

 

「リソースの分配でお互い攻略エリアをかぶらないようにする。我々はシャムロックにグランドクエストクリアまで干渉しない。その代わりシャムロックがグランドクエストを一番に終えた暁にはサラマンダー対抗の同盟に加入してもらう。」

 

「これがアインワールドの活動範囲マップよ」

アンジェラが活動範囲を塗りつぶしたスヴァルトアールヴヘイムの地図を渡す。

 

「おい、なぜ未実装のエリアまで把握している」

地図を確認したスメラギが不審に思って聞く。

 

3人は顔を見合わせる

「我々は他のプレイヤーに合わせた攻略ペースを守ることをレクトと契約している。だから事前に適性レベル帯別のエリア情報を受け取っている。」

ミルローゼの言ったことはウソだった。ヴァイリの前世知識とリリエラの不正解析で作ったマップだった。

 

「SAOサバイバーだからやり過ぎないよう運営も言っているんでしょう」

「まあ、ありえなくはないな。別のタイトルで色々規格外なことをしているから目をつけられている連中だ」

しかし、シャムロックの二人はそれ以上疑問には思わなかった。

 

「いいのかしら?貴方たちは重要なグランドクエストを捨てて。こちらは競争相手が減って損はないけど」

「構わん。」

二人は契約書にサインする。

 

シャムロックが後日、対サラマンダー同盟に加入する条件としてアインワールドの浮遊大陸クエストでの不可侵条約が締結された。

 

 

 

 

 

───アインワールド ギルドホール

 

「これで障害は無くした。アーネンエルベを進められる」

ミルローゼはギルマス席に座る。

ミルローゼ達はシャムロックだけではなくアルンを拠点とする他のギルドとも交換条件を提示しながらグランドクエストの不可侵条約を結んでいた。

 

「残る問題は原作キャラ達ね。ギルド内には誰がいるんだっけ、ヴァイリ」

「レインがセブンの姉で、会いたがっているはず」

呼び出しを受けていたヴァイリはリリオに答える。

 

「せっかく不可侵を締結したのだ。今姉妹の再会とかやってたら干渉と見られてシャムロックは同盟加入を破棄するかもしれん。今回のグランドクエストで彼らはかなり神経質になっている。」

ミルローゼは言う。

 

「一度脱退させて彼女とギルドは無関係であることを装わないと。ヴァイリ、任せたわよ」

「えっ俺?」

アンジェラの唐突な指示にヴァイリは目を丸くした。

 

 

 

 

───鍛冶場

 

普段通りカーン、カーンと鎚の打つ音が響くが異様な空気が広がっていた。

 

竈の前で剣をつくるBOTと化したレインが上の空になったまま叩き続けていた。傍らには出来のいいエンシェントウェポンが山積みになっていた。

 

「どうしちゃったのあの子、最近ずっと魂抜けちゃったようになってるし」

普段ガンガンいくミネルアも心配そうに言う。

 

「モグモグ…確かクリスマスあたりからモグモグ…ログインしてもゴクン…ずっとあんな感じだったぞパクッ」

テレサは置いてあったマフィンを次々と食べながら言う。

 

 

「レイン、いるか?」

「あ、お師匠」

鍛冶場に入ってきたヴァイリが呼ぶと彼女は反応する。

 

「ちょっと話がある」

手招きするヴァイリはレインを喫茶室の方へ連れてくる

 

 

「どうしたの?鍛冶場に来るって珍しいね」

 

「レインは妹のセブンに会いたいんだろう?」

反対側に座ったヴァイリが切り出す。

 

「! お師匠はなんでもお見通しだね」

 

「お前がセブンに向けてた目がアネットがルチアを見るときと同じだった。アインワールドは不可侵条約の都合上シャムロックに不干渉になるから後ろ盾になったり直接支援できないがユルドや情報に関してできる限りバックアップするようにミルローゼには言っとくよ・・・ミネルアが怒るだろうが俺たちで上手く抑えとくし」

 

「・・・でも、あの子わたしのこと覚えてるかな?」

「セブンは今回のクエストの実験を終わらせたらまたアメリカに戻ってしまうだろう。そしたら当分また会えなくなる。滅多にないチャンスだ」

 

「・・・・・」

 

「いいのか、妹と二度と会えなくなるかもしれないぞ」

「・・・やる。わたしあの子に会ってくる!」

ヴァイリの誘導でレインは決心をした。

 

 

 

「それにしてもよくこんなに作ったな。予備分入れても有り余るし。」

二人が鍛冶場に戻ってくると、ヴァイリは積み上がった剣の山を見上げる。

 

「配備分以外はレインが持っていけ。一度ギルドを脱退してもらうし餞別だ」

「あのー、その言い方ですとわたしはアインワールドに復帰できるのでしょうか?」

「多分・・・メイビー」

心配そうに言うレインへヴァイリは曖昧に言う。

 

「いや、そこはちゃんとはっきり戻れるって保証してよ~」

 

「まあ本部には理解もらえてるから大丈夫じゃないかな。レインの実力ならシャムロックの入団試験にも合格できる。もし困ったら黒の剣士御一行に加入してるフィリアを頼るといい。頑張れよ」

 

「うん!あたし行ってくる」

レインは大量の武器をストレージにしまうとギルド退団手続きを進めた。

 

ギルドホールを飛び立ってゆくレインを見送ってヴァイリは呟いた

「ロストソング、ゲームスタート」

 

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