エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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117話 2025.1.12 Dark of the Lost Song

2025.1.12 

 

 

プライベートVRルーム クレムリン

本部執務室

 

「本当にこの子はすごいわね」

ミルローゼは執務机に座りながら空中ウィンドウでセブン関連の記事を並べていた

 

《シャムロック人員500人突破》

《怒涛のセブンブーム!ALOの同時接続数史上最多記録》

テレビでもネットでも歌姫セブンの記事で埋め尽くされる日々が続いていた。

 

「わたしたちも負けてられないわ。準備はできているの?」

「両部隊とも作戦は整っているそうよ」

「そう。それは楽しみ」

アンジェラが答えるとミルローゼは楽しそうに期待していた。

 

 

 

───────

ブリーフィングルーム

 

「シャムロックとの交渉でフロスヒルデのヘイズルーン討伐はアインワールドが担当することになりました。しかし、他のギルドは構わず競争となっています。私たちは初回挑戦で討伐成功することが必要です。」

《蜜酒作戦》と書かれたホワイトボードを背にトトナは席に座っている48人に説明をする。

 

ヴァイリの作成した再編計画に基づいて定員7人パーティ7組フルレイドのトトナ隊、フブキ隊の2レイドが編成されていた。リアルの都合での欠員や戦闘能力バランス、専門スキル持ちプレイヤー同伴の必要性などが出た時のために予備人員としてヴァイリ班、エクレール班、生産職メンバーなどが組み替えられるシステムになっている。

 

「えへへ~、姉さんと一緒の作戦~」

「ちょっとルチア、家じゃないんだからそんなくっついてると恥ずかしいわ」

ルチアは浮かれて隣の席のアネットにべったりとくっついていた。周りからの生暖かい視線もあってアネットは顔を赤くしていた。

 

「当日は先行するフブキ隊が道中モブを露払いしてくれます。エリス、ボスの戦闘について解説お願いします」

「分かりました。不正ではありますが・・・既にリリエラがデータ解析して敵の全容は解明しています。姿は大きいクラーケン型に人体が付いています。」

トトナと交代して前に立ったエリスはホワイトボードをひっくり返してボスフィールドを模した図を出す。

 

「HPバー残り2本までに減ると攻撃パターンが変わります。範囲攻撃があるので緑のマーカーで示した位置にいてください」

エリスは色付きマーカーでフォーメーションを書き、行動パターンを順番に説明していった。

 

 

「事故って戦闘不能になった方がいましたらウンディーネの皆さんが優先してリザレクションを、ボスが近くにいて詠唱できないようでしたら世界樹の雫を使って構いません」

「分かりました」

エリスの指示にプリエル達ウンディーネが頷く。

 

 

「それでは、確実にボスを仕留めましょう!」

『おー!』

エリスの掛け声に和気藹々とした空気で揃って拳が上がった。

 

 

 

 

───────

別室

 

 

「拙者らがこのエリアを征することはALOを征することに繋がる。“約束された勝利”を手に入れるぞ!」

グループの車座の中央に立つフブキが意気込みを見せる。彼女らの頭上には空間映像でヨツンヘイムのマップが広がっていた。

 

「まさか世界樹の地下に未発見のダンジョンがあったなんて」

アニエスは先を越されて情報を持ち込まれたことに歯噛みする。

 

「腕が鳴るわね」

ヘルミーネは楽しそうに言う。

 

 

「では、今回のカンタベリー作戦の説明を始める。」

フブキに取って代わって中央に立ったヴァイリは作戦概要のホログラムを起動する。

 

「なんであんたが仕切るのよ」

数合わせで動員されたエクレールが文句を言う。

 

「俺の班が下見をしてきて攻略法を考えてきたからだ。あと、フィリア」

「え、わたし?」

不意に呼ばれたフィリアはきょとんとする。

 

「このクエストはうちが独占するから黒の剣士一行にはヨツンヘイム行ってることまでは伝えていいがそれ以上は黙っておくように。今回の獲物の事が奴の耳に入ったらこっちを狙ってくるかもしれんからな」

「う、うん」

ヴァイリは釘を刺すように言うとフィリアは反射的に頷く。

 

「何それぇ~、フィリアが情報漏らすみたいな物言い」

「ブー、ブー」

リノとシュリーが彼に文句を言う。

 

「よしなさい、本部からの扱いが悪いからって他に当たってるようなアレに構うと同じレベルになっちゃうわよ」

アニエスは二人を止めるついでに未開エリア発見が先を越された腹いせにヴァイリに刺のある言い方をする。

 

「おいおい、なだめると見せかけて俺のディスりかよ」

ヴァイリも苛立ちを隠さず言う。

 

「だいたい未開エリアの調査はアタシの班の管轄でしょ?それを独断であんたのとこがやってきたんじゃない」

感情が昂ぶったアニエスは立ち上がる。

 

「話が進まない。本題に戻そう」

口論になりかけたところだったが、座っていたクロンが言うと一同はシンと静まる。ギルド内最強プレイヤーの言葉の圧は重く、彼氏もまたその言葉を無碍に扱うことはできなかった。

 

「・・・はぁー、分かったよ。ヨツンヘイムにはアルンの中から直接行けるショートカットルートを用意している。当日はここを通って───────」

ヴァイリは大きくため息をつくと説明を再開した。アニエスも拗ねながらも座り直す。険悪なムードを残したままブリーフィングは続く。

 

「こんなチームワークでクエスト攻略できるのかしら?」

顧問のリリオは頭を抱えていた

 

 

 

───────

ALO レプラコーン領 沿岸埋立地帯 ドックヤード

 

「さあ、今回は大物になるわよ。人手も多いけどレインが抜けてる分みんなに頑張ってもらうから」

雇われたレプラコーンプレイヤー達が行き来しているドライドックの渠底でテーブルの前のミネルアが高々と宣言する。

 

『おー・・・』

彼女と対照的にテンションの低い鍛冶班、他班からも駆り出されたレプラコーンメンバー達が元気なく返事していた。

 

「えっ、いつもこんな感じなの?」

「ウン、ソウダヨ。ボクタチトイッショニメイカーニナロウヨ」

応援に初参加する本来服飾専門のコハルが隣にいたアミナに聞くと、死んだ目でカタコトの返事が返ってきた。

 

 

テーブル上には楕円の形をした建造物の設計図が広げられていた。

 

 

 

───────

シャムロック入団試験会場

 

 

「鍛冶熟練度がMAXになってる。全然記憶ないけどそんなに作ってたんだ」

入団面接の順番待ちで腰掛けていたレインがステータスの再確認をしていた。

 

「あれ、新しいスキル?」

レインはThousand Rainと表示されたスキルをタッチした。

 

 




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