エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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3層ボスのムカデ型巨人はアニメ版のショボイデザインよりコミカライズの醜悪なほうを参照


119話 2025.1.14 霜の巨人の王

2025.1.14 11:20

 

スリュムヘイム 3層

 

グオオォォ・・・

断末魔をあげながら何足もの脚を持つムカデ型巨人が倒れる。

 

「うふふ、楽しかった」

トドメを刺したヘルミーネはムカデ型巨人の脳天から剣を抜いた。

 

「うへえ、人の腕が何本も生えたムカデとか彼岸島とかにでてきそう」

 

「不気味なもの思い出させるな」

 

「スカルリーパー思い出したわ」

 

ヴァイリは自宅にある漫画のビジュアルを思い出して言う。そこにクロンが彼の頭にチョップする。死を直感した存在のスカルリーパーがフラッシュバックしたアニエスは顔を青くして口元を抑えていた

 

「メンタルもたないなら脱落もありだぞ。このクエストは4パーティあればクリアできる難易度だ。現に6パーティ健在でここまで来てるし」

 

「冗談じゃない。次の未踏の地を踏むのはアタシたちよ」

ヴァイリは意地悪く言うがアニエスは頑なに拒み、覚悟を決めた顔になる。

 

「で、勝手に離脱したエクレール達はどこいったの」

 

「さあ?独自に動いてるんだろ。いつものことだ」

 

「こんなバラバラな統率でレイド討伐できるのかしら」

 

「原作だとキリト一行だけでやれてたしよゆーよゆー」

懸念するリリオに対してヴァイリは楽観的な調子のままだった。

 

そうして進む3層ボス部屋の奥の通路で一行は立ち止まることとなる。

 

《お願い わたしをここから出して》

ツララで作られた檻の中に囚われていた女性が嘆願してきていた。

 

「トラップか」 「トラップ、なのかな?」 「ボス前で振り出しに戻すトラップとか典型例ね」

フブキ、エルー、アニエスが言う。

 

 

「ああ、その方は助けてOK。クロン、解放してあげて」

「わかった」

ヴァイリが言うとクロンは疑うことなく氷柱の檻を破壊する。

 

《ありがとう、妖精の剣士様》

女性はクロンに一礼する。

 

《助けていただいたところ申し訳ありませんが、スリュムに盗まれた一族の宝を取り返さずして戻ることはできません。どうか私を一緒にスリュムの部屋に連れていって頂けませんか》

 

「あんな怪しいNPCをすんなり助けていいものなの?」

 

「攻撃してきたらアレも倒せばいいのよ」

ヴァイリの行動に疑心暗鬼になるアニエスだが隣のヘルミーネは獲物候補の品定めをしていた。

 

ヴァイリにパーティ加入のウィンドウが開くと彼は承認ボタンを押した。

 

「“フレイヤ”?ああ、そういうこと」

 

「さすが、察しが良いな」

パーティに加わったNPCの名前を見たリリオは合点がいく。

 

 

「階段を下りればすぐボス部屋だ。各自装備、パラメータの再確認をするように」

フブキが指示すると4層へ続く階段の手前で最終チェックが行われた

 

 

 

──第4層

 

階段を下りた一行の前には2匹の狼が彫刻された重厚な扉がそびえ立つ。

 

「スコルとハティか」

「呼んだ?」

「ハティ違いだ。いや、あながち間違ってないのか?」

「そりゃあサッカー部でボール追いかけてたからハティって名前にしたんだし」

ヴァイリのつぶやきに銀髪の二つ結びの少女、ハティが反応する。

 

 

「みんな、バフ張るよ」

「では、私も」

プーカのイディアが支援魔法をかけるとフレイヤもHP最大値大幅増加のバフをかける。

 

 

扉を開けた先にあったのは大量の金貨、金製の鎧や装飾された剣、宝箱など宝の山が広がっていた。

 

「マジ?オブジェクトじゃなくて、これしまえるじゃん。ストレージ空いてる人拾うの手伝って~」

宝が取得可能であることに気づいたアルシエは誰彼構わず近場にいたメンバーにも拾うのを手伝わせる。

 

「……小虫が飛んでおる」

せっせと拾っていたアルシエが奥へ踏み出した途端、広間奥の暗がりから重低音の呟きが聞こえてビクッと肩を震わす。

 

 

「ぶんぶん煩わしい羽音が聞こえるぞ。どれ、悪さをする前にひとつ潰してくれようか」

声の主はそう言うと座っていた玉座から立ち上がり、ずしんと地響きを立てながら足を進める。

 

「大きすぎでしょ・・・」

アジュールが呟いたとおり20メートルの背丈になる巨人が立ちふさがる。

 

「少しは壊しがいがありそうな木偶が出てきたようね」

巨人を見てリリエラはヴァイリの肩から飛び、ピクシーモードからプレイヤーモードに変身する。

 

 

「どうだ、いと小さき者どもよ。あの女の居所を教えればこの部屋の黄金を持てるだけくれてやるぞ、ンンー?」

 

「それなら泉のそフゴッ!」

「バカ!ここまできてエクスキャリバー取得フラグ消えるようなこと言うな」

巨人に唆されて居場所を教えようとしたアルシエの口をヴァイリが慌てて塞ぐ。

 

「断る。ヨツンヘイムの平穏を脅かしたお前の蛮行を見過ごすわけにはいかん」

フブキは代表して言い、刀を抜く。

 

「フン!─────ほう、ほうそこにおるのはフレイヤ殿ではないか。檻から出てきたということは、儂の花嫁になる決心がついたのかなンン?」

巨人はフブキを鼻で笑ったあと、レイド集団を一瞥して一番後ろの一人に目を留める。

 

「誰が女の妻になど!かくなる上は、剣士様たちと共にお前を倒し、奪われた物を取り戻すまで!」

最後尾からフレイヤは毅然と叫ぶ。

 

「ぬっふっふっ、威勢の良いことよ。さすがはその美貌と武勇を九界の果てまで轟かすフレイヤ殿。しかし、気高き花ほど手折る時は興深いというもの。小虫どもをひねり潰したあと、念入りに愛でてくれようぞ、ぬっふふふふ」

巨人は髭をいじりながら舌舐めずりする。

 

「なにあれ」

「無理、あんなの絶対わたし無理」

「気色悪い」

「あの髭からして不潔」

女性陣が嫌悪感を口々にする。

 

 

「この期に及んで乙女を踏みにじり悪行をさらに重ねると言うか。ならば拙者らの手で成敗する。覚悟しろ」

フブキは時代劇で覚えた言い回しを使って巨人に刀を向ける。

 

「おうおうぶんぶんと羽音がきこえるわいッ、どぅーれッヨツンヘイム全土が儂の物となる前祝いにまずは貴様らから平らげてくれようぞォォォ!」

巨人が右手拳を構えると同時にALO戦闘史上、初めて見る長さの長大なHPゲージと《Thrym The King of the Frost Giants》のボスエネミー名が表記された。

 

 

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