エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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コミック版のジェネシス一味も加えました


139話 2025.3.1 接触

 

2025.3.1 15:42

SA:O ジュエルピーク湖沼群 ワーンフォール水源

 

 

「グオラァァ!」

滝と湖群、色とりどりに輝く結晶が生える幻想的な岩場のフィールドで赤いドラゴンが少女を追いかけていた。

 

「誘導しましたよ!早くやっちゃってください!」

俊足を生かしてドラゴンに追いかけられていたリュミルは高台に向かって叫ぶ。

 

「せやぁ!」

カーラは段差を利用して飛び掛かるとソードスキルでドラゴンの尻尾を切り落とす。

 

「グルルゥ・・・」

ドラゴンは苦しそうな声を上げるとぐったりとしたように頭を地面に打ち付けた。

 

「尻尾破壊したわ」

 

「このダウンで仕留める」

クロンは納刀してから溜めるとソードスキルの準備モーションに入る。次に抜刀するとダウンしたファーネスドラゴンへ斬撃の嵐と化したソードスキルを発動させた。

 

「グアァァ」

ドラゴンは首を振って断末魔をあげながらHPを全損して倒された。

 

「いえーい!これで攻略進みますね」

 

「よーし、まずは1体」

喜んでるリュミルを背にヴァイリはドロップした召喚印を確認する。ヴァイリ達は第3エリアの攻略を進めるべく召喚印を集めだしていた。

 

 

「わたしは加勢しなくていいのかしら」

 

「リリエラにはやってもらうことあるんだからまだ隠れてろ」

姿は見えないがリリエラの声が聞こえるところにヴァイリは言う。

 

 

「よう、そこの女。知ってるぜ、SAOでは黒の武士とか呼ばれてたんだってな。この世界では俺の足元にも及ばねえだろうが」

赤い髪の男がクロンへ急に話しかけてくる。その後ろには全身鎧の大柄なプレイヤーとウィッチハットを被った女性がいた。いずれもカソールはオレンジ色を示していた。

 

「いきなりなんなの?」

 

「なんか感じ悪いですね」

カーラとリュミルは男の横暴な態度に即嫌悪感を示す。

 

「誰だ?」

クロンは声をかけてきた男について全く心当たりがなかった。

 

(ジェネシスだ。向こうから接触してきたのなら探す手間が省けた)「知ってるぞ。オリジンでは有名なんだってな、“自称”黒の騎士さん」

狙っていた標的からやってきてくれたことにヴァイリは感謝しながら自称を強調して言う。

 

「あァ?自称じゃねえ。このゲームで黒の剣士は俺のことを言うんだよこのモブ」

ジェネシスは声を荒げる。

 

「いかにもヒールキャラやるために作ったアバターですってバレバレだし。いくらゲームでイキッてもどうせリアルでは陰キャだろ。んなだから彼女もできねえんだよ。ネームドのフリしたモブが」

「むぅ」(また勝手なことを)

ヴァイリはクロンを抱き寄せるのを見せつけ挑発する。クロンは呆れるものの特に抵抗したりはせず受け入れる。

 

「黒の剣士ってもうキリトでイメージ固定されてるし。踏み台にしようとしてるとしたら逆に噛ませになるわよ道化さん」

 

「名前に黒の剣士2号さんと付け加えてナンバリングしとけばいいんじゃないですか?分かりやすいです」

カーラとリュミルも好き好きに言う。

 

「モブどもが好き勝手言いやがって・・・殺す」

ジェネシスは頭に血が上った様子だった。

 

「あと対処任せた」

「おいタンク」

ヴァイリはクロンの後ろに回って雑にヘイトをなすり付ける。

 

「ヤロウ、逃げんな」

 

「あなたが戦いたい相手はわたしではないのか?」

後ろに下がったヴァイリを追おうとするジェネシスの前にクロンが立ちふさぐ。

 

「上等だ。望み通りお前からぶっ殺してやる」

ジェネシスはこめかみに青筋を立てながら斬りかかった。

 

 

「ジェネシスの奴、あんな安い挑発に乗りやがって。どうするラライア?」

 

「狩るのが楽しそうなプレイヤーが少なくて飽きそうになってたところです。噂のSAOサバイバー達を倒してみたくないですか、ガッタス」

鋼鉄製の棍棒を担いだ全身鎧のプレイヤー、ガッタスとウィッチハットを被ったフェンサー、ラライアも加勢しようとする。

 

「あたし達と勝負する気なんですか?負けますよ」

 

「面倒よね、実力の差を直接教えてやらないと分からない連中って」

リュミルとカーラも戦闘態勢に入る。ガッタスはリュミルへ、ラライアはカーラを狙って接近する。

 

「おらっ」

「ほっ」

「ちっ、このっ」

「ハズレです。その攻撃当てる気あるんですか?」

「ちょこまか動き回ってムカつくなあ」

ガッタスは身の丈とほぼ変わらない大きな棍棒をブンブン振り回していたがリュミルはステップするようにヒョイヒョイと避けていく。

 

「その鎧の方が厄介です」

リュミルのほうもレイピアは鎧を貫通することができないので攻めあぐねていた。狙いやすいのが兜の視界用スリットだが大柄なアバターで届かない。

 

(それなら)

ガッタスが棍棒を振り下ろしたタイミングでリュミルは跳躍し、棍棒を踏み台にしてガッタスの顔面狙ってソードスキルを放つ

 

「うおっ、怖えーだろ目の前で刺しに来るの」

ガッタスは態勢を崩しながらも避ける。

 

「だってそこしか狙えないじゃないですか」

高い位置からの落下を受け身で転がりながらリュミルは着地した。

 

 

 

「厄介なスキル持ちの相手に当たったわね」

一方ラライアと対峙しているカーラは、自身の刀よりも手数の多いレイピアを使うラライアの武装解除スキルで刀を何度も手元から落とされていた。その度にクイックチェンジですぐ予備の刀を手に装備する。

 

「格下に苦戦してるじゃんカーラ」

カーラの落とした刀は、暇なヴァイリが拾っては共有ストレージへ戻していた。ついでに煽る。

 

「うるさい!刀いちいち取り出してたら埒が明かない。ならやり方を変えればいいのよ。はぁ!」

また刀を弾かれたカーラは次の武器を取り出すのを止めて体術スキルでパンチを入れる。

 

「っ!今この女殴りました?」

ラライアは殴られた頬を抑える。

 

「武器無しでの戦い方ってのを教えてあげるわ。授業料は高くつくけどね」

カーラは無手で構えた。

 

 

 

「ちっ、全然当たらねえ」

 

「ヴァイリからそれなりに強いと聞いてたが剣の振りが素人同然。スキル頼みの動きでつまらない」

クロンは期待外れだったことを言う。その態度が余計ジェネシスを苛立たせていた。

 

「ああ、望み通り面白くこれからしてやるよ」

ジェネシスは耳の横のあたりを押すとビッと電子音のような音がする。

 

「小娘ごとき、全開でやってやりますわ」

「磨り潰してやる」

ラライアとガッタスも同じように耳の横あたりを押すモーションをする。

 

 

「ククク、来た…来たぜぇヒャッハァァ~ッ!わかるぜ、脳に流れ込んでくる感覚が!」

 

(雰囲気が変わった。これがコウの言ってたトランスプレイヤー)

テンションが不気味に変わったジェネシスを警戒してクロンは剣を構えなおした。

 

 

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