エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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142話 2025.3.4 迷宮内孤立

2025.3.4 13:17

 

ラ・ファスタル空中庭園 深部

 

 

「行き止まりに追い込めた。これでトドメ!」

行き止まりにぶつかって逃げ道のなくなったモンスターをルチアは仕留める。

 

「はぁはぁ・・・追いかけながら戦ったからずいぶん移動しちゃったけどなんとか倒せたわ。」

追いかけまわしていたルチアはその場でへたり込む。

 

「なかなか愉快なダンスだったわね。見ているだけでも楽しめたわ。」

ルチアについてきていたリリエラはパチパチと拍手する。

 

「う、うるさいわね。見てたならもっと援護してよ。」

 

「手柄を立てたいみたいだから最低限にしてあげたのよ。まぁ、もし本当にやられそうな時はわたしも剣を振るうけれどね。」

リリエラは答える。

 

「…わたしは完全にあなたを信用したわけじゃないわ。」

ルチアは立ち上がり、元来た通路を戻り始める。

 

「そうね、子羊ちゃんたちの信用を勝ち得ていないのは肌に感じているわ。私は信用されてもされなくても構わないのだけれど。あの人はきっと、あなたたちと私が共にある姿を願っているわ。だからこうして子羊ちゃんとお話して親睦を深めようとしているのよ。そうやって近づいてみたらさっきは愉快なものが見られたのだけれどね、ふふふ。」

 

 

「さっきのことは忘れてよ、もぉ・・・いいわ、仲良くなろうとする努力をしてるのは認めてあげる。でも、わたしは手伝わないわよ。あなたとおしゃべりなんてせずにすぐみんなと合流するわ。」

ルチアは足を速める。

 

「賢明な判断ね。それで、合流するのはいいけれど、夢中に追いかけてきていてここの地形を把握できているの?」

 

「・・・・あ」

リリエラの言う通りルチアはモンスターを深追いしすぎていた。あたりは通路の分岐が多く、もともといたエリアへ戻るルートが分からなくなっていた。

 

「私が案内するわ。ふふふ、道すがらたくさんお話ししましょうね子羊ちゃん。」

リリエラは気分良さそうに歩き出す。

 

「くぅ・・・!」

ルチアはリリエラの思い通りになることが悔しかったが仕方なくついていった。

 

 

───

 

「アネット、ルチア見なかった?」

 

「え、ティール達と一緒じゃなかったの?」

見失ったルチアの捜索をしつつ入り口側に戻ってきていたティールがアネットを見つけて聞いていた。

 

「それが、複数のモンスターに対応するのに分かれて戦っていたらそのまま見えなくなってしまったの。ルチアに付いていたリリエラと一緒にね」

 

「リリエラと二人きりで……?ルチアはリリエラを嫌っていたはずだけど……何かに巻き込まれたのかもしれないわね。別れたのはどの辺り?」

 

「マップで言うとここらへんね」

ティールはマップウィンドウを開いてピンを刺す。

 

「一度みんなに集まってもらいましょう。」

 

 

 

───

 

 

「………」

ルチアはリリエラの後を顔をしかめてついていっていた。

 

「不機嫌そうね、子羊ちゃん」

リリエラは振り向いて言う。

 

「うるさい!早く戻るわよ」

ルチアはリリエラを突き放すようにして早足で抜かし前に出る。

 

カチッ

「え?」

ルチアは急に窪んだ地面を見る。

 

ガラララララララ

「うわああ!」

窪んだところから地割れが広がるように足場が崩れてルチアは下層のエリアに落下した。

 

「いたたたた…もうっ!さっき通った時は何もなかったのになんで落とし穴があるのよ」

 

「決まった方向から来ると作動する仕掛けのようね」

リリエラは空いた穴から飛び降り、ルチアの隣に着地する。

 

ルチアは落ちた穴を見上げるが登れるような高さではないと判断する。

 

 

『ルチア、パーティーからはぐれたって連絡きてるけど大丈夫?』

クレムリンから通信が入り、カシューが画面上に現れる。

 

(外部通信チャット、ダンジョン内でも繋がるのね)

「すみませんお騒がせしました。こっちは大丈夫です・・・あとリリエラも一緒です」

 

『今はどこら辺にいるの?』

 

「トラップに引っかかってしまって、下層のエリアにいます。」

 

『下層ね。アネット達にも無事なこと知らせとくわ。救援で追加の人達も捜索に加わるからすぐ見つけてもらえるはずよ』

 

「ありがとうございます。」

 

『じゃ、長く通信してると運営に不正アクセス判定食らうかもしれないから切るね。』

カシューがそう言うと通信は切断された。

 

「はあぁ・・・」

通信が終わってルチアはその場にうずくまる。

 

「今頃わたしをみんなで捜してるのね。姉さんやみんなに良いところみせるつもりだったのに。逆に心配させちゃうなんて戻ったらなんて謝ればいいのよ。」

 

「手負いを仕留めるのに手間取ったと言えばいいんじゃないの?実際その通りでしょう。」

 

「でも、みんなを心配させてしまったのには変わりないわ…姉さん、怒ってないよね?わたしに失望したりしてないよね?姉さんに嫌われたら嫌だよ…」

 

「雪の子羊ちゃんがあなたを嫌うとは到底思えないけれどね」

すっかりネガティブ思考に陥ってしまったルチアにリリエラも手の施しようがなかった。

 

「うう…姉さん。ごめんなさい、わたしを許して」

 

「……」

いじけているルチアから視線を外し、リリエラは何かに気づいて剣を構える。

 

「……残念だけどあなたとのおしゃべりはここでおしまいみたい」

 

「何?何をする気なの?」

急に雰囲気の変わったリリエラにルチアは戸惑う。

 

「あなたは動かなくていいの。その方がきっと楽よ」

 

「わたしに何かするつもりなの?まさか、ここでわたしを…?そうはいくもんですか!やられるくらいなら、あなたはここでわたしが倒すわ!」

SAOで襲われた時のことを思い出し、ルチアも武器のハルバードを構える。

 

「……聞き分けのない子羊ちゃん。」

リリエラはルチアに向かってソードスキルを繰り出した。

 

 

 

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