エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
ライラちゃんすごいまな板だよこれ!
2025.3.6 10:00
SA:O はじまりの街
「それじゃ、新エリアの探索に向かおうか」
キリトは探索するプレイヤーが揃ったことを確認して一声かけた。
「今日はよろしく頼むぞ、黒の剣士」
今日のエンドワールド側の取りまとめ役のフブキが言う。SAOの頃と同じく服装は陣羽織に模した装備だが、カラーリングは青地から黒地の割合が多くなっている。
エリア3の真ボス、サモン・ザ・ドミネイターを倒して新エリアが解放されたエンドワールドとリズベット騎士団はエリア4のクルドシージ砂漠へ出発する準備を進めていた。スリーピングナイツは都合がつかず今日の探索には参加していない。
準備を進めているキリト達を睨む数人のプレイヤーがいた。
「寄生にしかならなかったのに後から根に持たれるとか御免だ」
「彼らには悪いことをしたな」
ヴァイリはビビりながらも愚痴を溢し、キリトは申し訳なく思っていた。
ボス3戦目はエンドワールドとリズベット騎士団、スリーピングナイツ以外のギルドも加えた混成レイドだった。SAOサバイバーが攻略を独占していると批判があったためエンドワールド本部の意向で外部から志願パーティーを編成に加えた。
強くてニューゲームができるSAOサバイバーを疎ましく感じているプレイヤー達からしたら、注目を集めているジェネシスはSAOサバイバーに対抗できる期待の星だった。本部の考えとしては彼を支持する一定数の集団を黙らせて正統な攻略プレイヤーであることをアピールするための措置だった。
しかし追加ボスが出てからはついていけなくなり外部のパーティーは全滅、仕方ないので蘇生してクリアまで部屋の隅に居てもらうことにしてボスクリアの実績だけ与えた。
他のパーティーとの共闘作戦は事実上失敗という結果だった。
「新エリアは砂嵐が不定期で発生してモンスターも強くなります。慣れるまでは慎重に探索しましょう。」
「学習能力の高いモンスターの件もあるしな。」
エリスとキリトは今日の探索ルートを確認し合う。
AIモンスターについての情報は本部が検討した結果、キリト達が味方である分には共有した方がいいと結論づいた。
「ラーミルには負担かかるかもしれないが頼む」
「AIの思考が読めるかは分からないけれどね」
ヴァイリは赤と黒のゴシック調の服を着た少女に言う。急遽パーティーに組み込まれたラーミルは本来ユーザーが見えないマスクデータも認識してしまうFNC(フルダイブ不適合)を抱えているが、逆に利用してモンスターの探知や戦闘へ活用している。
「まあ物は試しだ。頭痛とか体調不良を感じたらすぐログアウトしてくれ」
ヴァイリは無理をしないよう注意する。
「すみません、少しよろしいでしょうか」
一団に錫杖を持った青い巫女服の少女が声をかける。
「俺たちのことか?何か用かな?」
キリトが代表して聞く。
「はい。私はアイラと言います。折りいってお願いがあってやってきました。私をあなた方のパーティーに加えてもらえませんか?」
「…急なお話ですね。理由を訊いてもよろしいですか?」
アスナは少し間を置いた後聞く。
「実はこの間まで別のパーティーの一員としてこの世界を冒険していたのですがおかしなモンスターに遭遇して全滅してしまったんです。なんというか、学習能力の高いモンスターの群れでした。」
アイラは経緯を話す。
「学習能力の高いモンスター…もしかして、二撃目から攻撃を回避されたりしませんでしたか?」
「はい、おっしゃる通りです。二撃目からは全然攻撃が当たらずにみんなやられてしまったんです。モンスターが強すぎて攻略を断念してしまったためそのままパーティーは解散してしまいました。しかし私には、この世界でやることがあります。できればまだ冒険を続けていたいんです。」
《そのアイラって子、嘘ついてるわ》
ラーミルがギルド内メッセに書き込む。メッセを見たエンドワールドのメンバーの警戒心が高まった。
「それで俺たちに声をかけたってわけか。でもいいのか?ここは攻略の最前線を進んでいるんだぞ?」
アイラの動機は分かったがキリトは前回のボス戦のこともあり戦闘についてこれるか気になっていた。
「実力なら問題ありません。私はコンバート組ですし、あなた方の強さは以前から知っていますから。ね、《黒の剣士》さんと《閃光》さん。そして《魔王軍》の皆さん。」
「なるほど。君も《SAOサバイバー》か」
アイラがキリト達の二つ名を言ったことでキリトは察した。
「お力にはなりますよ。よろしくお願いしますね。」
《接触してきた真の目的が分からんしまずは泳がせよう》
ヴァイリはギルド内メッセに打った。
「アイラさんですね。私はエリスと言います。よろしくお願いしますね。」
「よろしくおねがいします、エリスさん。」
エリスとアイラは握手する。
「またお仲間が増えるのかしら?」
「すごい・・・お姫様みたいですね。どんなゲームからコンバートしてきたんですか?」
リリエラを見てアイラはその容貌に驚く。
「コンバート・・・?私はヴァイリについてきただけよ」
「彼女は特殊なプレイヤーです。リリエラという名前でヴァイリさんの・・・ALOのピクシーですよ。」
エリスはリリエラについて濁して説明する。
「ピクシー!?ALOでもめったに手に入れることができないんですよね。本物の人間みたい!」
アイラは物珍しそうにリリエラを見回す。
「ピクシーということはAIなんですよね?オリジンのNPCくらい受け答えできるのかな。えっと、わたしの言葉わかりますか?」
「・・・ねぇナビゲーターさん、私は舐められているのかしら?」
「あはは・・・私たちがあなたに慣れてるだけで、彼女の反応はAIに対しての一般的な反応ですよ」
アイラはリリエラの前で手を振って話しかける。リリエラの表情に変化はないが傍から見たら怒っているのは明らかだった。エリスも苦笑いをする。
「そう、私たちはずいぶんと甘く見られているようね」
「へぇー、思っていたよりもすごく滑らかに反応してます。リリエラさん、よろしくお願いしますね。仲良くしましょう!」
「ええ。力になってくれるというのなら私も手を貸すわ。」
アイラが差し出した手をリリエラは握って握手する。
《リリエラ紹介してからずっとアイラの言葉が嘘判定で引っ掛かり続けてるんだけど》
ラーミルはげんなりとした様子で新しくメッセに書く。
《ということは、アイラはリリエラについて知っているのか》
ヴァイリが追記する。
《プレイヤー個人がリリエラのことを知るのは難しいですよね》
《バックに何かいるかもしれないな》
エリスとヴァイリは推察する。
「ほかの皆さんもよろしくお願いしますね」
「ヴァイリだ。よろしく」
「フブキだ、助太刀頼むぞアイラ」
アイラが振ってきたのでヴァイリとフブキも返す。
表向き打ち解けている中、裏ではアイラへ探りを入れようとしていた。