エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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元老院 大統領図書館のパノラマ写真
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実際に要人の会食とかでも使用される部屋



149話 2025.3.12 捜査線浮上

2025.3.12

20:06

 

クレムリン 元老院 大統領図書館 (Президентская библиотека)

二階まで吹き抜けになっている本棚に囲まれた図書館。花が生けてある中央の円卓には会議に参加する人数分ティーセットも用意されていた。

 

 

「リリエラがいなかったからボス戦大変だったんだぞ。トーラス2体に追加ボスで計3体出てきたし」

ヴァイリは椅子に尊大に座って抗議していた。

 

「仕方ないじゃない。アポとれた日と被ったんだから。パンドラについて収穫もあったし」

ミルローゼは反論する。

 

 

「リラックスするカモミールティー淹れましたわ」

ベティが二人の間を割って、持っているポットからティーカップへ注ぐ。

 

 

「戦力引き抜かれる苦労も考えろよな(ズズッ)あっ、おいしい」

「ちょっと借りただけで文句言いすぎ(コクッ)あっ、おいしい」

二人はベティの淹れたハーブティーを一口飲んだ途端落ち着いた。

 

 

「なんだかんだ息合うよね二人」

「余計なこと言ってると斬られるわよ」

 

ジー

 

「ひぃっ!」

 

二階の傍聴席からパトロンに混じってるクロンが睨んでいることをアンジェラに気づかされたアルシエは身を竦ませた。

 

 

「パンドラを嗾けてきてる奴も見つけたんでしょ、リリエラ?」

 

「ええ、それらしい男は見つけたわ」

ヴァイリの傍らに立つリリエラはミルローゼに言われて映像を出す。パンドラの接続元の近所の街頭防犯カメラがとらえたものだった。

 

「解像度は悪いけど手配写真と85%一致」

リリエラは全国指名手配中の男の写真も空間に表示した

 

「ここで須郷かよ」

ヴァイリは頭を抱えた。手配書の名前には須郷伸之と書かれていた。

 

「接続元さえ特定してしまえば犯人はあっさり見つけられるものね」

キーナはスコーンに手をつける。

 

「須郷はリスク要因だ。原作ではSAOサバイバーで人体実験していたし。排除したい」

ヴァイリは強く言う。

 

「この男ってビーターとも因縁なかったっけ?両者をうまくぶつけられないかしら」

リリオが手元に置かれた手配書の顔を爪でコツコツ指しながら言う。

 

「ああ、そうだ。キリトを巻き込まない理由がない。なんせアスナと須郷はもともと縁談があったくらいだからな」

 

「殺しはやってないから良くても懲役刑ね。死刑にはもっていけないから出所後も考えて黒の剣士にヘイト向けたまま務所にいれないと」

アンジェラは思案する。

 

「嫌がらせで須郷にアスナの情報流しておくか。」

ヴァイリは文面を作り始めた。

 

 

 

 

───同刻

SA:O はじまりの街 商店通り

 

 

 

「あはは、人の気配がたくさんする。全部壊したいなあ」

MMOゲームのログイン数が多い時間にパンドラは商店の建物の屋根に座って足をぶらぶらしながら通りを行きかうプレイヤー達を見下ろしていた。

 

「パンドラ、なに《圏内》に入ってきているの?」

 

「ん?姿が見えないけど、声が聞こえる」

横から声が聞こえてパンドラはキョロキョロ見回すが姿かたちは見えなかった。

 

「特別なアイテムで隠れてるのか。でも、聞き覚えのある声だね。あの男の知り合いかな?」

声がする方向に向かって首をかしげる。

 

「あなたはプレイヤー狩りをしていればいいの。《圏内》で遊んでいる場合じゃないわ」

 

「ちょっとくらいいいじゃない。獲物を探してちゃんと《圏外》で狩るからさ。あ、そうだ。それならこの街の全部を壊せるようにしてよ。そうなったらきっと楽しいよ?」

パンドラは指示されたプレイヤーのPKを繰り返していた。対象はSAOサバイバーや他タイトルの上位プレイヤー達だった。

 

(…ただ戦うだけじゃなくて自分から破壊を強く望むようになってる。ディープラーニングの結果かしら)

 

「あたしのことよりもさ、あなたはどうしてこんなところにいるの?」

 

「私はあなたとは別にやることがあるのよ。あなたにはもっと強くなってもらわないといけないからね」

 

「あははは、そっか。あたしのために色々やってくれてるんだね」

 

「違うわ。私は、過去を未来にするために動いてるだけよ。パンドラ、あなたの中には私の過去がある。そしてそれは、私の未来にもなる。だから、危ないことは慎みなさい」

 

「・・・わかったよ。指示には従ってあげる。あなたにも、あの男にもまだ勝てないからね。それじゃあ狩りにいってくるよ。バイバイ。今度はちゃんと姿を見せて会おうね。姿が見えないと、壊したかどうかわからないからね。あはははっ!」

パンドラはそう言うと大きく跳躍して建物の屋根伝いに飛び、街の外へ向かっていった。

 

「もう少しで、もう一度・・・もう一度会える」

インビジブルを解除したアイラは虚空を見上げた。

 

 

───

 

大阪府都島区 雑居ビル

 

 

「まったく、柳井もアイラも役に立たない。パンドラのラーニングがスケジュールより遅れてるじゃないか。取引先へのデモ日だって決まってるんだぞ。僕に恥かかせるつもりか」

パソコンの前のチェアに座っていた須郷はイライラしながらパンドラの調整をしていた。彼の最終的な目的としては完成したパンドラを高度AIとして海外の兵器産業に売り込む算段を立てていた。

 

そんな中、差出人不明のメールが届く。

 

「なんだよ。この忙しい時に」

 

《お前の婚約者はこのガキに取られたぞ》

オリジンの中で幸せそうに並ぶキリトとアスナのツーショット写真が何枚も展開された。

 

ダンッ

 

メールの送り主など気にせず写真を見た須郷は途端に大きな音が響く程机に拳をぶつけた。

 

(SAOの介入に失敗してなければ!レクトに残れていたら!今頃明日奈は僕のものだったんだぞ)

須郷の奥底に巣食っていた黒くドロドロした怨恨が今またじわじわと大きくなりだしていた。

 

 

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