エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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150話 2025.3.14 大地切断モジュール

2025.3.14 14:42

 

SA:O 第4エリア クルドシージ砂漠

レメタ掘削洞窟 コンソールルーム

 

 

「ここか・・・」

薄暗い洞窟の一角、キューブ状の岩の前でキリトは足を止める。

 

「間違いありません。管理者用のコンソールですね。さっそくアクセスしてみます」

背中におんぶしてもらっていたユイが下りて、端末へ歩いていく。

 

「アタシも手伝うー」

ストレアがユイの横に並ぶ。

 

キリト達はプレミアのクエストについての不可解な点を明らかにするためセブンから教えてもらったコンソールルームを訪れていた。

 

「ふぅー、やっとついたー」

フィリアは台座のような石碑に腰かける

 

「セブンの言っていたオアシスから大分距離あったな」

キリトは水筒を取り出してゴクゴク飲み、砂漠を渡ってきた渇きをいやす。

 

 

「あっ、ありました。これがプレミアさんのクエストログです。強制的にクエストを起動した上に改変された形跡があります」

コンソールを操作していたユイは1件のログを拡大する。

 

「プレミアのクエストを書き換えてるモジュールはこれかな?」

ストレアが紐づけされているデータを引っ張り出す。

 

「このモジュールの名前は・・・《大地切断モジュール》です」

 

「大地、切断!」

ユイが読み上げた言葉にキリトは以前キズメルから聞いたことある伝承、アインクラッド創生を思い出した。

 

「オリジンは新規のゲームとして作成されていますが根幹システムはSAOのものを使っています。もしこのモジュールが最後まで処理を実行してしまったら大地が切り離され、アインクラッドが創生されると思います」

 

「ねえ、それって運営が用意したものなの?フィールド壊したらゲームどころじゃなくなるんじゃない」

シノンが聞く。

 

「もともとサーバー内にあったSAOデータ、アインクラッド崩壊シミュレーションモジュールを外部から書き換えられた形跡がありますので誰かが意図して改変しています」

 

 

「あっ、ユイこれも見て」

ストレアは見つけたデータを取り出す。

 

「これは・・・SAOプレイヤーのデータですね。モンスターの行動ルーティーンに組み込まれています。これも、もともとオリジンにあったものではなく外部から入れられたようです」

ユイはデータの解析をする。

 

「ラフコフとかPKのような動きするモンスターが出てきてるのはそいつのせいね」

 

「どこからSAOのデータをもってきたんでしょう?」

 

「そうよね。SAOのデータはゲームクリアの時に全部消去されたはずなのに」

リズベットとシリカは疑問を持つ。

 

(オリジンのスタッフも知らないようなカーディナルの中身を知っている人。SAOを開発したアーガスは事件が起きてから債務超過で倒産。その後サーバーの維持を委託されたのがレクト。お父さんはどこの部署とまでは教えてくれなかったけどもし、あの人の部署だったら・・・)

アスナはSAOデータを持っている人に心当たりがあった。須郷伸之、レクトのフルダイブ技術研究部門の主任研究員だった人でよく家にも来ていた。しかし、アスナと兄はその胡散臭さから嫌っていた。SAO事件中に問題を起こしたようで雲隠れしたと聞いてたがその後のことは知らない。

 

「アスナ?平気なの?なんだか気分が悪そうに見えるわよ」

「アスナさん大丈夫ですか?」

顔色を悪くしているアスナにリズベットとシリカが心配して声をかける。

 

「あ、ううん。大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから」

アスナは考えすぎと思って首を振り、須郷のことは思い出さないようにした。

 

 

 

(ちゃんと映像送れてるかな?)

ユイがコンソール画面を操作しているところをフィリアは動画撮影プログラムを使って映していた。

 

「フィリアさん、どうかしましたか?」

 

「いや、何でもないよユイちゃん」

 

ユイが気配に気づいて振り向いた途端アンインストール機能でカメラは痕跡なく削除された

 

 

 

───

 

はじまりの街

エンドワールドのギルドホール

 

「あ、映像途切れた」

画面が真っ暗になってヴァイリは言う。手が空いてる人達が集まってフィリアから送られていた中継映像を見ているところだった。

 

「物憂げな表情のアスナ様も素敵でしたわ」

アスナ信者のセレンは恍惚とした表情でひとりごちていた。

 

「ところどころなんか違う気もするがこの流れならアインクラッドはシナリオどおりできそうだ」

ヴァイリは首を回しながら安堵して言う。

 

「エリアボス初回クリア実績数回取ったしSNSでアピールできる分の爪痕は残せてる。残りのグランドクエストはアッチに任せるとしてこっちはパンドラ撃退に集中できるね」

アルシエが言う。

 

「須郷側がどう動くか次第だな。下手につついてまた雲隠れされても厄介だしパンドラと一緒に一網打尽できるチャンスあればいいんだが」

 

 

「面倒なのを相手にしているというのに愉快な思考をしているわ」

部屋の隅っこにたたずんでいたリリエラが口を開く。

 

「ご主人様に随分な口のきき方だな」

ヴァイリはリリエラのほうを向いて言う。

 

「リリエラはパンドラと直接戦ったんだよね。どうだった?」

アジュールが聞く。

 

「壊しがいのある木偶だったわ。逃げられてしまったけれどね……そう、逃げられたの!この私を愚弄したまま逃亡した!この屈辱は忘れないわ。必ず見つけてあの生意気な顔を千切りにしてあげる!」

 

「随分と感情的で人間味出てきてること」

セレンが棘のある言い方をするもリリエラはパンドラへの執念を燃やしている最中で特に気にしない様子。

 

「リリエラ、あんまり一人で何でもかんでもやろうとしちゃダメだよ。あたしたちが一緒なんだからね。あたしのこともどんどん頼ってくれていいんだよ!」

ノエルは胸に手を当てて得意げに言う。

 

「悪戯の子羊ちゃんをね・・・なんだか頼ったらすぐやられちゃいそうだけど。でもそうね、私は防御が苦手だから子羊ちゃんを左手に持って木偶の攻撃を防ぐことにするわ」

 

「あたしは盾扱い!?」

リリエラから盾にされそうになっているノエルはギョッとしていた。

 

 

───

 

 

「駄目だ駄目だ駄目だ、これじゃ間に合わない」

須郷はモニターでパンドラの完成度を数値化するグラフを確認したが全体としては4割にも満たないところだった。

 

「仕方ない。これ以上システムチェックに引っかかるのは使いたくなかったが。ベータテストが終わればもうこのゲームにも用はない」

須郷はパンドラに内蔵されているData Predationという項目を有効化する。パンドラに倒した者のデータを取り込ませることで戦闘経験より数段にラーニング効率が上がるプログラムだった。

 

 

「茅場晶彦のものを超えるAIにするためにはSAOのAIを取り込むのが手っ取り早いか」

須郷は画面にSAO産のAI3人の写真を出す。

 

「リリエラとストレアは戦闘力が高いから倒しにくい。となるとあの小娘が狙い目か」

須郷はユイに目をつけた。

 

「城ができるのも近いな」

オリジンの開発段階で細工をしていた大地切断モジュールの進行具合を確認する。

レクト・プログレスから逃げ出すときに持ち出していたデータのひとつ、アーガスから管理移管したときに手に入れていたアインクラッドのマップデータを取り入れていた。

 

 

「完成した暁には僕がこの世界の新しい王になってやろう」

画面に《Alberich》と名称されている金髪をオールバックにして金の彩色が入った銀の王様のような服装のアバターが表示されていた。

 

 

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