エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
魔法オンリーのってまだないからホグワーツっぽいの来るかも?
あるいはARでオーディナルスケールのサイドストーリー欲しいとこ
2025.3.19 13:56
SA:O アインクラッド100層 紅玉宮
パリィン!
「くっ・・・はぁ・・・」
シミュレーションモジュールが砕ける音と共にもう一人の女神である銀髪のティアが膝をついていた。
「はぁ・・・はぁ・・・よし、ティアとモジュールを切り離せた」
キリト達は長い戦闘の末、ティアのアインクラッドを落下させて世界を壊そうとするのを止めることができた。
パチ、パチ、パチ、パチ
「いやあ、見事な戦いだったよ。さすがSAOの英雄達はすごいね。」
豪華な鎧を纏った金髪の男が拍手しながら現れる。
「まさか、君の方から僕の元へ来てくれるとは思わなかったよ。やはり僕たちは、運命の赤い糸で結ばれているということかな、明日奈!」
「わたしのことを知っているということはやはり須郷さんなんですね」
名前を呼ばれたアスナは男の正体を暴いた。
「この世界でその名前を呼ぶのはやめてくれないかな。僕はアルベリヒ、この城の主、そしてこの世界の王になるのさ」
須郷改めアルベリヒはおどけたように言って見せる。
「残念ながらあなたはSAO事件の時に背任行為で既に解雇されています。須郷さん・・・いえ、アルベリヒ!今すぐオリジンを元に戻しなさい。これ以上罪を重ねることをやめてちゃんと裁きを受けるべきです」
「裁き!?いったい誰が僕を裁けるって言うんだい?この場にいる君たちだってボロボロの状態じゃないか」
アルベリヒの言うとおりティアと死闘を繰り広げたキリト達は満身創痍の状態だった
「まあいい。お前たちのデータを取り込ませれば妥協点まではいくだろう。軍事転用できる茅場のものを超えるAIをね。パンドラ、まずはそこの死にかけのNPCからだ」
アルベリヒは瀕死のティアを指さすとパンドラが現れる。
「お兄さん達、また会ったね!すぐそこのNPCの後を追わせてあげるから待っててね」
パンドラはそう言うとティアへ駆けていき得物の大剣を振り上げる。
「やめろ!」 「ダメ!」
キリトとプレミアが叫ぶがパンドラを止めるには距離が離れすぎていた。
「ん・・・」
死を覚悟して目をつぶるティアへパンドラが斬りかかる。
ガキィン!
しかし、寸でのところで大剣が受け止められる。
「悪食にも程があるわよ木偶」
パンドラの斬撃を阻止したリリエラが押し返す。
「旧式のくせにウザイよ」
パンドラはバックステップしてアルベリヒの元まで戻る。
「我々も混ぜてもらおうか」
ミルローゼが増援を引き連れてボス部屋に乱入してきていた。
「回復します。《フロウレスエナジー》」
プリエルが範囲回復スキルを使用してキリト達のHPが全快する。
「助かった。プレミアはティアを守っていてくれ!アスナ、いけるか?」
「わたしも大丈夫、戦えるよ」
「よし、ここで決着をつける!」
キリトとアスナは態勢を立て直す。
───
「いくらパンドラのステータスがボス並みで戦闘技術が卓越していてもたった一人よ」
「みなさんで囲めば勝てるはずです。すぐに援護を─」「!、エリス危ないっ!」
「きゃっ!」
パンドラ攻略の擦り合わせをしていたシノンとエリスだったが、エリスの後ろから気配を感じ取ったシノンが手を引っ張って避けさせる。
「姿を消して近づいたのですが攻撃する前に気づくなんてさすがはシノンさんです」
何も見えなかった空間から瞳が濁ったような表情のアイラが現れる。
「ありがとうと言っておくわ。アイラ、この戦いに出てきたってことは敵と判断していいのね?」
「はい。私はパンドラを守らなければなりませんから」
シノンは今一度確認するがアイラの意志に変わりなかった。
「・・・アイラさん、戦うしかないんですか?」
「ええ、エリスさんもシノンさんもそのつもりで来てください」
「わかった。戦いの中であなたの考えを確かめさせてもらう。勝負よ、アイラ!」
エリスは未だアイラを心配していたがシノンは手加減なしで戦う決心がついていた。
───
「ヴァイリ、マリオネットは?」
「ここだと広すぎて固定できない。部屋が変わればやるかもしれないから備えてくれ。フブキもサナエ、アプリル達に伝えておくように」
「あいわかった」
クロンに聞かれてヴァイリは今いる広間を見渡す。ついでフブキにも前もって言っておく。
「人数で勝ってると思っちゃだめだよ、それっ!」
「アハハハハハハハハ!」 「アハハハハハハハハ!」 「アハハハハハハハハ!」
パンドラがゲームのプログラムを書き換え、彼女を模したモンスターが数十体現れる。
「何、このうるさい声のモンスターは?」
「まるであの白髪のNPCみたいね。取り巻きってところかしら」
カーラとエクレールは増えたモンスターに警戒する。
「あの数は脅威となりえます。取り巻きから減らしましょう。私たちは右に発生したものを討ちます」
「拙者らは左からだ」
トトナとフブキはそれぞれチームを引き連れて取り巻きのモンスターを倒しに向かう。
「正面の分が残ってるわね。行くわよ、エクレール」
「わかったけど…わたしに命令すんな、武道家!」
正面の取り巻きにカーラが向かうとエクレールも後についていった。
───
「この木偶が、消えなさい」
「あははは、当たらないよ!」
カーラ達が取り巻きを抑える中、リリエラはパンドラと対峙していた。
「そうでしょうね。おかしな方法で強くなったと聞いたわ。一人で壊せないのは少し残念だけれど、共同作業ならどうかしら?」
「うおおぉぉぉっ!」
キリトが取り巻きの隙間を抜けてきてパンドラに突進する。
「くっ!」
不意を突かれたパンドラは体勢を崩す。
「ヴァイリ、リリエラ、今だ!」
「プレゼントするわ!」
「お前の登場で予想していたシナリオがめちゃくちゃだ。消えろ!」
キリトの不意打ちで隙のできたパンドラをリリエラと私怨交じりのヴァイリが攻撃する。
「ぐぎーっ!」
ダメージを受けたパンドラは唸るような悲鳴を上げる。
「ふふふ、いくら強くても私たちが同時に仕掛ければ防御せざるを得ないようね。爽快感はないけれどじわじわ追い詰めるのも私は好きよ」
リリエラはパンドラにダメージを入れられたことに愉悦を感じていた。
「パンドラ、これ以上戦っても君では俺たちには勝てない。おとなしくしてくれ」
「あははは…この期に及んで優しい言葉をかけるなんてお兄さんは本当に面白いな。わかったよ、それじゃあ…ここからは防御しないでいくよ!」
「なっ、ぐっ!」
キリトが交渉を持ちかけるも、パンドラの動きがこれまでと変わり、リリエラに一撃を入れる。
「手を抜かれてたってことか。気を緩めずにいかないとな」
キリトは剣を構え直した。
───
「やあっ!!」
「くうっ、攻撃が重い!」
杓杖を叩きつけてくるアイラの攻撃をアスナは受け止めるが、それでもダメージが入ってきていた。
「今の私はあなた方よりも高いステータスを持ち、強力な武具を身につけています。かつての中層プレイヤーだと侮らないでください!」
アイラはアルベリヒから与えられていた管理者権限を利用してステータスを強化していた。
「待ってください、アイラさん!」
二人の戦闘にユイが割って入ってくる。
「ユイちゃん!?」
膝をついてるアスナも急な娘の割り込みに驚く。
「ど、退いていなさい!あなたのような幼い子はこの戦場に出てきてはいけないわ」
「退きません!わたしはアイラさんとお話をしにきました。今のアイラさんはとても悲しそうです。悲しくてつらいのにどうしてわたしたちと戦うんですか?」
両手を広げて立ちふさがるユイにアイラは手を止める。
「アイラさん、あなたと初めて会ったときやらなくてはいけないことがあると言っていました。それでアルベリヒに従わざるを得ないわけなんですか?」
「それは…」
アスナに言われてアイラは口ごもる。
「アァァイラちゃぁぁんっ!」
「ぐぁっ!」
「えっ…?」
何かを言いかけようとしたアイラにパンドラがやってきて左腕をばっさりと切り落とした。アスナもアイラの味方だったパンドラが攻撃したことに驚く。
「パンドラ!?一体何を!?」
「だって、あの男がすぐにアイラちゃんを処分しろって言うんだもん」
腕がなくなった肩をおさえるアイラへパンドラが答える。
「えっ…あれ?《管理者権限》が使えない、どうして?」
「まともに命令もきけない無能には必要ないものだろう?敵に言いくるめられて倒さず、パンドラのお守もできなかったような奴はいらんからな。捨て時と思ったし権限は剥奪させてもらったよ」
管理者権限を使えなくなって焦っているアイラにアルベリヒは宣告する。
「私との契約はどうなるのですか?」
「契約…?ああ、そんなものもあったんだったかな。パンドラのお守をする見返りに死んだ友人をAIとして復活させる、だったか。フン、何の力もないガキに僕がそんな面倒なことをするとおもったのか?」
「…最初から私を騙していたんですか!」
「騙すとは人聞きが悪いね。僕はこの世界の王として可能性をみせてあげただけさ。ちゃんとパンドラのアバターは君好みに合わせてあげただろう?」
「…それじゃあ今まで私のやってきたことは」
「そうだね。攻略組やAIを誘導してパンドラとぶつけてくれたのは感謝しているよ。そのお礼に君の処分はパンドラに任せたんだ。とても慈悲深いだろう?パンドラ、やれ」
「はいはい。ごめんね、アイラちゃん。あたし逆らえないから。アイラちゃんのことは好きだったけど仕方ないよね。それじゃバイバーイ」
ザシュッ
「そんな…」
パンドラの攻撃でHPを全損させたアイラはポリゴン片となって散っていった。
「残念だったねアイラちゃん。あはははは!」
パンドラは微塵の感傷もなく笑っていた。
「パンドラ!そこでそいつらを倒しておけ」
アルベリヒはそう言うと奥の部屋へと引っ込んでいく。
「待て、須郷!」
「おおっと、お兄さん達の相手はあたしだよ?」
「くっ!」
アルベリヒを追いかけようとしたキリトの前をパンドラが塞ぐ。
「ふぅ、やっと取り巻きが片付いたよ!まったくもぉ、本当にすぐわいてくるんだから」
「キリトさん、あとはわたしたちがいます。皆さんは須郷を追ってください」
しかし、取り巻きを倒し終わったノエル、エリスなどが合流し、パンドラを囲えるようになった。
「今のパンドラは手強い。持ちこたえるのだって簡単じゃないぞ」
「わかってるよ。でもここにはみんながいる。エリスもアネットもリリエラもエヴェちゃんたちだって。みんなでパンドラをやっつけてみせるよ!」
「わかった。頼む!俺たちは須郷のところへ行く。」
キリトがそう言い、アルベリヒが入っていった部屋へ向かった。
「・・・・」
「どうしたの、リリエラ?さっきから黙っちゃって。もしかしてアイラちゃんがやられて怒っちゃた?」
アイラがやられるのを見てから表情を変えずに一言も発していなかったリリエラにパンドラがからかうように言う。
「いいえ、私たちを利用していた奴が消えてよかったと思っているわ。けれど、どうせなら私がこの手で滅ぼしてやりたかった。鬱憤は溜まっていたからね。この鬱憤をあなたにぶつければ少しは気が晴れるかしら?それとね、少なからずあなた自身にも苛立っているのよ。敬愛すべき主をボロ布のように斬り捨てるのを見た瞬間に苛立ちが湧き上がってきたわ」
「あはははは、そうかそうか。リリエラは主様が大好きだもんね!見上げた忠誠心だよ!」
リリエラの静かな怒りにパンドラはゲラゲラと笑う。
「ヴァイリ、出しなさい。『エンドカオス・オーレオール』、私の愛剣よ」
ヴァイリは頷いてインベントリからエンドカオス・オーレオールを取り出してリリエラに渡す。
「さあ、楽しいダンスの時間よ!」
剣を受け取ったリリエラが光に包まれると、片側にそれぞれ天使と悪魔の羽が生えたSAOの紅玉宮でボスとして降臨した時と同じ姿に変身していた。