エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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15話 2022.12.15、24 クリスマス

2022.12.15

本部滞在宿屋

ギルマスからお呼び出しがあった。なんでもドラゴンナイツと解放隊からクリスマスパーティーのお誘いがあったそうだ。

「あの2ギルドがうちに協力要請?」

 

「戦うことしかやってない連中だから生産職のいる我々に依頼するしかないのだろう。恩を売ってやるにはいい機会だ。」

 

「そうですか、需品班の皆には伝えてありますよね?」

 

「無論、後は催しに関して企画をしたいのだが」

 

「最近槍使いでメリーというのが入ってましたよね?なんだかサンタの格好もしてるのでそういうの好きかもしれないですよ。」

 

「そうか、聞いてみよう。ベータを経験してるお前からも何かプレイヤーメイドで出来ることについて助言してやれ」

 

「仰せの通りに」

 

 

 

 

 

2022.12.24

 

1層 広場

広場の露店は他の有力な生産職プレイヤーも出店しだした事で14店舗に増えていた。店が集まるのに比例してお客の数も増えていた。やっとバザールらしくなってきたな。露店にはケーキやクリスマスにちなんだアイテムが並び、転移門の前には飾りのついたモミの木が立つ。クリスマスイベントはゲームシステムとして発生しなかったが、ドラゴンナイツと解放隊主催のユーザーイベントが、始まりの街広場で午後5時から開催されることになった。

 

 

「ヴァイリ、ちょっと頼みごと聞いてくれないかな」

 

「アジュール、また奮発して奢ったのか?」

 

「いやー、みんないい食べっぷりだからつい」

 

ヘメラ、シャサール、テレサあたりに露店の商品を食べさせてたんだろうな

 

「まあ、それもあったんだけどまだお金は大丈夫で今日は別のことなんだ」

 

「何だ?」

 

「1層で小学生くらいの子たちを引き取ってる教会があってね。私達たまに遊んだりしててさ、今日はクリスマスだからプレゼント渡したりしたいからヴァイリも来てくれないかなって」

 

「俺に小学生の面倒が務まるものだとは思えないけど」

 

「教導の副長様が何言ってるの。よろしくねヴァイリ先生。」

 

「俺が教えられるのは戦闘と政経だけじゃないか」

 

 

 

1層教会

アジュールたち数人で子供たち用のプレゼントを教会まで持っていく。

 

「どうもありがとうございます。子どもたちも喜びますよ。」

シャーサさんという人が頭を下げる。ここで子どもたちの世話をしているらしい。

 

宿舎のようなところに入ると20人以上の子どもたちがいた。

こんなに小学生がいるのか・・・

アジュールたちと一緒に子どもたちにぬいぐるみやお菓子などを渡していく。みんな喜んでいた。

 

 

「ねえねえ、お兄さん、私たちはいつお母さんたちに会えるの?」

プレゼントを手渡した少年から問いかけられる。

 

「今、このお城でみんなをおうちに帰そうと戦ってる人達がいるんだ。その人たちを応援することが君たちにできることだ。」

 

 

配り終えて休んでいるところをアジュールが隣に座ってくる。

「いいねえ、子どもを見てると普段の殺伐さを忘れられて心が豊かになるよ。ヴァイリ、私たちの剣にはおうちに帰りたい、そういうこの子達の願いも宿ってるんだよ」

 

「そうだな。この子達も無事に元の世界に帰してあげないと。」

 

 

 

子供たちが昼食で食堂に行ってる頃、あまり教会の中を見たことなかったので入ってみた。

 

「こんにちは。巡礼ですか?」

 

シスターのような佇まいの人が祭壇に立っていた

 

「あなたは」

 

「この教会を勝手ながら管理させていただいております。ミリシオンと言います」

ミリシオンと名乗った女性は慈愛に満ちた笑みを浮かべていた。

 

「なにか懺悔でもありましたらお聞きになりますよ?」

 

「いえ、特にそういう目的はないですね。」

本職なんだろうか。それっぽい質問をしてみるか。

 

「シスターとしては何が一番の救いになると思いますか。」

 

「そうですね。悲鳴をあげることでしょうか。」

 

「悲鳴ですか?」

 

「そうです。自らの不安を泣きわめくことで恐怖を和らげ、気を楽にすることができるのです。お試しになりますか?」

 

「 いえ、今日は遠慮しておきます。」

何かとても嫌な予感がした

 

 

 

宿舎に戻ると子供たちの中に修道女服を着た同い年くらいの子がいた。

「エンドワールドの方ですね。初めまして、私はプリエルと言います。」

 

「どうも、ヴァイリという。」

 

一人の少女が近づいてきた。

「お兄さん、プレゼントありがとう!」

 

「どういたしまして」

 

「お兄さん、私もモンスターを倒しに行けるかな?」

 

「ここにいるほうが安全だと思うけど?」

 

「シスターミリシオンがね、言ってたの。モンスターさんたちを殴る事で天に召されて浄化されるんだって」

ミリシオンさん、あんたなんて事教えてるんですか。

 

「エヴェイユちゃんは敬虔な子羊さんですからね。シスターも一目置いてるんですよ。」

 

プリエル、お前もか。もういやだこの教会

 

シャーサさんだけ苦笑いしてる。大丈夫、あんたはまともだ。

 

 

 

 

18:00 始まりの街広場

午後5時にパーティーが始まった時は千人以上が集まってたようだが、騒ぎを聞きつけて宿屋にこもってたプレイヤーも出てきたようで30分後には倍以上に人数が増えていた。

 

仮設ステージにサンタ服を着たエンドワールドのメンバーが数人立つ。

 

「「イエーイッ!メリー・クリスマース!」」

 

「みんなもりあがってるー?」

 

「今日はいっぱい楽しもう!」

ノエルとメリー、はっちゃけてるな

 

 

そのあと、イディア、ヒトミ、ピコ、イーリス、更にレインもステージに上がって会場の参加者とともにジングルベル等、誰もが子供のころ聞いたことあるような数々のクリスマスソングが歌われる。歌好きなメンバーそれなりにいるな。チャントのスキルが取れれば戦闘でも活躍できるだろう。

 

 

 

 

「ヴァイリ、メリー・クリスマス」

クロンがグラスを2つ持って来る。俺は1つ受け取る。

 

「クロン、メリー・クリスマス。今日も午前中上層行ってたようだけど大丈夫?」

 

「私が出来ることは上を目指すことだけだ。あなたは今日のパーティーにも関わっていたのでは?」

 

「どういうオブジェクトを置くことが出来るかとか教えただけだよ。ここまで盛大にできたのは企画した彼女たちだから」

 

「あなたのおかげでもあることに変わりはない。私も楽しめている。」

 

「そうか、それなら多少頑張った甲斐があったよ。」

 

始まりの街、一層全体に雪が降る。茅場も少しは粋な計らいをしてくれている。

 

パーティーの締めとして参加者全員がキャンドルを持って〈we wish you a Merry Christmas〉が歌われる。クリスマスを祝うとともに年の瀬を感じる。

 

 

年が変わるのもあと数日だった。

 




子どものクリスマスソングも著作権切れてないものもあって厄介
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