エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
h ttps://www.youtube.com/watch?v=BhLo9UXS9WU
2025.3.19 14:31
「これが王の力…いや、あたしが使うんだから女神の力かな。ほら、痛いのが嫌なら、キリトの取り巻きと戦ってくるんだよ!さっさと行け!このポンコツがっ!」
「ひぃぃ…」
主従逆転した途端パンドラはアルベリヒの尻を思いきり蹴ってぞんざいに扱いだす。
「本当に使えない男だな。あたしの戦いの邪魔するつもりなのかな。」
パンドラはやれやれといった風に首を振る。
───
「製作者と口調近くなってるし。親が親なら子も子だな」
キリト達とパンドラがいる部屋の外の入り口から加勢のタイミングを見計らっていたヴァイリはパンドラの物言いにアルベリヒと重ねていた。
「キリト、行くよっ!」
「ぐっ!重すぎる!」
「きゃはははははっ!これはすごいや、強くなりすぎちゃったみたい!」
そうこうしているうちに戦闘が再開してキリト達が押され気味になる。
「行きますか、ヴァイリさん?」
「うーん」
エリスが聞くもヴァイリは渋る。
「それっ!」ザシュッ
「ぐおっ!?」
部屋の中の戦闘でパンドラの剣がスリーピングナイツのテッチの右腕を掠る。
「テッチ!」
「ぐうう、なんのこれしき…」
ノリが声をかけてテッチは答えるが苦悶の表情を浮かべる。掠っただけでダメージ量は多くないがそれでも痛覚が反映され、彼は右腕を左手で抑えていて動きが鈍る。
「あのペインアブソーバ無効にしてるのがなあ」
痛がるテッチを見てヴァイリは冷や汗を流していた。
「リリエラにも言われたじゃない。借りを作るんでしょ?」
カーラが呆れたように言う。
「はぁ・・・皆、行けるか?」
ヴァイリはついてきていた仲間を見渡す。クロン、カーラ、リュミルの普段組む3人、エリス、ノエル、ベティ、アネット、エヴェイユ、ルチア、エクレールのSAOの頃から共に戦っていた仲間は覚悟のある顔をしていた。
ヴァイリは部屋の全体を見る。先ほどの広間よりは広くなく、天井にはシャンデリア、壁側に置いてある家具、外に面した窓を見る。
「この部屋ならやれそうだ。クロン、カーラ、弓の準備もしといてくれ」
ヴァイリの指示にクロンとカーラは頷く。
♪
「よし、まずは視界外から不意打ちして少しでもダメージ稼ぐぞ」
ヴァイリはパンドラが背を向けるのを待つ。
「・・・・・今だ!」
ヴァイリが合図して一斉に部屋へ入る。
「このやろっ!」
「うおっと」
ヴァイリが大盾でシールドバッシュを当ててパンドラがよろめく。
「助太刀します、キリトさん」
エリスはそう言うとパンドラに斬りかかる。
「お前たちか。弱いくせにあたしの前に出てきて!」
パンドラはエリスの剣を受け止める。
「あたしたちが弱い、ね。それじゃあその弱い奴にやられたらあんたはもっと弱い奴ね」
「どうしようもなく弱い奴だってわからせて、あんたを後悔させてあげるわ!」
エクレールとカーラはエリスの攻撃に繋ぐように追撃をかける。
「ぐっ!また違う連中が割り込んできたか!」
「この一撃は───」 「受けきれますの?」
「があっ!」
更にベティとエヴェイユがハンマーの大技でパンドラを吹っ飛ばした。
「・・・きゃははは!いいよ!やっぱりあなたたちは面白いね!もっとあたしに闘争を感じさせてよ!」
吹っ飛ばされて倒れていたパンドラは起き上がるとタガが外れたかのように更にテンションが上がっていた。
「災厄を広めてあげる!そっちのお姉さんから倒してあげるよ」
パンドラはアネットに狙いをつける。
「させないわ!姉さんは絶対に守ってみせる!」
ルチアがアネットを守るようにパンドラの攻撃を受け流す。
「やあっ!」
「きゃははは、浅いなぁっ!」
ルチアの動きに合わせてアネットが突きを入れるがパンドラの動きは速くなっていて軽々と避けられる。
「くっ、捉えられない」
「それだけじゃないよ。《管理者権限》を使えばこんなこともできる。ジ・イクリプス!」
パンドラは両手の大剣で二刀流のスキルを繰り出した。
「まさか、キリトと同じ二刀流のスキル?」
「ええー、そんなのズルくないですか?」
スピード自慢のユウキとリュミルも斬撃を抑えるだけで手いっぱいだった。
「これだけの人数相手でも立ち回れるのか」
ヴァイリ達が加勢をしてもパンドラの勢いは衰えを見せなかった。
「さぁ、これでおしまいだよ。その首を刈り落としてあげる!」
パンドラは左の大剣でヴァイリの盾を弾くと右の大剣で斬ろうとする。
(あ、これは避けられない)
防御を崩されたヴァイリはパンドラの攻撃を受け止められないことを悟る。
「うるさい木偶ね」
その言葉と共にヴァイリに向けられた刃が受け止められる。ヴァイリが振り向くと、そこに立っていたのはリリエラだった。
「なっ!リリエラ!?あれだけのダメージを与えたのにまだ生きてたのか!」
パンドラは驚き、リリエラから距離を取る。
「当然じゃない。ちょっと見ない間に品がなくなったと思ったら記憶力までなくしてしまったようね。無事かしら、ご主人様?」
「ああ、助かった」
転倒しているヴァイリをリリエラが手を貸して起き上がらせる。
《回復終わりました。いつでもマリオネット実行できます》
ピコンというシステム音とともにトトナからのメッセが入る。ヴァイリが部屋の入り口を見ると弓を装備したセツカ、セリーヌ達が部屋に入ってきて柱の影に身を潜めているのが確認できた。
《一射目はクロンがやる。それに合わせてくれ》
トトナのメッセにヴァイリが返事を送る。
「リリエラ、もう少し時間稼いでおけ」
「ええ、つまらないダンスを楽しむとするわ」
ヴァイリが言うとリリエラはパンドラと相対する。
「シノンさん、実はですね・・・・」
「・・・わかった。やってみる」
メッセを確認していたベティがシノンに耳打ちしてアイテムを受け取る。
「ほら、こっちだ」
包囲の中へ誘導するためヴァイリはパンドラを挑発して部屋の中央へ走る。
「待ってよおにーさん!」
ガイン!
パンドラの大剣二本の攻撃をヴァイリが受け止める。
「防いでるだけでいつまでもつかなあ?」
「いや、もう終わらせるぞ」
カァン!
ヴァイリが言った途端短い弦音が響き、矢がパンドラの後頭部から眉間に突き出たところで止まる。弓に装備変更して矢を放ったクロンは矢に結ばれていた縄を天井のシャンデリアに引っかけてパンドラを宙吊りにする。
「ぎゃあ!このぉ」
宙に浮いたパンドラは刺さった矢を掴み外そうとする。
「放て」
ミルローゼの号令と共に四方八方からパンドラへ更に縄付きの矢が放たれる。ベティから手渡された矢でシノンも一射する。放たれた矢はパンドラの四肢、両肩、翼、腹背中と至る所に刺さる。
「括りつけろ」
フブキが言うと、矢に繋がっていた縄を5人がかり程で引っ張られる。
「獲物っていうのは捕まえる時が一番暴れるから危ないんだ。油断しちゃだめだぞ」
「うおぉぉ、おとなしくしろぉ」
もがいて抵抗するパンドラを抑えようとシャサール、アジュールらが綱引きのように踏ん張り、縄を部屋内の柱や燭台、窓格子などに結び固定する。
パンドラは八つ裂き状に両手両足を広げられ磔にされた。パンドラが必死にもがくも返しのついた鏃で外れない。縄で宙に固定されたその姿は人形劇の
「今だ、攻撃を集中するんだ」
「うん、行くよ!」
キリトとアスナが言い、宙に固定されたパンドラがキリト達から集中的に攻撃を受ける。防御も取れないパンドラのHPはみるみる減っていった。
「ぐぎいぃぃ」
パンドラから苦悶の声が漏れる。
「糸に吊られて木偶にふさわしい姿になったわね」
リリエラがエンドカオス・オーレオールをパンドラの首筋に当ててまるで処刑人かのようにゆっくりと刃を深く入れていく。
「あああ、ああああ! なんで!あたしは最強のAIになるのに!」
首を半分ほど斬られてもパンドラは叫び続けていたがリリエラの切断作業は止まらない。
リリエラがパンドラの首を落とすとHPは全損してパンドラは粒子状に霧散した。
「パンドラァァァ!?僕の作った最高のAIがぁぁぁ!!」
消滅したパンドラに向けて手を伸ばしながらアルベリヒは叫ぶ。彼もクラインとエギルと戦っていて既にHPは残りわずかだった。
「リアルでちゃんと落とし前つけろよ」
クラインがアルベリヒを切り捨てるとアルベリヒもHPを全損してポリゴン片として散った。
「…キリトくん」
「ああ、終わったよ。この世界を守ることはできたんだ」
戦闘が終わったことを確認するかのように聞いたアスナにキリトは安心させるように言う。
ビーッ ビーッ
《システムメッセージ これより緊急メンテナンスを行います》
「おいおい、黒幕倒したらすぐメンテナンスかよ」
パンドラが倒されるのを見計らったかのようにタイミングよくシステムアナウンスがゲーム内に響き、エギルはげんなりしていた。
「ヴァイリ、父からメッセージが入っていた。配置は済んでると」
「ようし、これで安泰だ」
クロンとヴァイリは内密に話をしていた。
「プレミア、必ずまたこの世界に戻ってくるからな。約束する」
「はい、キリト。待ってます。わたしはみなさんと一緒にやりたいことがまだたくさんあります」
ティアの体を支えているプレミアはキリトの手を握った。
「なんだこれ?」
ヴァイリは床に光るものが落ちているのに気づく。
拾い上げたそれは鍵穴がデザインされた髪留めだった。
「あの木偶の残骸ね」
リリエラは嫌そうな声でパンドラの残滓を見る。
「戦利品として持って帰っとこ」
ヴァイリは髪留めをインベントリにしまった。
《ユーザーの皆様は各自ログアウト処理を行ってください》
プレミアとティアを残し、プレイヤー達は紅玉宮からログアウトした。
───
大阪府都島区
「クソがっ!」 ドンッ!
雑居ビルの部屋に響く罵倒とともに壁に椅子が投げつけられる。
「あいつを作るのにどれだけデータ注ぎ込んだと思ってるんだ。クソガキどもが大人を舐めやがって」
須郷はパソコンのキーボードをゴンゴン繰り返し拳で叩く。その度キーがバラバラと床に弾け飛んでいった。
「まあいい、パンドラはダメでもデータはたくさん採れたんだ。証拠を処分して海外に行けばいい。僕を欲しいって企業はたくさんあるんだ!」
ひととおり物に当たって頭が冷えてきた須郷は身支度を始める。
ドンドンドン
準備を進めているところ部屋の入り口のドアが乱暴に叩かれる。
「うるさいななんd」ドゴンッ「はよ開けんかいゴラァ!」
須郷が言い切る前にドアが破られ、スーツを着た厳つい男達が雪崩れ込んできた。
「ヒィィ、なんだよお前たち勝手に入ってきて。警察、警察呼ぶぞ」
須郷は腰を抜かして地べたを這い、壁に貼りつく。
「やかましい。大阪や」
そう言って厳つい大阪府警の捜査員は令状を須郷の顔の前に突きつけた。