エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
新章開始です
157話 2025.3.25 決起会
2025.3.25 15:03
東京都千代田区神田須田町
甘味処 松むら
都心のビル群の中にそこだけ時間の流れが止まったかのように佇む木造家屋の甘味処。その2階座敷を貸し切って座卓テーブルを縦長に繋げて興平達が座っていた。皆VRゲームの資料が入っているタブレットを持ち寄っていた。
「え・・・このお湯、しょっぱいんですけど」
「そういうものなの、風流を感じなさい」
お店の人から初めに出された桜の花が一輪浮かんだ桜茶に口をつけた流星が眉を顰めているのを蘭華が呆れて言う。
「さて、配信まで1週間きったわよ」
ミルローゼこと舞は参加するアイドルVRゲームの打合せを設けていた。
「開催日程は4月1日のみの予定ですがプレイヤーの参加状況によっては日程延長するとのことです」
カスミことすみれが言う。
「春休み暇を持て余してる学生の集客も狙ってのイベントね」
リリオこと莉緒が納得して言う。
「目標は?」
アンジェラこと杏が聞く。
「もちろん
舞は当たり前のように言う。
『ライブはもちろん物販の売上でも勝ちたいな。はむっ』
すみれのタブレット画面からリモートで参加しているアルシエの手元にはたこ焼きが映っていた。
「広い会場は倍率高くなるとスポーツバトルやミニゲームで出場権を手に入れないといけないし、誰をどこのステージに担当させるか重要になってくるわ」
キーナこと日高 雪菜が意見を言う。
「モンスター倒す殺伐としたゲームをやってきたのと比べれば随分と平和なもんだ」
『ステージの外では木偶が出るそうよ。コレとダンスをするのはわたしの担当かしら』
「お前も今回メインはステージの上だからな」
タブレット画面に出てきたリリエラに興平が言う。
「アイドルにちなんだ武器で魔法を放つサイリウムステッキやマイクのグリップの先端から光の刃が出てくるマイクソードで戦うそうよ」
杏が武器のデータを表示する。
「原作にも出てないタイトルだから全体の進行はおまかせしますわ。俺は担当分のマネージャーのほうに専念させてもらうから。渚からなんかあるか?」
興平は隣に振る。
「ラブライブ主人公穂乃果ちゃんの家のモデルになった和菓子屋!しかも二階に上がれるなんてエモい!」
「渚?」
「はっ、失敬失敬。ソロ、ユニット、グループ曲の割り当てはバッチリ!コピーユニットだから既存の振り付けでいいしダンスアシスト機能のレイアウトで対応できてるよ」
ナギサこと渚はアニメのロケ地にもなったことのあるお店に興奮していたが、興平が現実に引き戻す。
「エンチャントも担当曲は仕上がってるわよ」
イディアこと理子が自信を持って言う。
「頼んだわ、今回ウチのエースなんだから」
舞もエンチャントのユニットに期待を寄せていた。
「はい、お待ちどうさま」
二階に上がってきた女将さんが注文したものを並べていく。
「きましたよ、これが名物ですって。口コミサイトで評判になってました」
「外はパリッとしてるけど中はもちもちしてるのね」
パクッ「うん、おいしい」
興平の付き添いで来ていた流星と蘭華と瑠希が名物の揚げ饅頭を食べながらそれぞれのステージのプログラム予定など確認していた。
『みんなVRルームのカラオケでかなり練習したしいいとこいくんじゃない?おっちゃんたこやきもう一船―』
画面の中のアルシエは追加のたこ焼きの注文をする。
「曲ごとのステージデザインも準備できてる。大ウケ間違いなし!」
渚はもう勝ったつもりで言う。
「運営さんからお借りしたαテストデータでステージのセッティングもかなり自由度高かったことも確認できましたね」
すみれは先日にトライアルしたステージのカスタマイズシステムを話す。
「ステージデザインもいいけど客足の確保もね。サクラの動員の見込みできてるのかしら」
杏は肝心な事を忘れてないか眼鏡を光らせて言う。
「ご心配なく。各ファンクラブの皆さんに暫定セトリを配布してます。導線もできてますわ」
ベティことエリザベスはSNSでエンドワールドを推しとする
「競合になりそうなのは?」
莉緒が確認する。
「いくつかの地下アイドルユニットも運営から招待されていて、リアルでの芸名のまま活動するそうよ」
雪菜が敵情報告をする。
「ゲームで跳ねようと躍起になってるから手強そうね」
舞は顎に手を当てる。
PiPiPi
スマホのコールが鳴って舞が確認する。
「運営からマップデータが送られてきたわ。イメージとしては海に浮かぶ島が舞台だって」
舞はタブレットにゲームのフィールドマップのデータを表示する。左右2つの島が真ん中で何本かの橋でつながっている形をしていた。
「うーん?なんか見たことある形だな、これ」
興平は首をひねる。
「この大きな建造物が臨海アリーナ。収容人数多そうね」
雪菜はマップ上にライブステージのあるスポットを見つける。
「テレビ局、ヴィーナスストリート。テレビ番組っぽいコンテンツもやるのかしら」
莉緒が手近にあったピンをタッチすると球体の構造物のついた建物にヨーロッパの街並みのエリアの写真がポップアップされる。
「あー・・・これ」
何かに感づいた興平は自分のタブレットの地図アプリを開く。
「フューチャーサイエンスラボ、ホテル・ソウヤ、パステルタウン」
研究所、船の形をした建物、カラフルな遊園地など地図上に出てきた主要施設を杏が読み上げる。
「ドリームブリッジ、ビッグセンター、テレホンサイト、ディーヴァシティ。主な建物の位置変わらんし・・・これお台場と有明じゃん」
舞のタブレットに表示されているマップと、隣に並べられた興平のタブレットのお台場の地図は瓜二つの形をしていた。
───
同刻
VRルーム クレムリン
遊撃班の部屋
「なんでこんなことやらされるハメになってるんだか」
エクレールは執務机に足を乗せる格好で椅子に座りながら割り当てられた曲の資料を読んでいた。
「わたしも不本意ですがやるからには手を抜く気はありません」
イブは淡々と担当の曲の資料を読み進めていた。
「あたしもアイドルって性に合ってないしやりたくないわ」
ソファに座るグウェンは書類を投げ出してだらける。
「でも、グウェンの歌う硝子ドールって曲かっこいいしきっと盛り上がるよ」
隣に座るルクスはいつものぽわぽわとした調子でフォローする。
「そ、そんなことないわよ」
グウェンは恥ずかしがって顔をそらす。
「3人で歌う曲もがんばろうねー!」
ロッサがソファの背もたれに乗っかって、二人の後ろから抱きつく
コンコンコン
「失礼します」
ノックと共に人が入ってくる。
「・・・」
それを見てイブは目を細める。
「しばらくうじうじしてるものと思っていたけど、案外立ち直るの早いのね」
「はい、本日より配属されましたアイラです。よろしくお願いします」
エクレールの皮肉も気に留めずニコニコとしたアイラが首をかしげて言った。