エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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ニコニコ動画復活して良かったっす


166話 2025.4.1 テコ入れ

2025.4.1 20:00

 

ポップスター・オンライン 運営オフィス

 

「マップをあらかじめ知ってるかのようなルート選び、不自然なスピードの衣装セットといいエンドワールドは明らかに不正しています。三井屋(みいや)課長、これを見過ごしていいんですか?」

若手の社員に詰め寄られて三井屋(みいや)と呼ばれた狐目で出っ歯の男は席に座りながら気にせず口髭をいじっていた。

 

 

「分かってないねチミ、この売り上げを見てごらん」

三井屋が取り出した資料にはエンドワールドの課金状況の明細が載っていた。

 

「千の無課金より一の廃課金。上客は大切に、この業界では当たり前のことだよ。それにBOT検知も通したがなにも引っかからなかったろう。ネット配信もやってインフルエンサーしてくれてるから広告費も浮く。上もこれでいいって言ってるんだし」

 

「野放しにしておくと大変なことになりますよ」

若手社員は納得いかずに部屋を出て行った。

 

 

「ふん、言われずとも分かってるわい」

三井屋は一人になったところで煙草に火をつけ、ふかしながら思案する。

 

ライブの質良し悪し関係なく注目されているのはランキングトップになっているエンドワールドだった。エンドワールドで使用された曲の売上が伸びているのでスポンサーのレコード会社からも文句は出ていない。

しかし、割を食うことになったのがプロのアイドルが所属する事務所だった。

今回の催しのために提携した事務所は今後売り出したいアイドルを参加させて各々プロモーション利用するつもりだった。そのはずが当て馬として招待したはずのエンドワールドが全力でスコアを稼ぎにきたため、本業の人達の注目度が下がっていた。

もともと本業のアイドルグループがPSO用に練習する時間を割かないようにするために取り入れたアシスト機能をアマチュアのエンドワールドが本業より上手く使いこなしゲームスコアを稼ぐスタイルでやっているため手に負えなかった。

モーションアクター業者に依頼して完成させた自信作のシステムだったのにこれでは意味がない。

プロの面目を丸つぶれにした状況で採点システムの見直しなど事務所から抗議の電話がかかってきていた。

その他24時間ゲームが解放されていることも労基上プロのほうがライブできる時間に請願がかかるため不利になると訴えがあがっている。些細なことでも炎上を恐れる事務所はコンプライアンス遵守へ躍起になっている背景もあり、ゲームの開催時間を短縮する要求が来ている。

 

 

「フン、金払い良いからと私物化しおって。小娘どもが」

狐目が開眼する。

この課長も内心鬱憤を抱えながらエンドワールドの会計収支の書類をシュレッダーにかけた。

 

「外注が作った企画を通すのは杓だが仕方ない」

運営側の奥の手として武藤 玲司の作成したイベントを開催してプロのユニットがスコアを挽回することを狙うよう進められていた。

 

 

 

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─4月1日22時告知─

 

ご好評いただきましてポップスター・オンラインは4月3日まで開催を延長することを決定いたしました。

2日目、3日目は長時間のゲーム継続による健康への影響を考慮して7時~23時をログイン可能時間とします。

 

 

《2日目 目玉イベント開催》

 

アイドルのパフォーマンスには運動神経も必須

秘められたポテンシャルを発揮して競え!スポーツ大会

 

海に落ちたら即失格!落とすか落とされるか、生き残りをかけた海上アスレチックレース

 

容姿だけじゃない、頭脳も競え!クイズ大会

 

ゲームのスコアは3日の16時まで集計予定。その後フィナーレセレモニーを開催いたします。  

 

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22:20

 

エンドワールドVRルーム クレムリン

暖炉のある会議室

 

「皆さん、一日目お疲れさまでした!」

 

「とはいうものの、運営の方針転換でいろいろ問題山積みだけどね」

カスミが挨拶したもののミルローゼは浮かない顔をしていた。運営の告知の後、対策を立てる為に班長レベルの人達が集まっていた。とはいえエクレールは相変わらず無断欠席をしていた。

 

「スポーツトーナメント、クイズ大会、障害物レース、テレビのバラエティ番組みたいなのぶっ込んできたわね」

アンジェラが告知の内容を見て言う。

 

「しかもどれも優勝したグループはわたしたちの今のスコア越えられる配点されてるし」

アルシエが得点のシミュレートを棒グラフ図で出す。

 

「そんなに私たちを優勝させたくないのかしら?」

リリオは呆れて首を横に振る。

 

「もともと優勝予定のユニットがあったんじゃない?」

ティリが予想する。

 

「どうすんのさ魔王様、明らかにあたし達をつぶしに来てるよ」

ヘルミーネは煽るように言う。

 

「冗談じゃない、そんなの跳ね返してやるわよ。ユニットスコアはやっぱりエンチャントが高いからそのままライブに集中してもらう。スポーツ大会はトトナとフブキに任せるわ」

 

「わかりました」

「承知した」

激昂気味に言うミルローゼにトトナとフブキは返事をする。

 

「クイズ大会はラーチェのところでお願い」

 

「・・・一晩でどの程度対策できるか難しいがやれるだけやっておく」

ラーチェは一旦首を傾げたものの了承した。

 

「アスレチックレースはアニエスのとこでお願いできるかしら」

 

「仕方ないわね。受け持つよ」

アニエスは乗り気ではなかったが他に適任がいないことも理解していた。

 

「で、そっちの男子は何してるの?」

 

「ん?他のグループの曲を聞いてる」

ミルローゼに話を振られ、片耳イヤホンをつけたヴァイリがスマホのような端末を操作しながら答える。

 

ストリーミングサイトでは今回イベントの特集ページがつくられ、VR内の端末でも再生できるように対応されていた。

 

「VRの中でもスマホとか世の中毒されてるわね」

リーゼロッテが若干引き気味に言う。

 

「まったく、こっちは真剣に対策を練ってるのに」

 

「んなこと言ったって俺今回できること少ないし。ポップスター・オンライン終わったらちょっとリアルのライブ見に行ってみようかなー」

 

「カーラとリュミルも呼ぶからこの会議が終わり次第班内四者面談しよう」

「ヒエッ」

付き添いで同席していたクロンに後ろから肩を掴まれヴァイリは顔を真っ青にした。

 

「そのバカの処遇はクロンに任せるとして、皆明日はよろしく頼んだわよ」

そう言ってミルローゼは会議をしめた。

 

 

 

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