エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
♪ラブライブスーパースターよりエーデルシュタインを聞きながら執筆してました
3期のBubble Riseがまた対比してていい曲
シナリオ参考に見たVivyの曲に変更しようか迷いましたが元々の選曲でいきました
小説内のライブハウスZipは今運営してるほうではなくパレットタウンにあったほうがモデルです
2025.4.2 10:10
ポップスター・オンライン
パステルタウン ライブハウスZip 楽屋
パチパチパチパチ
楽屋のモニターでシルヴィー達のライブが成功したのを見て、楽屋で控えていたクロン達3人が拍手を送っていた。
「画面越しで聞こえないのになぜ拍手をするのかしら?」
リリエラは3人に言う。3人は返事に困り顔を見合わせる。当人としては煽るつもりはなく素の疑問として言っているから説明が余計面倒である。
「気持ちの問題よ」
カーラが言う。
「気持ち、ね。人間の感情とはまだよく分からないものね」
コンコンコン ガチャン
「ここはもう良さそうだから次の会場へ・・・リリエラ?」
「祭礼の様子を見て回ってくるわ」
出発を伝えるために楽屋に入ってきたヴァイリと入れ替わるようにしてリリエラは勝手に部屋を出る。
「どこ行くにしろ予約してあるステージのライブはやってくれよ!・・・聞こえてるんだろうか?」
リリエラからの返事はなくヴァイリはこめかみを抑えていた。
2025.4.2 13:30
ブルーオーシャンエリア
グリーティングプラザ
開けた敷地にテントが並び立ち、各アイドルグループの屋台で期間限定アクスタのプリントデータなど電子決済を介して物販販売が行われていた。
もちろんエンドワールドも出店していてグッズ販売のほかステージ移動のついで立ち寄ったユニットで握手会等を開催していた。
(推し活というのはライブ以外でも行われるのね)
リリエラはアイドルとファンとのやりとりを興味深そうに見ながら屋台の通りを歩いていた。
「あっ、リリエラさーん」
「あら、クリスマスの時の」
声をかけられて振り向いたリリエラの先には彼女に記録のある男性プレイヤーがいた。
~~~~~
2024.12.24 22:00
ALO 央都アルン
主がリアルでクリスマスというものに掛かりっきりになっているため暇を持て余すことになったリリエラは無断で一人、クリスマスの装飾に溢れた街中を歩いていた。
「なぜ人間はこのように特別な日というのを設定して賑わうのかよく分からないものね」
復活してから日も浅く、ALOで行われるイベントにリリエラは興味を示していた。
「そこの綺麗なお姉さん、聖なる夜にお茶しませんか?」
「雑輩に興味はないわ」
通りを歩いていた二人組の男性プレイヤーのうち一人がかっこつけて手を差し伸べてきたがリリエラは一蹴した。
「ダメかぁ」
「ハハッ、即撃墜されてるし」
ガクッとうなだれるナンパプレイヤーをもう片方がゲラゲラと笑っていた。
「相手がいないからってALOで探そうとか言い出したのお前だろ」
「おいおい一人寂しくクリスマスを過ごしてるだろうなと思って誘ったんだぞ」
「ぼっちなのはお前もおなじだろ」
「もういいかしら?」
リリエラは言い合う二人に興味を失って立ち去ろうとする。
「ああお姉さん、これだけ言わせて。メリー・クリスマス」
男性プレイヤーは去り際にそう言った。
(なにかの合言葉かしら?)
リリエラはその当時言葉の意味を理解できていなかった。
~~~~~
「スキン変更したのに気づくなんて雑輩にしては見る目があるわね」
「そりゃあ、あのあとALOで大活躍ですし噂になりますよ。俺、リリエラさん推しですから!後でやるライブ一番前で見ます!」
早口に熱意を語った男性プレイヤーは言い切ったあと気恥ずかしくなったのか顔を赤くしてお辞儀した後足早に去ってった。
「おかしな雑輩ね。でも、悪い感じはないわ」
リリエラも気が変わったのか次のライブを予定しているステージの方へ足を向けた。
2025.4.2 15:00
マリンシティ 歌の女神像ステージ
夜間マップに変わり、野外ステージはライトアップされるようになる。
右手でマイクを空高く掲げる歌の女神像の台座前部が拡張されたステージで、黒いドレスに身を包んだリリエラが佇む。
女神像周囲のスカイウォークに観客が集まっていた。ヴァイリやクロン達もリリエラのライブを見守りに来ていた。
「アー」
リリエラが短く声を発する。
「アーアーアーアーアーアーアーアーアー♪」
そのまま5音階を上って下る。
「なんだ?発声練習か」
「いや・・・チューニングになっている」
ヴァイリがリリエラの奇行を怪訝そうに見ていたが、クロンがリリエラの声に調律がかかっていることに気付く。
♪
トランペットのイントロに合わせてステージを囲むビームライトがリリエラの周囲で交差する。リリエラは前に屈む。
壮大なイントロから一転、演奏は静かになりスポットライトを当てられたリリエラはゆっくりと上体を起こして左右を見渡す。
そのまま踏み出して耳に手を当て、彼方を指さす。
「なんて正確な音程!」
聴いていたアイドルプレイヤーがリリエラの声に感銘を受けていた。
インターネット上でラーニングした評価の高い数多の歌唱データ、演出データを蓄積して再現したAIだからこそできるカラオケ100点の歌をリリエラは再現していた。
儚げに額に手を当てた後、拳を作り殴りつけるように振るう。曲調が変わりビームライトは激しく点滅を繰り返す。
曲の盛り上がりと共にビームライトが波打つように夜空を照らす。
バレエのように踊りながらリリエラはステージを巡る。
サビ前にステージは暗転し、一気にリリエラへ照明が集中して点灯する。
リリエラは顔を覆っていた両手をスライドさせる。
左足に体重移動してしゃがみ、姿勢を戻すとともに両手を胸の前で握る。
多角度からの照明でリリエラは輝きに包まれてるかのように照らされる。
手先まで繊細な表現は見ている人を魅了させていた。
リリエラは大きく腕を伸ばし、会場全体を支配する。
両手でグッっとしたあと、両腕をスワンアームのようにゆっくりと降ろす。
歌い終わると同時にライトも全て消えて辺りは再び暗闇で静まった。
その後完成と拍手が起こる。
「すげえ、ミュージカルみたいだ」
「なんかラスボス感あった」
「リリエラ様!」
照明が再び点灯してリリエラは一礼した後、手を振って声援に応えていた。