エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
プラオレよりperiod聞きながら執筆
Dazzling Gameのお披露目がもっと早ければ合同ユニットでやってたかも
2025.4.2 13:30
PSO ディーヴァシティ
アイドルスポーツ大会会場 グランドワンスタジアム
スポーツ大会準決勝のバスケは第2クォーターが終了しハーフタイムに入っていた。
エンドワールド側のベンチは揉めていた。
「ウルリカさん、なんでチームワーク意識してくれないんですか。そんなんだからSAOの時も遊撃班なんかに入れられたんですよ」
「今言っちゃいけないこと言ったわね」
ウルリカがルチアの胸ぐらを掴む。ルチアも怖じけることなく睨み返す。
「二人とも落ち着いてください」
トトナが仲裁に入る。
「・・・すみません、言いすぎました」
ルチアは不服そうに謝る。
「ふんっ!」
ウルリカは乱暴に手を放す。両者ともに納得した様子はなく険悪な空気が漂う。
「あれ、なにかおかしくないですか?」
リナリアが指さした隣のコートのスコアボードは18対12と第1クォーターと同じく6点差が維持されていた。
「あっちのコート・・・2点取ったら次2点取られる。ずっと6点差になるようにやってる」
記録係のイルマーナが説明する。
「不味いわね、八百長されてる」
セリーヌが推察する。
向こうのコートのファンや応援も反応に困ってる様子だった。
勝ち点差で順位が4位だとエンドワールドのグループスコアは他3チームに抜かされてしまう状態だった。
(このままでは・・・)
大きな点差、まとまらないチーム、相手の圧倒的なエース、トトナには打つ手がもう無かった。彼女の額を一筋汗が流れる。
その時、トトナへメッセージの着信音が鳴る。
ヴァイリからのメッセージを一通り読むとトトナの眉間にしわが寄っていた。目を瞑ってしばらく葛藤しているようだったが決したかのように口を開く。
「・・・挽回するための作戦を話します」
トトナはチーム全員を集めた。
15分間のハーフタイムが終わり、第3クォーターが始まる。
ジャンプボールを取ったヴァイオレットリングが先攻で2点取った後、エンドワールドが2点返していた。
カウンターでボールを取ったカイリに横から誰かがぶつかってきていた。セリーヌがカイリに乗っかる形で転倒していた。
ピピーッ!
笛が鳴ってファールとなる。
「ああ、すみません」
白々しく謝ったセリーヌがゆっくりとカイリの上からゆっくり退く。
カイリも起き上がると既にエンドワールド側の守備が固まっている状態だった。
(こいつら!)
ファールの間に体勢を整えていてカウンター潰しをされていた。
ポンッ ドンッ!ゴロゴロ
気持ちを切り替えてドリブルをするカイリと軽く接触したリーネが大げさに転倒して接触した片足をおさえる。
「いったーい!」
普段の寡黙な彼女から考えられない大きな悲鳴が上がる。
(何を大げさな・・・)
ペインアブソーバもあるのでリアルよりも痛覚なんて全然ないはずであり、カイリはそのままプレーを続行しようとした。
ピピーッ
「ファール」
「はぁっ!?」
しかし審判が笛を吹いてファールを取り、カイリは驚いていた。
審判はPSO運営が設定したAIだが急遽設定したスポーツ大会イベントにそんな予算割く気もなかったため廉価版のを用意し、ファクトチェック機能も曖昧なものだった。
「てめーわざと倒れただろ!ふざけんな!」
「スポーツマンシップも欠けてんのかよ」
観客席ではヴァイオレットリングのファンからブーイングが起きていた。
「よかった、いつものエンドワールドだ」
「あはは、いいぞやれやれー」
一方、エンドワールドのファンは実家のような安心感を感じていた。
(そうだ。アイドルじゃなくてゲーマーとして参加してるんだから体裁気にせずスコア稼ぐことだけ考えてればいいんだ)
トトナにメッセージを送信したヴァイリは温度差の激しい観客席からゲームの流れが変わっていくのを見ていた。ミルローゼの電子印までもらってお墨付きを得たメッセージにはカイリ封じするためのラフプレーリストが記載されていた。
(煩いなあ・・・)
リーネはどちらのファンの声も煩わしく思いながら普段通り動いてプレーを再開していた。
カイリのプレーを制限されたことでヴァイオレットリングはほぼアマチュア学生チーム同然となり、ボールの支配率はこれまでと大きく変化がでてきていた。
「場が読めました。いけます」
今までベンチで試合を見続けていたサナエが言うとイルマーナは交代申請をする。
「パス!」
コート入りして3ポイントラインの前に立ったサナエがパスを求め、フブキからボールを受け取る。
ゴールへ向いたサナエが集中を研ぎ澄ませて長いポニーテールを揺らしながらシュートを放つ。
ボールは吸い込まれるようにしてリングにおさまった。
「やった!3ポイント」
ベンチからウルリカがガッツポーズを取る。
次のエンドワールドの攻勢でもボールの回ってきたサナエはコーナーで立ち止まる。ゴールから角度があるがそのままシュート体勢に移る。
(!・・・素人がそこから入るわけない)
カイリは驚いたが冷静に考えて、外すとたかをくくる。
(上段の構え・・・)
フォームが固定できているので距離さえ合えばあとはどの角度からでも入るようになっていた。またシュートが決まり更に追加で3点入った。
『うおおおおぉ!』
「連続で3ポイント入れたぞ!」
「なんだよ初めから出せよ」
応援席からは切り札の出番が遅いことに不満そうな声が出ていたが残念ながらこれも事情抱えてのタイミングではあった。
「あ、あついです」
第3クォーターが終了してインターバルに入る。慣れない種目に全神経を集中したサナエは茹であがるようにオーバーヒートを起こしていた。しかし彼女の決めた3ポイントシュート4発で10点差まで迫っていた。
「すごかったよ。あとは任せなさい」
交代するウルリカが背中を叩く。
「あと、よろしく!」
「わたしにできるかしら・・・」
シエルと交代で再度入るティールが不安げな顔をする。
そんなティールの頬をシエルは両手でむぎゅっと挟む。
「シ、シエル?」
「ゲームは楽しむものだよ」
戸惑うティールにシエルがウインクする。
「SAOの頃いつも張りつめていたような雰囲気だったけど今はもう違うんだから」
「・・・そうね、難しく考え過ぎてたのかもしれない。」
バチンッ!
シエルからのバトンタッチをティールは受け取る。
「どうしよカイリ・・・いつの間にか詰められちゃってるよ・・・」
「3ポイント要員は引っ込んだ。あとは抑えれば盤石だよ」
ヴァイオレットリングのメンバーが不安になってカイリに相談しだしていた。
第4クォーターが始まってからも流れはエンドワールドにきていて5点差まで詰めていた。
じわじわと点差を縮めてくるエンドワールドにカイリも焦りを隠せずにいた。
「20秒前!」
ベンチからシエルが叫ぶ。
ウルリカがジャンプした先にはカイリが跳んでブロックしようとしていた。両者の目が合う。
(エンドワールドはここで落とす!)
必死の形相のカイリに対してウルリカは大分冷静な表情だった。
ウルリカはボールを床に打ちつけ、バウンドパスでフリーになっていたティールに託す。
(こいつがパス!?)
カイリは目を見開いて驚く
(入れろ!)
ティールにウルリカは目で語る
ボールを受け取ったティールはゴールに向き直る。リングの上に設置されたタイムボードには5.3と表示されていた。世界がスローモーションになったような感覚でティールはシュートにのみ集中して放つ。
誰にも邪魔されず空中を舞うボールは綺麗な放物線を描いてリングにあたることなくシュッと静かな音だけ立ててネットだけを揺らし入った。
ビーー!
試合終了を告げるブザーが鳴り、客席は湧き上がる。
「ナイスファイト」
「・・・ええ」
ベンチへ戻ってきたティールにシエルが声をかける。
『御覧の通り試合結果はこうだー!』
実況が言うとアリーナビジョンに試合結果が投影される。
Aコート40対44
Bコート53対50
得点差でエンドワールドは3位になった。
「そっちが負けるはずだったのになに勝ってんのよ!あたしたちが4位になっちゃったじゃない!」
「3位になれる話だったのに点差あんな僅差になっちゃったからでしょ!文句ならヴァイオレットリングに言いなさいよ!」
八百長していた2チーム間では喧嘩が勃発していた
───
ポップスター・オンライン 運営オフィス
「シェー!!」
エンドワールドが3位になったのを中継で見た三井屋はショックで片足立ちになった後、床に倒れた。
「えっ、課長?」
「ちょっと三井屋さん、大丈夫ですか?」
倒れた三井屋の奇行に心配になって周りの社員が集まって囲んでいた。
───
「はぁ・・・まったく、たいしたもんだよ」
カイリは観念したかのようにゆっくりと拍手を送っていた。
「皆さんで勝ち取った3位です」
トトナは今回のやり方に複雑な気持ちだったものの表情には出さず、最低目標は達成できたことを称していた。
14:30
マリンシティ
『間もなく、マリンアリーナでエンドワールドのライブが開催されます』
スケートリンクを模したステージにアナウンスが響いていた。
ブロンズ賞のボーナスライブはトトナ達7人でやることになった。
吹き抜けの上階からはフブキ達がペンライトを持って観に来ていた。
「トトナさんかっこいいですね」
バックヤードでルチアがトトナを見て言う。
「いえ、その・・・私はマネージャーですからスコアにはあまり反映されませんよ」
トトナはスーツ姿からアイドル衣装に着替えたものの困惑していた。
「トトナ、やりましょう」
「そうですよ、マネージャーやると決める前はダンス練習も一緒にしてたじゃないですか」
「入賞した立役者じゃないか」
「せっかくできるのにもったいない」
ティール、リナリア、エルミラ、リーネも推す。
「分かりました。見せましょう、私たちの《period》を」
円陣になり、トトナが手を出して7人で手を重ね合わせた。
照明を暗めにしたステージでルチア、リーネ、トトナ、シエル、ティール、エルミラ、リナリアと逆V字に並んでいた。
ハイテンポな演奏が始まり、手をクロスさせて右手と左手を順に前へ出す。
7人がステージの中央に縦一列に並び、握りしめた右手をゆっくりと下ろす。
照明が切り替わり左右二列に素早く分れた後、中央にいた最後尾のティールひとりにライトが当たる。
彼女はソロで歌い出し、人差し指を立てて彷徨うように列の間を通り抜けて前へ歩く。
再びステージ全体に照明が点ると横二列にフォーメーションを変えていた。
前列のシエルが胸の前で両手を握りしめ歌い、入れ替わるようにして前に出たエルミラが両腕を横に広げる。
ルチアが力強く歌うのに対し、次にリーネが静かに歌う。
哀愁を漂わせて歌うリナリアの後、ソロパートラストのトトナが決意を決めたかのように歌うと照明が激しく点滅し全員が右手を上に上げる。
ティールの叫びからサビに入り、全員で合唱する。
体全体を使った大ぶりな振り付けとステップの揃ったダンスが披露される。
歌詞に合わせて別れの手を振り、彼方を指差す。
照明が逆光になったところでティールが自分を抱きしめながら歌い、ステージ中央でシエルと手を合わせる。
ラストに全員で合わせて歌い、掴み取る振り付けで締めた。
この小説内ではライブのときとかの7人バージョンで真美パートをトトナが担当してます