エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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タイトルはなんだろう、この前の花まつりのお釈迦様のポーズの影響かな

h ttps://www.youtube.com/watch?v=UhhT9PsZm0Y
この曲を聞きながら書いてました



172話 天上天下唯我独尊

2014.6.4 フランス パリ

 

 

「ママー、早く」

 

「茜―、走ったら危ないわよ」

幼い少女が母親の忠告を無視して通りを走っていた。

 

 

「あはは」BooooooN!「きゃっ!」

建物の奥から響いてきた突然の衝撃音に少女は驚いて転ぶ。

 

 

 

「な、何?」ゴトン!「ヒッ!」 ゴン! ゴロゴロゴロゴロ

どこからともなく飛んできた六芒星のレリーフが目の前の地面に勢いよく落ちてきて少女は萎縮して頭をおさえる。レリーフは数回バウンドし、そのまま道路を転がっていった。

 

「Il y a une autre attaque terroriste!」

 

「Fuyons d'ici!」

現地市民が恐れて爆発音のあった方面とは逆に走って逃げる。

 

「嫌だわ、私たちも逃げないと…茜、大使館に戻りましょ」

パトカーや消防車のサイレンが響く中、母親に抱っこされた少女の視線の先で通りの裏から黒煙が上がっていた。

 

 

 

2025.3.25 4:30

東京都品川区大崎  神成家

 

「はぁ・・・またあの時のことが夢に出てくるなんて」

途中覚醒してしまった体を起こす。

 

(思えばあの時からだったかもしれない。弱いままのわたしでいることが嫌いになったのは)

エクレールこと茜は寝汗をかいていることに不快感を感じながら思い起こしていた。

 

 

 

Side エクレール

 

 

 

それからパリのナイトスクールに通って剣術を習い、戦う術を身につけた。

 

帰国してからはなんの役にも立たないものだと知ったけど。脅威にさらされる機会もめったにない日本の学校社会では周りから浮いた存在になるだけだった。

 

そんな時に発売したのがVRゲームのSAOだった。

襲ってくるモンスターをなぎ倒せていけた時にやっと戦う力を実感することができた。

 

武道家といいあの男といい多くのいけすかない連中とも絡むことになったけど。

 

 

Side out

 

 

───

 

2025.3.27 18:10

 

エンドワールドVRルーム クレムリン バレエスタジオ

 

 

(今のところ一瞬遅れた。見てる人によってはバレるわよね)

エクレールは一人曲に合わせてダンスの練習を繰り返ししていた。

 

 

「やる気ないと言ってる割には結構練習してますね」

途中から見ていたイブがドリンクボトルを手渡す

 

「半端なものは出したくないのよ。そう言うあんたはどうなのよ?」

エクレールは練習を中断してボトルを受け取る。

 

「お構いなく。担当する曲は仕上がってるので」

イブはそっけなく答える。

 

「相変わらず可愛げがないわね」

エクレールは胡坐をかいて床に座り、ストローをくわえてスポーツドリンクを飲む。

 

「わたしには必要ないものです」

 

「それ、アイドルゲームやる人が言うこと?」

エクレールが目を細めてイブを見上げる。

 

「あいにくキュート系とは別のジャンルなので」

 

 

(こっちだって弱弱しいわたしなんかいらない)

ナギサが割り当てた担当曲の内容については変にキャピキャピしたものよりかはマシだと思っている。アイドルとかふざけたものと思っていたけれどカーラ達もやるのに自分がやらないのは負けた感じがするのでやることに決めていた。

 

 

 

2025.4.1 1:20

ポップスター・オンライン プレジャーポリス ライブ広場

 

カーラとリュミルのライブをエクレールも観客席側で見ていた。

 

(噓でしょ。武道家と生意気娘であれだけできるの?)

二人のライブを見てエクレールは焦りを感じていた。いまいちだったらマウント取ってやろうと思っていたのにこれでは自分のライブが軽い失敗も許されないプレッシャーを感じていた。

 

「ちっ」

自分のところにいたときに手を焼いたリュミルと息の合ったダンスでデュオをしたカーラに言いようのない悔しさがこみあげてきて思わず強く歯ぎしりをしていた。

 

 

(わたしのライブは2日目から、まだ上達できるはず!)

一睡してからエクレールは練習に戻ったが、納得いく出来にならないまま本番を迎えた。

 

 

───

 

2025.4.2 17:13

 

ステージ HOT GARAGE

 

 

「ライブ成功!」

「うまくできてよかったよ」

「ダンス練習だるかったけど観客達に崇められるのは悪くない気分ね」

ルクス、グウェン、ロッサの3人がライブを終えてステージから戻ってくる。

 

「わぁ、オリジンやってる裏でこんな練習してたなんてやはり皆さんすごいですね」

マネージャージョブでスーツを着たアイラが目を輝かせる。ギルドに入って間もない為エクレールの班のサポートに回っていた。

 

「次はエクレールの番だね。・・・エクレール?」

ルクスはベンチに座っていたエクレールに声をかけるも、エクレールは神妙な面持ちで反応しなかった。

 

「エクレールさん大丈夫ですか?顔色すぐれないようですが」

アイラが心配そうに顔を覗き込む

 

「・・・何でもないわ。放っておいてよ」

エクレールはうっとおしそうに言う。

 

「いいえ、放っておけません。根詰めすぎてあの時のわたしみたいになってほしくないから」

 

「頑固ね」

 

「エクレールさんには言われたくないですね」

アイラは苦笑し、エクレールの隣に座る。

 

「こんなわたしでも受け入れてくれたこの場所に感謝しています。わたしたちは独りではありませんから不安を抱えたままにするよりも分かち合うことはできると思いますよ」

エクレールの手の上にアイラが手を重ねる。

 

「あたしもやるー!」

ロッサが乗じてアイラと同じように手を更に重ねる。

 

「エールを送ってるのかい?じゃあ私からも微力ながらさせてもらうよ」

ルクスがロッサの手を乗せる。

 

「グウェンもお願いできないかな?」

 

「なんであたしが」

 

「ほらほら、早く早くー」

 

「ったく、しょうがないわね。まあここのリーダーだしライブ失敗されたらこっちまで恥ずかしいんだからちゃんとやりなさいよ」

ルクスとロッサに促されてグウェンはそっぽ向きながらも手を重ねる

 

「願掛けとか信じてないけれどそんな程度で上手くいくなら加わってあげます」

イブがグウェンの手の上に乗せる。

 

「ほんとバカばっかり。でも、あんたたちとゲームできて・・・良かったと思ってるわ」

エクレールは呆れながらも気恥ずかしそうに言う。

 

「エクレールがデレた!」

ロッサが信じられないものを見た顔をする。

 

「急になんなの、キンモっ!」

グウェンが嫌そうな顔をして手をパッと離す。

 

「本当に大丈夫かい?何か悪いものでも食べたとかじゃなければいいけれど」

ルクスは余計心配になる。

 

「明日の天気は雹ですね」

イブが勝手に決める。

 

「やっばりあんた達きらいよ!」

散々に言われてエクレールは一転して怒りだす。

 

そのやりとりを見てアイラはくすくすと笑っていた。

 

「あーあ、うじうじしちゃったのがほんとあほらしい」

調子をとり戻したエクレールはステージに向かう。

 

「いい、あんたたちもわたしのライブしっかり見ていなさい。これが

わたしの戦いなんだから」

エクレールは振り向くと指さして言い放った。

 

 

───

 

 

「あっ、次エクレールさんの番みたいですよ」

 

「“Fighting My Way”、いかにもあいつらしい曲名してるわね」

観客席側にはリュミルとカーラもいた。二人はセトリを見て順番を確認していた。

 

 

曲が流れだすと客席は紅いペンライトに埋め尽くされる。

 

ライブステージのスライドドアが両開きしてエクレールが足早に入場する。

 

ステージの中央まで来るとゆっくりと歩み、右手をくいっくいっとして挑発するそぶりを見せる。

 

右手を指折り、左手を背に放つとステージ後ろのスクリーンが点いて英語の歌詞が映される。

プロデューサータグが入り、マリンバが弾かれるとステージライトは赤に変わる。

 

 

観客席を指さし手を振りながらも、近づいてきたドローンカメラを手ではたき飛ばす。

 

 

ステージのライトは青くなり、曲は一旦静かなパートへ入る。エクレールは顎に手を当てて品定めするように歌う。

 

ステージのライトは赤に戻るとテンポの速い摺鉦のリズムに合わせてステップを踏み、両手の人差し指を立てる。

 

高く蹴り上げると両手を上げて高らかに宣戦布告した。

 

 

コンガの叩く音からサビに入るとバックのファイヤーマシンが横並びに燃え上がる。

 

エクレールは左手の拳を突き出し歌う。その表情は自信に満ち溢れた余裕を見せる笑みだった。

 

赤いビームライトが複雑に交差する中でハイテンポなダンスとステップをエクレールは完璧にこなしてく。

 

エクレールが右手を横に薙ぎ払うと前列のファイヤーマシンが順に噴射する。

 

【挿絵表示】

 

 

両手で指さした頭を横に振るう。

 

 

右手で上を指さすとサビが終わり、カメラにウインクする。

摺鉦がコンチキと叩かれる中、天を仰ぐかのように両手を上げる

 

ステージにせりあがってきた左右の直方体ディスプレイにはエクレールのダンスについていくようにシルエットが投影される。

 

再びサビが繰り返され、大きなスパークラーが火花を散らして噴き上がる。

 

動きの激しいダンスでエクレールのスタミナ値の減るスピードも速く首を振った時に汗が飛び散るエフェクトが出るが、彼女は顔色一つ変えずにこなしていく。

 

バックスクリーンに次々と英語で歌詞が入れ替わり流れていく。

 

負けたくない必死な気持ちをエクレールは歌に乗せる。

 

歌詞に合わせてエクレールに照明が集まって強く輝かせる。

 

 

アウトロではスキャットを唱えながら両腕を並べてぐるりと回し、大きなため息をつく。

 

 

スクリーンの画面等が消えていき、残ったスポットライトに照らされるエクレールは上を指さした。

 

 

観客席からは大歓声があがっていた。

 

「や、やるじゃない」

「ほへー」

客席のカーラとリュミルも圧巻されていた。

 

 

 

「あいつとのスコアは同点、決着はまだね」

エクレールはカーラとのスコアを比べて次の競争の意欲に燃えていた。

 

 

 

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