エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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24話 2023.2.26、27、3.3 ひなまつり

2023.2.26

 

本部からまたお呼び出しがあり、行ってみるとキリトが黒猫団と一緒に行動していることが情報班の捜査で分かった。起こるなら3月中と思っていたがずいぶん早い展開となった。

 

「お前のことに関しては保護観察といったところだ。変な気は起こさぬように」

ギルマスとサブマス2人と俺の4人のみがいる執務室でミルローゼから処分を言い渡される。

 

「はい、了解しました。」

 

「あと、これを鍛冶班に渡してくれ。大事な装備のレシピだがくれぐれも外部に漏れぬように」

 

ついでにお使いを頼まれてギルドホール内の鍛冶場に行く。

 

「レイン、もう工房に出て大丈夫なのか」

 

「うん!大丈夫、平気だよ」

表情にまだ少し曇りがあるようだがレインは鍛冶に復帰していた。

 

「そうか。ギルマスが鍛治班に作って欲しい武器があるって言うんだ。これがレシピなんだが。ああ、そうだ。これは秘密兵器だから鍛冶班以外には他言無用でね」

 

「わかったよ!ミネルアにも見てもらうね」

 

 

 

 

 

2023.2.27

 

 

Side 需品班 +応援人員

 

「足りないモノがあったら直ぐ言ってね。他のギルドからもお願いして取り寄せてくるから」

「はーい」  「はい」  「うん」  「はーい」 「分かったわ」

 

桜色の髪を伸ばしたリーゼロッテが手元の資材リストを見ながら作業場全体に伝え、ひなまつりの準備を進めてるメンバーが返事をする。

 

 

裁縫スキルを持つメンバーは、ぬいぐるみでひな壇つくることになった。

 

 

「ぬいぐるみいっぱい。至福」

赤いフードをかぶったシルヴィーが完成した20センチくらいの身長の五人囃子を並べて呟く。

 

 

 

「まさか教導の戦闘狂が裁縫の趣味をお持ちとはな」

 

「あら、悪い?強面なラーチェが裁縫できることのほうが強いギャップあると思うけど?」

 

「戦闘系以外のスキルを鍛えるのも割と面白いものだからな」

 

「わたしも同じようなものよ。リアルの方で習ってたという理由もあるけど」

 

ラーチェとカーラがそれぞれ右大臣と左大臣のぬいぐるみを編んでいく。

 

 

 

 

「ぬいぐるみでも着物を作れるのねぇ」

 

「ええ、寸法を調整すれば人の着るものと変わりありません。」

ユウナギの感心にセツカがミニサイズの着物を織りながら答える。

 

「ユウナギさんも力入ってますね。重箱の彫刻再現がすごいです。」

三人官女を作ってるニーナがユウナギの手元を見て言う。

 

「こういうところも立派な方がいいからねぇ。見栄えが変わるわ」

重箱のぬいぐるみにユウナギが綺麗な刺繍で模様を入れていっていた。

 

 

 

─キッチン─

 

「本部からまた、広場の物販にも回したいから作れるだけ作れと言われてるわ。全く、料理の創作の大変さをわからない人ばっかり!あきれちゃうわ」

リーゼロッテも本部の愚痴を言いながら料理組に加わる。

 

 

「うーん、現実となんか、あられの味が違うなあ。調味料の配分変えてみよっか」

アーチが試作品のひなあられと菱餅の味見をしながら餅を練る。

 

「色合いも大切だからね。盛り付けの配分も大切よ」

リートがちらし寿司の完成デザインの絵を持ってくる。

 

「販売用のちらし寿司弁当はこの大きさね」

ソラナが一食分の木箱を机に揃えて並べる。

 

 

「ギルドマスター直々の注文のケーキもだいぶ案が決まってきましたね」

ルチアがケーキにいちごを乗せていた。

 

 

料理担当組の準備も試行錯誤しながらも着々と進んでいた。

 

 

 

 

2024.3.3  17:00

 

Side ヴァイリ

 

1層広場商店街には7段のぬいぐるみひな壇と灯ったぼんぼりが建てられていた。

今日用意していたひな祭り用の促販は既に終わってエンドワールド系列の店は閉まっていた。

 

ギルドホールの中の会場セッティングが終わったとメッセが入り、俺が広場を眺めているとベティが近づいてきた。

「ふふふ、日本の文化というのも興味深いですわ。人形を飾って女子の成長をお祈りするものと聞きました。」

 

「ああ、ベティか、ちょうど良かった。ギルマスがお呼びだ。ギルドホールまで一緒に来てくれ。」

 

「今日はわたくし6時まで広場のほうの担当のはずですが?」

 

「もうみんな上がってるから大丈夫だ。お屋敷までエスコートします、お嬢様。」

 

「まあ、うれしい。お願いしますね。」

 

 

───

 

ギルドホールの前に到着してレディファーストと称してベティが先に玄関の扉に入るのを促す。

ベティが中に入るとパァン、パァンとクラッカーのはじける音がする。

 

『ベティ 、ハッピーバースデー!』

エンドワールドのメンバーが揃ってベティに祝いの言葉をかける。

 

「まあ、みなさん覚えてくれていたのですね」

クラッカーの紙吹雪を被ったベティが照れながら言う。

 

「本部のみんなから依頼されたプレゼントよ。この子は私の力作だから存分に活躍させてあげてね!」

ミネルアからスターライトハンマーが渡される。ヘッドの横には黒猫のプレートがつけられていた。

見た目に反して、今できるハンマーでは最高レベルの装備だ

 

「ありがとうございます。フフ、可愛らしいデザインですわ。大切にさせていただきます。」

 

 

 

 

それからはベティのバースデーケーキを作るまでに試行錯誤された試作品の数々のケーキが出され、ケーキパーティーが始まった。

 

「もぐもぐ・・・うん!すごくおいしい。ケーキを食べ過ぎても太らない、素晴らしい世界だわ!」

フィーユがフォークで大きく切ったケーキの欠片をほおばりながら喜ぶ。

 

「はわぁー、やっぱりこっちのケーキもおいしいにゃあ」

ミランダが普段のキリッとしたキャラを崩壊させて顔がとろけていた。

 

「ベティさんの誕生会なはずなのにみなさんったらケーキに夢中ですね」

隣にいるエリスが呆れた表情を見せていた。

 

「いいんじゃないかな。ひなまつりだから女の子のお祝いの日だし」

と言いながら俺もシャンメリーの入ったグラスを持っていたりする。

 

「ほらほら、エリス先生も食べて、あーん」

フィーユがフォークで刺したケーキをエリスに差し出す。

 

「私、もうそんな祝う年じゃないですし・・・」

 

「そんなこと言ってたらすぐ老けるわよ。いつまでも心は若くね。」

そのままエリスの口へフォークを突っ込んでしまった。

 

「むぐっ!おいしー、って危ないですよ!私もちゃんと食べるのでいきなり入れるの禁止です!」

 

そのままパーティーは寝静まるまで続いたらしい。俺は先に宿へ帰った。本物の”若さ”には勝てんよ。

 

 

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