エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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28話 2023.4.6 花見

2023.4.6

 

22層 桜並木エリア

 

 

Side ヴァイリ

 

エイプリルフールは大変だった

ノエルの悪戯で限定アイテムの飲み物を飲んでカウカウに変化したメンバーが他のプレイヤーに狩られそうになったりしてギルド内が混乱していた。なんとか変化を戻すアイテムをかき集めてカウカウになったメンバーに戻り薬の液体をかけていった。元の姿に戻ったカーラやルチアがノエルを追い掛け回していた。

 

 

大手ギルド同士で桜の樹の下の場所取り合戦があったが、エンドワールドはそれなりにまとまって良いところを取れただろう。これもエリスがあらかじめ早めにイベント発生時期を調べ上げた結果だ。

 

場所取りの当番をクロンと一緒に任され、時間つぶしにデュエルする。

桜吹雪舞い散る中、鋼のぶつかり合う音が響く。

 

リアルの頃は打ち合いが日課になっていたが、SAOではそれぞれの分担もあってあまりやらなくなっていた。

 

十数合打ち合ってクロンの攻撃を凌ぐが、インターハイ入賞経験のある実力の彼女はスキあらば鋭い一撃を決めてくる。

 

ドンッ

クロンの刀の峰が俺の首筋に当たる。

 

「参った」

俺が両手を挙げて降参する。

 

「ありがとうございました。」

クロンが刀を下ろし礼を取る。

 

「俺はもはやクロンには追いつけないな」

日毎に技が洗練されていく。対して俺は前世の頃からあまり変わりない腕だった。既に何本も打ち合ってるがクロンの全勝になっている。

 

「そんなことはない。貴方は私に上を目指す道を示した。身体は14歳なのだから貴方だってまだ上にいける。」

 

「そうかなあ、合計43年生きててまだ向上心保てるのもなかなか難しいけどな」

 

そういえば野球選手とかで40超えても毎日モチベ維持できる選手もいるし。ああいうふうに維持できるのも・・・また難しいものだが。ああいう人たちはいかに凄いのか今になって分かる。

 

 

「うふふ、あなたたち本当にお似合いの夫婦ね」

声のしたほうを向くとティリ達企画班が資材を運んできていた。

 

「むぅ、私達は夫婦とかではなく姉弟弟子なのだが」

クロンがティリの言葉に訂正をかける。何度もやってるやり取りだがクロンは俺に対して特に異性とかの意識はないらしい(涙。同志などに近い関係と言えるだろうか。

 

「どうもお疲れ様です。」

巫女服姿のアプリルが一礼する。手には紫色の風呂敷のようなものを持っている。

 

「サンタさんが春のプレゼントを届けに来たよ」

メリーは桜色のサンタ服を来ていて、こちらも白い袋を膨らませて背負っている。あんな厚着で暑くないのだろうか・・・

 

「お菓子いっぱい持ってきたよ!料理もいっぱい需品班のみんなに用意してもらってるからね」

ノエルがサムズアップする。

 

「じゃあ俺たちの場所取りの役目終わったんで花見開始までセットよろしくー」

帰ろうとしたところをガシッと腕を掴まれる。

 

「どうせこのあと暇でしょ?このままあなたたちも資材のセッティングお願いね。」

ティリがウインクしてくる。このまま会場セットの手伝いに駆り出された。

 

 

5本並んだ桜の下にレジャーシートが並べて敷かれ、折りたたみのテーブルが組み立てられていく。

 

 

 

 

2023.4.6 16時

 

 

 

花見の準備は整ってエンドワールドのメンバーは圏内に設置された花見ブースへ集まる。

 

 

「どもー!花見幹事のヒビキだ。今日はギルドのみんな参加できるようにしてくれた本部の心意気と食事を準備してくれた需品班のみんな、そして花見の情報を仕入れて来てくれたエリスに感謝するぜ!前置きはこんくらいにして早速パーティー始めよう。かんぱーい!」

 

『かんぱーい!』

 

若草色の着物を着たヒビキの乾杯の音頭に全員がグラスを上げる。中身はジンジャエールに近い味のするものや、紅茶だったりフルーツジュースである。

 

それぞれのテーブルに置いてある料理や菓子をつまみながら歓談が始まる。

 

 

Side  エリス(3人称)

 

「おーい・・・団子を持ってきたぞ。リーゼロッテやリートには負けるがあたし自慢の料理だ。さあ食べてくれ・・・もぐもぐ」

テレサがエリスたちのシートに団子の重なった皿を持ってくる。彼女の口は既にもごもごしていた。

 

「ありがとうございます・・・テレサさん、持ってきたと言いつつもう先に食べちゃってますよね?」

 

「仕方ないじゃないか・・・花より団子ということわざもあるし」

テレサの作った団子は桜色、白、よもぎ色の三色団子で、きな粉やみたらしなどのトッピングまで準備されていた。

 

エリスたちのシートに春風が吹いて桜の花が舞い散る。

 

「舞い散る花弁の感じもよく再現できてますね」

コップのジュースを飲みながらエリスが桜の木を眺める。

 

「わー、すっごく綺麗!SAOでもこんなに桜が綺麗に舞うんだねー」

ノエルがエリスの隣ではしゃぐ。

 

「ノエル、お疲れ様です。企画班のみなさんのおかげで楽しい花見になってますね。」

 

「エリスがいい花見スポットを見つけてくれたおかげだよ!ふふふ・・・」

 

「どうしたんですかノエル?」

 

「あちこちでみんなの笑ってる声が聞こえてくるからなんだかうれしくなっちゃって。やっぱりお花ってすごいよ。みんなを自然と笑顔にしてくれる。来年も一緒にお花見しようね」

 

エリスにも聞こえる花見会場の笑い声、絶望しか無かった5か月前と比べると明らかに今日は違っていた。

 

「そうですね、いつかみなさんで現実でも行いたいですね」

エリスが目を細めてポツリと呟く。

 

「リアルワールドで?あたし、お菓子をいっぱい持って行くよ!」

ノエルはエリスの言葉に乗り気になった。

 

「ふふふ、そのためにもみなさんでゲームをクリアしましょう」

 

「うん!あたしもエリスたちにも負けないように強くなる!」

エリスとノエルは互いにグラスをカツンとぶつけた

 

 

 

Side ヴァイリ

 

「とっても綺麗・・・仮想世界とは思えないよ」

同じシートにいたレインがジュースのコップを持ちながら桜に感嘆する。普段の鍛冶服と違ってリアルにもありそうなカジュアルな私服を着て参加していた。

 

「お待たせいたしましたー、ご主人様!」

ピンクのポニテを揺らしながらオードブルの配膳してくれたのはナギサだった。リアルでは料理店のバイトをしてたらしくギルドの店でも接客を任されている。

 

「どうもありがとう。ナギサ」

俺がナギサからオードブルの皿を受け取り、テーブルの上に置く。

 

「にひひ、メイド喫茶とかでバイトしてたからこういうの慣れてるし。ああ、今頃なんのアニメやってるかなぁ・・・」

 

「そういえばミリオンライブは10周年だから先月あたりにライブやってただろうな」

 

「うわ~、それ言っちゃう?考えないようにしてたのに。シンデレラの10周年ハズレ席だったから今度こそはって思ってたんだし。」

ナギサは頭を抱えながら首を振りだす。

 

ちなみに俺は前世でどちらも参加済だ。感想、マジ良かった。

 

「へぇーメイド喫茶かあ。武器屋で作った剣とかを説明して売ったりはしてるけど、私にもレストランみたいなところでも何かできるかな?」

レインが興味を示す。

 

「おっ?レインちゃんやる気~?リアル帰ったらオススメの店紹介するよ」

ナギサがぐいっとレインに近づき両手を握る

 

「いやあ、私人見知りだからまだ出来るかどうかも怪しいし・・・」

ナギサの急接近にレインがたじろいでいた。

 

「大丈夫、モーマンタイ!レインちゃんかわいいから絶対人気出るよ」

 

「かっ、可愛いってそんな///ナギサさん困るよ~」

ナギサの目が星のように輝いてるのに対してレインは可愛いと言われて赤面していた。

 

「わたしがメイドの心得を手とり足とり教えてあげるよ!にしし」

 

メイド喫茶でメイドの心得とか身につくものなのだろうか・・・・

 

 

 

リアルの花見と違って楽なのは、道具の片付け、ゴミ捨てをウィンドウ操作だけで可能なことだ。

日暮れ後になっても白く光る蝶が集まり、花見会場を飛び回ってたおかげで夜桜まで楽しめた。

 

 

 

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