エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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クロンの戦闘BGM ドラマ医龍より DRAGON RISES
描写が音楽に負けてしまってますね・・・戦闘シーンの描写上手くなりたい(泣)
h ttps://www.youtube.com/watch?v=gYhiJ8sgPIo

GGO編一番好きなのでフェイタルバレット楽しみです


30話 2023.5.1 似て非なる道

2023.5.1

 

Side ヴァイリ

 

25層階層ボスで壊滅した解放隊はMTDと合併し『軍』となり、1層では一番多い人数の勢力となっている。人数が多い分、横暴な行為が目立ち始めていた。エンドワールドとはまだ直接いざこざは起きてないが、いくつかの小規模ギルドと権益関係で何度も衝突していることは1層の生産職の集まりの間で広まっていた。

 

生産職のプレイヤー達と繋がりがあるエンドワールドが軍の横暴の封じ込めの役目を任されたため、示威行動としてサービス開始直後にも行っていた街中でのデュエルによる模擬戦を再開することになった。どこか某国がミサイル開発したり、島埋め立てたり等したら対立国がその近所で軍事演習するのと同じようなのをするということだ。25層で攻略を中止した解放隊連中に対し、こちらは現在最前線の33層のフィールドでも戦えるプレイヤーが多い。戦力差を見せつけることで軍への牽制になると考えられている。

 

広場は屋台が置いてあるので広場の先の大通りで行うことになった。プレイヤーも上層に移動したり、軍が怖くて出歩けなかったりしているため、大通りでの稽古スペースは充分取れた。

 

「なんだか懐かしいですね。皆さんあの頃に比べると随分強くなりましたし」

エリスが感慨深く参加しているメンバーを眺める。

 

「こちらとしても教えがいがあるから楽しいしな」

 

 

「「ありがとうございました」」

クロンとフブキがデュエルが終わった直後、道着を着たサナエがクロンに近づく。

 

「次はわたしとお願いいたします。」

サナエが覚悟のすわった目でクロンの前に立つ。

 

「承った。」

クロンも何か感じ取ってか一段と雰囲気が変わる。

クロンとサナエ、二人とも剣道経験者ではあるが仲が良いわけではないらしい。

 

厳密に言えばサナエは武士、クロンは武人である。

武士はもともと階級であり、武道だけではなく礼節、作法など全てを持って武士となる。以前話を聞いたところサナエの家は武士時代の伝統、文化を今も保守している。クロンの家は時代に合わせて創作も加わる革新を求められる流派である。元は同じ武家であっても家によって考え方はそれぞれ違ってくる。サナエにとっては道のズレが相い容れられないのだろう。

 

「あなたの剣の道は邪道です。ここで私が成敗させていただきます」

サナエがクロンへデュエル申請をする。

 

「伝統だけでは武技は形骸しかしない。今を生きるために私は私の剣の道をゆく。」

クロンはサナエからの申請を初撃決着モードで受諾する。

 

「わたしの剣は形骸化などしてません。逆にあなたの剣こそ心を忘れ、劣化しているものであることを証明します。」

 

デュエルモードになり60カウントが始まる。

 

「あの二人大丈夫ですか?かなり熱くなってるようですが」

「一度ぶつかりあったほうがそれぞれ分かり合えるかもしれんしいい機会だと思うよ」

エリスは心配してるが俺としてはいつかぶつかるのは目に見えていたのでフィールドで斬り合いになるくらいならデュエルで白黒つけたほうがいいと考える。あの二人はパーティーを組むことも多いしお互いの技を見る勉強にもなるだろう。

 

「サナエとクロンがやるの?」

「ガチ試合?見たい見たい」

周りで模擬戦をしていたメンバーも前線メンバー同士の試合を観戦するため中断して集まる。

 

サナエは道着をはだけさせ、上半身はサラシ一枚の格好になる。

「刀を抜かなくていいのですか。それにコート羽織ったままでは動きにくいのでは?」

 

「これが私の道だ。貴方こそ竹刀でいいのか?」

 

「ええ、これが一番しっくりきますから」

サナエの構えているのは見た目竹刀であるが耐久力などは他の武器と謙遜なく、刀のソードスキルを使用可能でメイスなどの打撃攻撃が出来る変わった装備だ。したがってクロンのパーティーではゴーレムなどの硬いモンスターを主に担当する。

 

 

カウントは10を切る。

 

「冴塚 早苗、推して参ります」

 

「九龍 瑠希、推して参る」

 

「ちょっと、あの2人リアルネーム出しちゃってるんだけど」

カーラが俺の横で囁く。

 

「それくらい本気なんだろう二人とも」

ゲームとかリアルとか関係なく一本取るための命のやり取りを彼女らはする心構えであることの表れだった。

 

 

 

 

 

Side  3人称

 

カウントが0になりサナエが駆け出す。そのままクロンの正面から刀を振り下ろした。

 

ガキィン!

クロンは即抜刀してサナエの一撃目を防ぐ。

 

「あなたの居合は必殺だと思ってました」

 

「見切られる相手に使っても意味はない」

 

「随分と高い評価をしてもらえてるようですね。ありがとうございます。お礼に正面からの剣技で私に勝負を挑んだことを後悔させてあげます」

 

剣技は両者互角ではあるが、背丈はサナエのほうが高い。面打ちなど純粋な剣道であればサナエの方が有利であった。

 

サナエが竹刀を振りあげたところをクロンがコートのポケットからピックを2本取り出し投げる。

サナエは瞬時に対応し、2本とも弾く。

「小細工など効きません」

飛び道具が有効と思われたことに苛立ったサナエの声は恐ろしく低いものとなった。

 

(小手先の手では通用しないか)

クロンはサナエに有効打を与えられる方法を模索しているところだった。相手の動きを止める隙を作りたかったがサナエも手練であることはこれまでパーティーを組んできていたので熟知していた。

 

一進一退の攻防で鍔迫り合いが何度も起こり、ソードスキル無しの戦いが続く。ソードスキルは溜め時間とスキル発動後の直後に大きな隙ができるので、対人戦闘では決着を着けられるときにしか使わない奥の手となる。二人にとってはソードスキル以上の振りができるから使用すること自体不要であった。

 

「せやぁぁ!」

 

サナエの首を狙った横一閃にクロンが身をかがめ、臑を狙う。サナエも狙いが分かり、クロンの足元への連撃攻勢に対してバックステップを取りながらいなしていく。

 

「こっち来たあああ」

「避けろ避けろ」

周りに居たギャラリーのところまで二人が動いてきたので観戦者は二人の死合の邪魔をしないよう慌てて距離を置く。

 

「今のは?」

「リランの薙刀の技から作ったなあれは」

カーラの問いにヴァイリが答える。クロンが対戦相手の技を吸収して創作したものだった。クロンの実家の道場に入ってから彼女に一週間で自らの警視流を見切られるようになったことを今でも覚えていた。

「クロンはわたしの臑一回も引っかかってないけどね」

ヴァイリの隣に来たリランが頬を掻きながら答える。

 

 

斬り合っている二人は相手の体勢を崩して隙を生ませるために時には刈り技も含めて体術を交えながら攻防を繰り返す。

側面から打ち込むことにお互い専念しているので回転しながら戦う、輪舞曲を踊っているようであった。

 

 

 

ぶわっ

勢いよく首を振ったクロンの髪が舞い上がって彼女の視界を一瞬遮った。リアルでは彼女も髪を束ねて剣を振るが、SAOに入ってからは髪を束ねずに戦うことに慣れていたため、想定していないことだった。

 

「そこっ!」

クロンの死角になった左側へサナエが打ち込む。

 

クロンは左手をコートの右裏に伸ばした。

 

サナエとしては必殺の一撃になることを確信していた。しかし、その思いは遮られた。

ガキィン!

クロンの左手にはコートの裏に差していた十手が握られ、サナエの振り下ろした竹刀を受け止めていた。

キリキリキリ

そのまま十手は竹刀に沿ってスライドされ、テコの原理で竹刀を捻られ体制を崩されたサナエの隙を突き、クロンは右手の刀でサナエの腹を突いた。

 

 

〈勝者 クロン〉

デュエルフィールドにクロンの勝利を表示するウィンドウが表示されていた。

 

「参りました。十手なんて持っていたのですね」

「ありがとうございます。不意を突くような形になってすまない。剣技では貴方のほうが断然優位だった。」

「いえ、わたしの稽古不足です。この敗北は傲りが招いたものです。よろしければまたお相手お願いいたします。」

両者は位置を正して互いに礼をした。

 

 

「うー、あんなの見せられたらわたしだってデュエルしたくなるわ。次、どっちでもいいからわたしと勝負よ!」

道着姿のカーラはうずうずが止まらなくなり、二人のもとに駆け出していく。

 

「じゃあカーラとやらないほうはわたしと試合ね!」

リランも次の対戦の予約をする。

 

 

 

彼女ら武道に精通しているプレイヤーが互いに研鑽し合い、その技能を他のメンバーにも教授することでギルド全体のプレイヤースキルも高められている。戦力のデモンストレーションも一定の効果があったようで軍は広場と大通りの生産職に対してはちょっかいを掛けることが少なくなった。

 

 

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