エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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3話 2022.11.7 クエスト

デス・ゲーム開始から一夜明けた。

 

昨日、デュエルが一区切りついたあたりでエリスから「死ぬかもしれないのになにしてるんですか!」と怒られた。 

ひとまず4人でパーティーを組むことにして、リーダーは年長者のエリスに決まった。リーナさんはMMO界隈では生産職として有名な方らしく、露天出店のクエストをするようで一人で街内を探索するそうだ。エリスが心配してたが圏内であるので危険性は低いという結論になり、朝早くから出発していた。

 

「だから!デュエルで全損してしまう危険性だってあるんです!もう二度と危ないことはしないでください!」

 

「大丈夫だ、問題ない。ヴァイリとは普段から真剣で稽古をつけている。お互い加減は把握できている。」

 

「あっ、そうなんですか。じゃあ大じょ・・・うぶじゃないです!それはリアルも問題があるんです!銃刀法違反です!デュエルをするなら必ず一撃決着ルールだけですよ!」

 

9:00

宿を4人で出て転移門広場に来ると昨日のデュエルを見て戦い方を教えて欲しいというプレイヤーが十数人現れた。

「クエストやりたいんだけどなあ」

 

「初日に目立つようなことしてるからですよ!ダイアーウルフ50体日没までに討伐しないといけないんです。しかし、まだこの広場にいる方たちはほとんどが戦い方も知らないんですよね。何とかできないのでしょうか?」

 

「確かにこのまま街の外に出てモンスターとぶっつけ本番で戦う訳にもいかないなあ。」

昨日のデスゲームチュートリアルはあっても戦闘のチュートリアルは一切してない。ソードアート・オンラインで死者が増えたのは戦闘指南も無しにフィールドへプレイヤーが出てしまったからではないのだろうか。俺の場合はMMOゲームするとき、wikiが無いとまともに街の中でさえ歩くことができなかったタイプだし。今受けているクエストのキャンセル料を払うのも億劫だったのでプレイヤー達には明日の午前中にレクチャーすると言って今日のところは解散してもらった。

 

 

街の出入り口まで着いたとき、さらにもう一人、長いツインテールの子がこちらに話しかけてきた。

「あんたたち昨日デュエルしてたよね?」

 

「あなたは?」

 

「あたしの名前は、カーラ。そっちの盾と曲刀を持ってる二人。いきなりで悪いけれどあたしと決闘しなさい!あんた達がどれほど強いのか確かめさせてもらうわ!」

カーラからデュエル申請が届いた。俺は×ボタンを押した。

 

「すまないが今クエストの途中なんだ。後にしてくれ。」

 

「また後日にしてください。みなさん、フィールドに行きますよ」

 

「うむ」

 

「はーい」

 

「え、ちょっと待って、待ってってば!」

俺たちが圏外へ向かうのをカーラは追いかけてきた。

 

 

草原

街を出ると数百人のプレイヤーが所狭しとモンスターのポップ地点に群がっていた。順番待ちしてるようではクエストが一向に終わらないのでβテスト時代の穴場の狩場まで足を伸ばした。

「しっかり素材を集めながらダイアーウルフを倒していきましょう!」

 

「はーい、あたし、頑張るー」

 

「いい返事です。それでは張り切って冒険していきますよ!」

 

「こらぁっ!あたしを無視するんじゃない!」

そして、カーラもついてきていた。

 

「カーラさん、大声を出してはいけませんよ。モンスターが一斉に寄ってきてしまいます。」

 

「え?あ、うんわかった。気をつけるわ・・・って違ぁぁう!!」

カーラのツインテールの髪が逆立っている。重力が仕事していない。

 

「じゃあわかった、カーラが狼狩り手伝ってくれたら早く終わるしそのあとでデュエルをしよう。」

但し、今日とは言ってない。

 

「よぉし、あたし一人でクエストの規定数狩ってやろうじゃない」

カーラは一人で駆けてって狼に斬りかかった。

 

「あの身のこなし、何らかの流派に属している。」

クロンが呟く。

 

「じゃあ剣道経験はあるんだ彼女」

と眺めてたら横の茂みから突進してきた狼に吹っ飛ばされて剣を落としてしまった。吹っ飛んだ先には狼が5匹寝そべっていて、アクティブ範囲に引っかかっていた。狼たちが体を起こして攻撃態勢に入る。

「ひっ、ちょっとタンマ!誰か助けてぇ!」

 

「流石にやばいな。みんな、1匹ずつ減らしていこう。」

ウルフがまだ雑魚モンスターではあるがカーラもレベル1、それなりに攻撃を受ければ死んでしまう。彼女を囲んでる狼を1匹ずつ4人で囲んで倒していった。

 

 

「みっともないところを見せっちゃったわね・・・ありがとう、あんた達のおかげで助かったわ。その・・・ごめんなさい。あたしが無茶したせいで危険に巻き込んじゃったわね。本当・・・ごめん」

さっきまでの威勢はどこへいったのやら、カーラはしおらしくなった。

 

「MMOゲームというのはもともと多人数で遊ぶゲームだ。雑魚モンスターでも囲って袋叩きにするのがセオリーだからな。まずはカーラが剣道ではなくゲームをしているという認識を持つことが大切だ。」

 

「さっきはカーラがオオカミに囲まれてタコ殴りされてたよねー」

 

「うっ」

ノエルの容赦ない一言がカーラをグサッと刺した。

 

「間違っても狩られる側にならないことだ。カーラが戦えることはさっきのを見て理解した。しかし、ゲームには剣道とは違う戦い方がある。それを知って欲しい。」

「カーラさんにはゲームシステムについて知っておかなければならないことがたくさんありますね。明日の午前中、街の中央広場で初心者講習をしますのでぜひ参加してください。」

 

「うん、分かったわ。」

 

 

始まりの街

50頭討伐してクエスト仲介所に戻り、報酬を受け取る。

 

「さて、今日の冒険はおしまいです。あ、これはカーラさんの分です。」

 

「えっ、あたしは行きずりで加わったようなもんなんだけど・・・いいの?」

 

「ええ、もちろんですよ。カーラさんが手伝ってくれたおかげで予定より早めに終わらせることができました。」

 

「そう、じゃあありがたく受け取っとくわ。・・・その、よかったらでいいんだけどこれからも一緒に冒険して欲しいの。ダメかな?」

 

「ふふ・・・大歓迎ですよ!明日からも一緒に冒険しましょう!」

 

「ありがとうっ!さ、そうと決まればさっそくデュエルよ!ヴァイリでもクロンでもどちらでもいいから勝負よ!」

 クロンは右手をコートの下に隠していたが、柄を握っている。実は手合わせがしたくてしょうがないんだろう。

 

「まだ諦めてなかったんですね。私が代わりに相手をしますよ。」

 

「あんたが代わりを?悪いけどエリスのようなただのゲーマーじゃあ相手にならないわよ」

カチンという音がどこからか聞こえた。エリスは笑顔のままだけどあれは怒っている。第6感がそう告げていた。

「そうですねー、早く決着がつきそうですねー。はい、申請しました。勝負です。」

 

「よーし、やってやるわよ!」

両者5メートルほどの間を空ける。カーラは剣道と同じ構えをし、エリスは相変わらずニコニコしている。

 

デュエル開始5秒前にエリスが剣を振りかぶりソードスキルモーションを起こす。カーラはエリスの行動が何をしているのか分かっていないようだ。開始と同時に〈ソニックリープ〉が発動しカーラに斬りつける。システムアシストによる動きの速さにカーラは対応できずにダメージを受けた。

「うぐぁ・・・!負けた・・・このあたしがあんな赤燈に一瞬で・・・なんて動きなの。」

 

「スキルあり勝負なら負けませんよ。それに赤燈ってなんですか!決めました。カーラさんには夕食後ノエルと一緒に私の部屋で勉強です!ふふ、ビシバシいきますからね。」

 

「「い、いやああああああ」」

カーラとノエルの悲鳴が重なった。

 

 

20:00 宿屋

「失礼しても良いか?」

 

「どうぞ。」

部屋は一人ひと部屋ずつとっているが、クロンが部屋に入ってきた。3人掛けソファの俺の隣に座る。

 

宿に備え付けてある紅茶を差し出し、お互いしばらく無言で飲む。クロンが口を開いた。

「すまない、私の我侭でこのようなものに巻き込んで」

隣に座ったクロンは伏せ目がちに言った。SAOを始めたことに引け目を感じてるということだろうか。

 

「気にすることじゃない。スリルある娯楽に命のリスクは付き物だ。例えるなら宇宙旅行みたいなもんだ。」

 

「いや、まあデスゲームのこともそうだが・・・あなたには学業の都合もあるから、戻れなくなっているのはあなたの親に対しても迷惑だったのでは?」

 

「大学受験を頑張れば別にいくらでもリカバリーはつく。それに学歴が良いに越したことは無いが、俺も将来としては稼業継ぐことになるから瑠希が心配することじゃない。」

 

「そうなのか・・・あなたは死ぬことを恐れてないのか?」

 

「一度死んだ身から言わせてもらうと、死ぬときは確かにとてつもない痛みだった。でも今はこうして新たな人生を謳歌できてるわけだし。第二の人生で瑠希とこうやってお話しできることは喜ばしいことだと思っている。」

 

「私は剣のことしか頭にない者だがそれでもいいのか?」

クロンは少し不安げに尋ねてくる。

 

「剣道をしている瑠希が好きなんだ。」

ついプロポーズみたいな事を言ってしまった。クロンはその言葉を聞いて安心したのか頭を俺の肩へ乗せてくる。

 

「やはりあなたに出会えたのは天啓だった。そう実感できる。」

 

そんな話をしながら夜は過ぎてく

 

 

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