エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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執筆ペース落ちてるので投稿間隔開きます


42話 2023.12.24 ユダの聖夜

2023.12.24

 

Side ヴァイリ

 

50層アルゲード

 

22:00

 

原作と異なり50層ボス討伐後にクリスマスを迎えた。ハロウィン直後、50層が攻略されてから階層ボスは週一ペースで順調に倒されていき、前線は57層まで来ている。

街の中央広場にはカップル連れのプレイヤーたちが買いまわりしていた。街の中の音楽も鈴の音が合わさったクリスマス風のBGMが流れていた。

 

 

 

クリスマスツリーの前のベンチに座っている小柄なフードのプレイヤーの後ろに立ち、話しかける。

「黒の剣士様の今のレベルを知りたい。」

 

「5万コル」

 

「高いな」

 

「本人が口止め料払ってるからナ」

 

「しょうがない」

ウィンドウを操作してアルゴに5万コルを送る。

 

「ニャハハ、毎度。78だヨ」

原作のクリスマスより8レベル高くなっている。主人公様も随分と頑張ってくれているようだ。

 

「ヴァー君は随分とキー坊にご執心だナ」

 

 

「ゲームクリアのキーパーソンになるかもしれないからな。攻略組が本気でレベリングすれば彼くらいにはなれるはずだろう。」

 

「誰もがキー坊のようなセンスもってるわけじゃないんだゾ。前線に出ないオレっちが言うのもなんだけどサ。ヴァー君らエンドワールドも攻略に参加できないのカ?」

 

「それは死ねって言っているようなもんだ。俺なんて63レベルの雑魚だからそんな選ばれし勇者様たちの戦列には加われない」

階層ボス戦の安全マージンは階層+10レベル以上だ。レベリングは時間効率を重視しているから攻略組が使わなくなった過疎狩場を占有する。攻略組から一歩遅れたくらいのレベル帯を維持していた。今ギルド内で安全マージンを確保できるのはトトナのパーティか探索班くらいだろう。

 

「そんなこと分かってルけどサ・・・攻略組も死者だけじゃなくテ、精神参ってリタイア者が目立ってきているんダ。このまま減ってくると階層ボス戦でフルレイド維持もできなくなるんだゾ」

 

「そこは神聖剣様があちこちで新しいのをスカウトして回っているんだろう。あの人の手腕で何とかなっているなら俺たちが出る幕はないよ」

変に原作知識を提供したり、攻略に協力すると生存者が多くなり過ぎて茅場はゲームの難易度を上げてしまう場合もある。不確定要素は避けるべきだ。

 

「そういえバ、ヴァー君達ノところは背教者ニコラスは追わないのカ?他の有力ギルドは血眼になってあちこちモミの木を探し回ってルのに」

 

「蘇生機能としては微妙なところだからな。蘇生アイテムの名は還魂の聖晶石。死んでからその場で10秒以内。脳が焼かれる前に使えなければ意味がない。ソロプレイヤーが持ってても宝の持ち腐れになるだけだし。」

 

「そこまで知ってるのカ・・・ということハ、キー坊が万が一ボスを倒したとしてモ・・・」

 

「彼の生き返らせたいプレイヤーはもう完全に死んでいる。今回のイベントボスにすごい準備を重ねてきたようだが無駄になるな」

 キリトや聖龍連合、その他有力ギルドはここ1ヶ月、エンドワールド系列の店でも蘇生アイテムイベントの準備で武器強化に必要な素材を注文してきたり、回復アイテムを買い込んでいた。

 

俺の非情な事実を聞いてアルゴは上を向いてため息をつく。

 

「なんだか報われないナ。さっき、キー坊一人でイベントに向かっていったゾ。それをさらに風林火山が追いかけて行ったんダ。そんな重要な情報伏せてるヴァー君もかなりの人でなしだナ」

 

「この情報が出回っても蘇生アイテム争奪の競争率が下がるだけだから伏せていたんだ。情報屋さんはモミの木の位置についてあちこちに売り払ったんだろう?俺たちはレアアイテムの争奪を煽ったもの同士、同じ穴の狢だ」

 

「あーハイハイ、ありがとサン。たんまり儲けさせてもらったヨ。しかし、なんでオレっちが知らないようなことも知っているんダ?」

 

「うちの情報班も優秀だからな、じゃあまた今度」

そう言って俺は寄っかかってたベンチの背もたれから離れる。

 

 

 

「あっ、ヴァイリさーん!こっちこっち!」

商店街の人ごみの中からリュミルが手を振ってぴょんぴょんとジャンプしながら呼びかけてくる。

 

「どうした、そんな必死に呼んで」

 

「新しい装備が欲しいです。」

 

「自分で買え。そのくらい稼げてるだろ」

 

「せっかくのクリスマスなんですよ。あたしが強くなればヴァイリさんの護衛も捗って生存率上がるんじゃないですか?」

 

「まあ言っていることは間違ってはいないが」

なんだか駆け引き上手な言葉がリュミルの口から出てくるとは。この子も成長してるなあ。

 

「でしょうでしょう、お願いお兄ちゃん」

 

「なんだかアリアみたいだな」

 

「むっ、よりによってあの子を出すとは。じゃあお願いお父さん」

 

「一気に年齢上がったな。」

あながち生きてる年数差は間違ってないくらい。

 

「お願いします、サンタさん!」

髪も髭も白くなっちまったぞ。

 

「ホッ、ホッ、ホッ、良い子にはプレゼントを届けなければならないな」

サンタっぽい口調で言ってみる。

 

「ハイッ、ハイッ。ここに良い子います!あたしすごい良い子です」

リュミルは右手をまっすぐ伸ばして返事する。すごい必死だ。

 

「良い子だったらもう寝てるはずなんだが・・・クリスマスだし買ってやるか」

結局根負けする形になった。

 

「わぁい!さすがヴァイリさん、大好きです。」

 

 

リュミルがねだったのは+6の最大強化されてた軽めの片手剣だった。最高級なだけあってかなり懐が寒くなってしまった。

 

 

 

 

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