エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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GGO編早く書きたいな


45話 2024.1.12 圏内事件 解決編

2024.1.12 16:58

57層 マーテン 宿屋

Side 三人称

 

「ヨルコさん!」

キリトは窓枠に駆け寄り、外へ身を乗り出す。ヨルコの落下地点に宿屋の入口から赤いマントを羽織った金髪の少女と紫色の着物を着た黒髪の少女が駆けつけていったのが見えたが、既に光の破片となって消滅した後だった。

 

 頭を上げて周りを見渡すと2ブロック離れた同じ高さの建物の屋根にローブを被った人影を見つける。

 

「野郎っ!」

キリトは右足を窓枠にかけ、振り向かずに一言

「アスナ、後は頼む!!」

叫んだキリトは通りの反対側の建物へ跳んでいく。

 

「キリトくん、ダメよ!」

アスナの制止の言葉は届かずキリトは既に屋根づたいに走っていった。

 

 

「ヴァイリ、シュミットを窓の死角になるところに寄らせろ」

 

「はいはい、シュミットさんなるべく壁側に行ってください」

 

「おい、ヨルコはどうなっちまったんだよ。窓から落ちてどうなっちまったんだよ!」

パニックを起こしているシュミットをラーチェとヴァイリは二人がかりで両脇を抱えて引っ張っていく。

 

「シュミットさん、落ち着いて。ヨルコさんは・・・カインズさんと同じくPKされました。」

アスナは俯いて悔しそうに語る。

 

「冗談じゃねえ、こんなところにいられるか」

シュミットは部屋のドアへ向かおうとする。

 

「待て、今外に出たらアレの仲間がお前を狙うかも知れない。今こちらも宿屋にいる警護をここの階に上がらせているからこの部屋から動くな」

ラーチェがシュミットを制止させる。

 

トントントン 部屋のドアの向こうからノックが叩かれる。

「トトナです。前の通りにプレイヤーが降ってきて消滅したのですが、何があったのですか?」

宿屋1階に待機していたトトナの声がドア越しに聞こえる。

 

「警護対象が死んだ。聖竜連合のほうは無事だ。変なのが部屋に近づかないかそっちの班でこの階の廊下を見張ってくれ」

 

「分かりました。ネズミ一匹たりとて通しません」

 

 

17:05

宿屋に戻ってきたキリトは元の部屋の前でトトナ班に黒ずくめで不審者として止められたものの、事情を説明して部屋に戻ってきた。

 

 

「私たちはグリムロックさんの行きつけの店を張り込みます。ラーチェさん達は他の黄金林檎の元メンバーを調べてもらっていいかしら?」

キリトからフードの男の話が終わったあと、アスナは今後の計画を立てる。

 

「分かった。引き受けよう。」

 

「これ、シュミットさんが書いてくれた元メンバーのリストです。分かっている範囲で今所属しているギルドも書いてあります。」

 

「ありがとう。こっちにも書き写すから少し待ってくれ。」

ラーチェは懐から取り出したメモ帳にリストを書き写していった。

 

「ありがとうございます。私たちはさきにシュミットさんを聖竜連合に送っていきます。」

 

キリトとアスナはシュミットを連れて一足先に宿屋を出て行った。

 

 

 

情報班はアスナたちと分担してシュミット、グリムロック以外の黄金リンゴの他のメンバーの11日のアリバイの確認をしていた。形だけの捜査ゴッコをしただけだったが、元メンバーたちは別のギルドに所属などしていてアリバイは存在していた。

カインズが死んだ事を伝えるとフレンドリストなどで確認されるとバレるのでグリムロックが作った武器が圏内PKに使われたことについて聴取して回った。

 

 

──────────

 

 

 

 

Side ヴァイリ

 

2層 ウルバス カフェ・Endeavour  19:30

 

「合計、3600コルでーす。」

レジの前に立っているレインが会計を読み上げる。

 

「はい」

俺はウィンドウ操作で売買取引を完了させる。

 

「ありがとうございまーす!それではこちらのケーキをスタンドに乗せて運びますね」

レインはトングで9種類のケーキをケーキスタンドへ載せていき、運び出す。

 

俺も後に続いて行って、VIP用のラウンジ室のドアまで来る。

 

コンコンコン

「ヴァイリ君来ましたよー」

レインがノックする

 

「分かった、今開ける」

ガチャリ

中からラーチェの返事が返ってきてドアが開く。

 

「こちらヴァイリ君からの差し入れです。」

レインはコトリとケーキスタンドをテーブルに置く。

 

「ありがとうございます」

部屋の中にいたもう一人、トトナが軽く頭を下げる。

 

「気が効くな。ちょうど小腹がすいてきたところだった。」

ラーチェも椅子に座りなおす。

 

「どうぞ、どうぞ。いやーお疲れ様、二班のおかげで上手くいったよ」

俺も空いていた椅子に座る。

 

「ごゆっくりどうぞー」

レインが退室すると扉は自動でまた鍵がガチャっとかかる。

 

アスナに報告できる情報が一通り集まったところで外部から隔離されたラウンジで事の成り行きを待っていた。

 

「ひとまず私たちの出る幕は終わったようですね。紅茶はいかが?」

トトナは紅茶缶を開けてスプーンでティーポットに茶葉を移していく。

 

「もらう」

「いただこうか」

俺とラーチェは答える。

 

椅子に座ってラーチェとトトナの3人で待機しているとメッセ受信のアラームが鳴る。

【フーリ:ターゲット 3名確認 フルアーマーとポンチョが二人】

 

フーリからのメッセを呼んで俺はすぐ返信する。

 

【ヴァイリ:そのまま様子を見ててくれ】

 

隠蔽スキルの高いフーリをグリセルダの墓近くに潜入させていた。

出発前に彼女はギリースーツのようなコートを持っていっていった。多分地面にへばりつきながらシュミット達を監視しているのだろう。

 

「黄金林檎のほうは19層に集まったようだ」

「そうか」

テーブルの向かいの席に座っているラーチェは腕を組んだまま難しい顔を続けている

 

【ホタル:こちら20層のホタルです!なんだか尾行対象のお二人さんがすごい勢いでレストランから出てきたんだけど。尾行バレちゃったのかな?】

キリトとアスナのほうにはこちらも隠蔽スキルが高いホタルを任せている。

 

【ヴァイリ:今回の事件について分かったことがあったんだろう。もうしばらく今いる場所で待機】

 

 

 

ピッ

【フーリ:墓の前に 棺桶来た  その後黒の剣士が 追い払った】

 

【ヴァイリ:そこまで確認できていれば大丈夫だ。そこから離脱してくれ】

 

【フーリ:了解】

 

 

「よし、圏内事件おわった。お疲れ」

 

「お疲れ様です。」

トトナは椅子に座った姿勢を崩さず言う。

 

「ヴァイリ、お前は気づいてるのか知らんが、“原作”というものとは異なった結果になってくるとは思わないのか?」

コトリとティーカップを置きながらラーチェが言う。

 

「何でさ、圏内事件は3ヶ月早かったが実際に起こったじゃないか。」

 

「その3ヶ月が問題だ。本来であれば春先に黒の剣士が昼寝しているところを閃光に見つかったのがこの話の始まりだろう。」

 

「そんな些細なことは気にするもんでもないと思うけどな。」

 

「バタフライエフェクトという言葉があってだな。その些細なことが大きな誤算につながることもある。今のところお前の筋書き通りだがこれからずれていったらギルマスからの信用も無くなるだろうな」

 

「おいおい・・・そんな恐ろしいこと言わんといてくれ」

俺はさっさとアスナにメッセを送って今回の件からずらかることにした。

 

【ヴァイリ:こちらで調べた黄金林檎のメンバーは全員アリバイがありました。】

 

【アスナ:分かりました。カインズさんとヨルコさんは生きてたので大丈夫です。理由はまた後日話しますね。まあちょっとした二人の悪戯だったようなので許してあげてください】

 

【ヴァイリ:そうだったんですか。それなら圏内PKは存在しなかったんですね。変なPK技生まれたわけでないなら一安心です。】

 

「やっと一段落ついたって思える」

インベントリから葉巻とジッポを取り出す。生産職のプレイヤーメイド品で作られたものだった。

 

キーン、ジュッ 

ジッポのキャップを外してホイールを回して火を灯す。ゆらゆら燃える火に葉巻の先端をつける。

 

「タバコは20歳になってからだ」

ラーチェは嫌そうな顔をする。

トトナは何も口に出さなかったが若干眉をひそめている。

 

「未成年からタバコ取り上げるおまわりさんはこの世界にはいない」

ゆっくり肺に入れてから天井にふーっと大きく吐く。紫煙が天井に薄く広がっていった。

ひと仕事終わってからの一服とはとても美味しく感じられる。

 

 

 

翌日のアルゴの新聞で先日の圏内PKにラフコフの影があることが記事になっていた。

 

エンドワールドはラフコフとの接触もないので余計な確執を生まずに済んだ。そして、今回聖竜連合の幹部が殺されそうになったことを重く見た攻略組は棺桶討伐作戦の計画を始めていた。

 




ケーキ買ってきて少し株上げたところ勝手に喫煙してまた株を急落させるオリ主
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