エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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今回の一曲
ポーリュシカ・ポーレ
h ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1453232

h ttps://www.youtube.com/watch?v=E1nvDv8KgJw
女性ボーカルのほうの映像はPervaya konnaya(Первая конная) (1984) 邦題 最初の馬というソ連映画
h ttps://www.youtube.com/watch?v=DDQAeTpQKl0&t=6772s

訓練風景参考
h ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm16016783
h ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm30996265



46話 2024.1.18 騎乗スキル

2024.1.18 9:00 

59層 フィールド

 

エンドワールドの一団は59層の主街区のすぐ外の平原に集結していた。そばには厩舎がある。

 

パカラッ、パカラッと地面を振動させながら蹄の音が響くと、厩舎からレンタルの馬に跨ったヴァイリが出てきて、集まっているメンバーの前で停止する。

 

「さて、今日は新しい武器の使い方についての紹介だ。武器というよりは乗り物かもしれないが今日は馬に乗る戦いに慣れてもらおう。古来より騎兵というのは歩兵より有利に戦うことができる。銃や車が普及するまではヨーロッパの軍隊では戦場の華だった。騎兵の速い移動に歩兵はついていけない分、戦いを有利にすることができる。SAOでは銃も魔法もないからフィールドでは馬に乗れることは強力な武器になるだろう。」

ヴァイリは馬に乗りながらぐだぐだと説明を始める。

 

「またはじまった」

原っぱに足を伸ばして腰を下ろしてるエクレールがぼやく。

 

「癪だけど今回はあんたと同感ね」

エクレールの隣にいたカーラもうんざりした顔で同意する。その他のメンバーもつまらなそうな顔をして適当に聞き流していく。

 

「もちろん、PKから身を守るにも必要なスキルだ。麻痺毒を食らっても馬が走っていれば運良ければ逃げれる可能性もある。」

聴いてるメンバーがいるのかどうか関係なしにヴァイリは話し続ける。

 

「長話はいい、ヴァイリ。つまり馬に乗れればその分戦いに有利になるから覚えろということだろう」

痺れをきらしたミルローゼが立ち上がり剣をヴァイリに向ける。

 

「・・・まあそういうことだ」

話を途切れさせられて一瞬黙ったヴァイリが答える。

 

「ということだ。では、全員厩舎で馬を借りるぞ。今日はギルドの経費でレンタル料支払うからな。」

ミルローゼが手をパン、パンと叩くと各々が立ち上がり厩舎へと向かう。

 

 

 

「拙者も是非馬術を習得したい。騎馬突撃は武士の華というものだ」

やる気溢れるフブキは早速馬をレンタルして厩舎から外へ引っ張ってくる。

 

「フブキ、乗馬の経験は?」

 

「無い!」

ヴァイリが質問するとフブキは自信満々に答える。

 

「まずは馬への登り方だな。フブキ、馬の横に立ってくれ」

ヴァイリはフブキの近くまで来ると馬を降りる。

 

「鞍から垂れ下がってる鐙に足をかけながら乗るんだ」

 

「こうか?」

フブキは鐙に足をかけながら鞍にまたがる。すると馬はゆっくりと歩き出す。

 

「主、拙者は馬に乗れてるか?ははっ、これはいいな。どうやって速くなるんだ?」

 

「両足で馬を挟むようにすれば速くなるぞ」

 

「おお、そうなのか!」

フブキは馬の胴体を圧迫して加速の指示をすると、速歩になる。

 

「うわっと。」

フブキはバランスを崩し、馬にしがみつくようになる。馬は圧迫を感じてさらに駆足になる。

 

「おい、フブキ。しがみつくとさらに加速するぞ。手綱を後ろに引くんだ」

ヴァイリはフブキを追いかけながら止め方を言う。

 

「しかし、振動で落ちそうになりそうで・・・うわっ!」

ドスンッ

フブキは馬の首に両腕を回してしがみついていたが、振動に耐え切れずに落馬する。

 

「うう・・・なんたる醜態。」

落馬したフブキは落ちた場所で大の字になる。

 

「初めてならしょうがない。誰でも通る道だよ。乗って慣れていくのが一番だ」

ヴァイリは無人になった馬を牽いてきてフブキに戻す。

 

「かたじけない。修練あるのみだな」

起き上がったフブキはヴァイリから手綱をもらい、再び騎乗する。

 

「ヴァ、ヴァイリさーん!」

エリスの悲鳴がヴァイリの耳に入る。

 

「ん、エリス、うわぁ!」

ドォン!

ヴァイリが振り向くとエリスが乗っている馬が一直線に走ってきた。そのままヴァイリと衝突する。

 

「うーん・・・と、あっ、すみません!わたし、馬に乗るの初めてでコントロール効かなくなってしまいました」

2頭と2人が地べたに横たわっていて、意識を戻して起き上がったエリスが言う。

 

「エリスも今回は習う側だな。ビシバシいくから覚悟しろよ?」

衝突の衝撃で頭がクラっときたヴァイリも意識を戻し、起き上がりながら言う。

 

「はい、お願いします!」

エリスは両腕をぐっとして意気込みを披露した。

 

 

そんなヴァイリ達を眺める視線

「あれは浮気ですね」

 

「浮気なのか?」

クロンに乗馬を教えてもらっているリュミルが言うとクロンは首をかしげる。

 

「部長がゴルフレッスンする時に若いOLの腰とかさりげなくタッチするのと一緒です!」

 

「浮気というよりセクハラだな。ヴァイリがそのようなことをするとは思えないが」

一応あれでも前世が警官だったことを踏まえてクロンが言う。

 

「おや、信頼されてますねヴァイリさんは。クロンさんもヴァイリさんから乗馬の仕方を教わったんですか?」

 

「ベ―タテスト終わった後にヴァイリと近くの乗馬クラブで一日教室に行った」

 

「へ―、ベータ経験してると騎乗スキルとかも予習してきたんですね」

 

「ん、まあ、そんなところだ」

クロンは一瞬余計なことを言ってしまって、しまったと思ったがリュミルが深くは追求してこなかったので適当にはぐらかした。乗馬スキルはベータテストではまだ存在は出てなくてヴァイリの原作知識で知ってたことだった。

 

「で、あっちのお二人さんは平常運転ですね」

リュミルが視線を別方向へ移す。

 

「馬に乗れるなら乗馬の仕方を皆にも教えて欲しいところなのだが」

クロンも困りながらリュミルと同じ方を見る。

 

そこには既に乗馬戦闘をしている二人がいた。

「武道家はさすがといったところかしら。」

 

「エクレール、以外にあんたも馬乗れたのね。どこで習ったのよ」

 

「態々教えてやる義理もないわ」

カーラとエクレールは決闘を始めて既に刃を交えていた。周りの練習お構いなしにふたりの馬はあちこち動き回る。実質、他のメンバーの邪魔になっていた。

 

 

 

 

「はぁ!」

ベティは馬を意のままに操り、柵を飛び越え、障害馬術を次々と披露する。

 

「ベティちゃんすっごーい!」

ベティの乗馬を見てノエルのテンションが高くなる。

 

「馬術は紳士淑女のたしなみですわ。わたくしも小さい頃から習ってましたの。」

 

「わたしもベティちゃんみたいにうまく乗れるようになれるかな?」

 

「もちろん。ノエルさんにわたしが手とり足とり教えてさしあげますわ」

 

 

 

ヴァイリのもとに赤装束の少女が来る。

 

「トナカイとソリはないのー?」

一年中サンタ姿のメリーがヴァイリに質問する。

 

「馬車だったらあるがソリはどうかなー。雪のフィールドに厩舎があるかどうかも分からんし。今のところ馬車の帆を外せばソリっぽくなるんじゃね?」

 

「サンタといったら馬じゃなくてトナカイ!馬車じゃなくてソリなの!」

メリーとしてはサンタの定番で譲れないものがあった。

 

「わかったわかった。トナカイにソリ牽かせるにしても乗り方知らないと動かせないんだから今日は馬で我慢しろ」

ヴァイリはめんどそうにして言って聞かせる

 

「ぶー」

メリーは頬を膨らませて納得しないながらも馬に乗って練習し始める。

 

 

 

 

11:30

 

 乗馬という初めての体験も徐々にコツがわかれば乗りこなせてくる。ゲームの馬はリアルの馬ほどクセがないため、操作が正しければ意志の通りに動かすことが出来る。

 

「やあぁぁっ!」

カメリアが突き出したランスは木の杭の上にあったスイカを木っ端微塵にした

 

「ハラショー・・・」

見学していたレインは目を丸くする。

「おー」

絵になった攻撃を観ていたコハルも栗みたいな口になって感嘆の声が漏れる。

 

「乗馬も良いですね。普段より速く動けます。」

普段、大型のランスの重量ペナルティで走れないカメリアは水を得た魚のように次々と訓練の的を仕留めていく。

 

 

ケティアが人の頭の高さに立てた的をレイピアで貫く

 

「・・・よし!」

ケティアは馬を停止させて振り向き、砕けた的を確認する。

 

「うおりゃああぁ!」

リランは薙刀をぶん回して、麻袋を両断する。

 

「ケティアもリランも随分様になってきたな」

近くにいたヴァイリが褒める。

 

「慣れれば・・・簡単」

ケティアは無表情のまま短く答えた。

 

「ふふーん、わたしもいい感じ。馬と長物は相性いいわね」

リランは馬の首を軽く叩いた。

 

段々と乗馬に慣れてくるとどちらが乗りこなせているか競争が始まり出す

 

「どちらが速いか競争しない?」

クラリスがシャサールに競争を持ちかける。

 

「おっいいじゃん、ちょうど一周できるように柵があるし」

大分馬に乗れるようになってきたシャサールも乗り気になる。

 

「じゃあここをスタートラインにしようか。負けないわよ」

クラリスは白く塗られた柵の中で一本だけ赤く塗られていた支柱を指差す。

 

「あたしだって」

シャサールもクラリスの横に並ぶ。

 

「レースする前に食事を取ったら?」

4輪の馬車に乗ってきたリーゼロッテが二人に話しかける。

場所には需品班が乗り合わせていて、車体幅ギリギリの大きさの給食鍋が荷台に乗っていた。各国の軍隊で言うところのフィールドキッチンのような外見であった。

 

「まだまだ寒い季節だからシチュー作ってきたよ。ゲームの中で季節気にするのも変かもしれないけど」

ソラナが鍋の蓋を取ると湯気が立ち上がり、クリームの香りが辺りに広がる。レースをしようとしていた二人の食欲をそそる。

 

「・・・ちょうどお昼時だし食べてからでもいいでしょ」

 

「腹が減ってはなんとやらってな」

二人は既にヨダレが垂れていて、馬から飛び降りると鍋へ駆け寄った。

 

クラリスとシャサールだけでなく、シチューの匂いにつられて馬車の前に人だかりが出来だしていた。

 

 

14:00

 

槍の穂先の付け根に黒地に青円のギルド旗や、燕尾型の赤白のペナントなど取り付けられる。

 

【挿絵表示】

  

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「おお、なんか彩りある気がする・・・」

ペナント型の旗をつけたテレサが槍を振ってひらひらさせる。

 

「そう?アタシにはそこらへんの感性分からないんだけど」

試しにペナントを付けたティアナはいまいちピンと来ない。

 

「ティアナ、もしピザの盛りつけが・・・トマトソースだけだったらどう思う・・・」

 

「そりゃあ味気ないからいまいち食べたくないけど」

 

「それと同じだ・・・食べ物と同じく見栄えは重要だぞ・・・」

 

「なんだろう、食べ物絡みでテレサに言われるとなんとなく納得がいってしまうわ」

 

───

 

 

15:00

とある聖竜連合6人パーティーがピクニックがてら59層平原を歩いていた。

 

狩場には20体ほどのノンアクティブの牛モンスターが呑気に草を食べていた。珍しいことにあたりにプレイヤーの姿が見えず、ここを独占できることに連合の6人は喜んでいた。

 

喜んだのも束の間、右手の丘の裏から馬に乗った一人の男性プレイヤーが走ってきてパーティーの前に立ちはだかった。

 

「現在エンドワールドの戦闘訓練中です。これより先に立ち入らないでください。」

 

馬に乗るプレイヤーの先にはモンスターしかいない。

 

「お前以外誰もいないじゃないか。俺たちはここを通りたいんだ。」

聖竜連合のプレイヤーは避けて通ろうとする。

 

すると、馬に乗ったプレイヤーはさらに彼らの前に立ちふさがって塞き止める。

「危険なのでしばらくお待ちください」

 

「ふざけんな。俺たちは聖竜連合だぞ。エンドワールドのようなボス戦にも出ない腰抜けが邪魔しているんじゃねえよ。だいたいキャーキャーしてるだけのギルドがしゃしゃりでてくんな」

 

ブオーォ―

すると、遠くで角笛の音が聞こえた。

 

「なんだ、今の音は?」

聖竜連合のプレイヤーは出処が分からない音を聞き、顔を見合わせる。

 

ドドドドドドドド┣¨┣¨┣¨┣¨

地鳴りのような音が段々と大きく聞こえ、草原の丘の稜線から80頭以上の馬が走ってきた。

 

 

「チャーージ!」  「ターリホー!」   「やあぁっ!はぁっ!」 

「Урааа!」   「いえーっ!」

マントをたなびかせたミルローゼと青円のギルド旗を持ったトトナを先頭に槍を前に突き出したプレイヤーや、剣を上にあげたプレイヤーの騎兵集団が前を通り過ぎていく。

 

騎兵の集団は瞬く間にフィールドのモンスターを波のように飲み込んでいく。

 

馬の通り過ぎた所にいたモンスター達は全て消滅してドロップ品のみ遺していた。

 

通ろうとしていた聖竜連合のプレイヤーの顔は青ざめていた。

 

「だから言ったじゃないか。危険だって」

ヴァイリは通行止めを解除すると走り去った騎兵隊へ合流していった。

 

 

 




h ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm31681432
騎兵突撃シーン参考
ちなみに作者は動画のシーンの3分の1くらいしか出典元の映像作品把握できてないです。
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