エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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50話 2024.2.24 交流戦

2024.2.24

 

side ヴァイリ

 

血盟騎士団への志願者、エンドワールドのおっかけなどがグランザムの宿を利用し始めていた。

拠点にするプレイヤーが増えたことから生産職街が計画され、グランザムは活気のある主街区となった

 

一部のメンバーはセレブ気分を味わうために、フロアがほぼ湖で地中海のような街並みの広がる61層セルムブルグにプライベートホームを買ったようだが。

 

 

 

 

お向かいの血盟騎士団とは物資、情報交換のあるギルド同士なので良好な関係と言える。

・・・のは表面での関係で実際は血盟騎士団はブーツオンザグラウンドとエンドワールドに階層ボス攻略に参加することを何度もしつこく要請していて、エンドワールドは逆に多少の死者が出てでも現状の攻略組メンバーでの攻略スピードアップを盛んに催促している。

 更には攻略組がボス攻略直後休息することをいいことに新層開放するやいなや真っ先に新階層フィールド、フィールドボスが倒されたら迷宮区に入って宝箱を開けて、トレジャーやマッピングなど高く売りつけていた。

 

黒地の青円と赤地の白十字、ギルドエンブレムからして相反する双方の仲が良好な訳無かった。

 

 

 

13:00

魔王城 中庭演習場

 

両ギルドのギルドホール引越し記念で交流戦が開かれていた。エンドワールドの城内のサッカーグラウンド程の中庭に2つのギルドの団員が集まっていた。

 

第一試合開始前から血盟騎士団の若いのがナンパしていたが、相手が悪かった

「いでででで」

「騎士であるのならもっと作法からやり直してくださいな」

ミオナが肩に触れてきた騎士団員の手首を捻っていた。

 

「うわぁ、えげつねえ」

「なんて節操のないんだろう・・・」

騎士団のほうは引いていて、エンドワールドのメンバーは騎士団の男性陣へ警戒を深めていた。

せっかく閃光と相談してセッティングしたのに開始早々トラブル発生しないで欲しいものだ。

 

「お会いできて光栄ですわ!アスナ様。わたくし、セレンと申します。閃光のお噂はかねがね、わたくしたちの憧れですわ」

血盟騎士団に似せた装備のセレンがアスナに真っ先に向かい、アスナの手を両手で掴み、握手する。

 

「え、ええ。セレンさん、こちらこそよろしくね」

いきなりの事にアスナもひるみ、眉をひくつかせながら返事をする。

 

「貴様、ギルド交流といえど、いきなりアスナ様に無礼ではないのか!」

アスナの隣にいたひょろっとした男がセレンに叱責する。

 

「なんですの、このおっさんは」

セレンは眉をひそめて男へ顔を向く。

 

「おっさんとは何だ!私はアスナ様の補佐を勤めているクラディールだ。合同演習でありながら段取りの邪魔をするのはやめていただきたい」

おっさん呼ばわりされたことに怒り、クラディールは声を荒げる。

 

「この老け顔が?」

セレンは胡散臭そうにクラディールを見る。

 

「誰が老け顔だ!ちゃんとした大人がついてて変な男が寄り付かないようアスナ様をお守りしているのだ」

 

「あら、ちょっとしたご挨拶ですわよ?それにわたくしは男ではなくレディですから問題ありませんわ。訓練が終わりましたらお茶でもいかが、アスナ様。ではまた後ほど。」

セレンは髪をかきあげ、クラディールの言うことを無視して一方的にアポをとっていった。

 

「このぉ、言いたいことばっかり言いやがって。後でとっちめてやる」

クラディールは歯ぎしりをしてセレンの背を睨みつける。

 

「クラディール、やめなさい。いい大人なんですよね?」

アスナが今にも突っかかっていきそうなクラディールを手で静止する。

 

「ぐぬぬ」

クラディールは歯噛みしながらも下がる。

 

 

 

 

先鋒

クラディールvsケティア

 

「あのおっさんキモい…近寄りたくない」

金髪の短いポニテを垂らして、普段無表情のケティアが露骨に嫌そうな顔をする。

 

「しょうがないだろ。みんなでクジ引いて決めたんだし、試合表だって変えられないんだから。」

 

「さっさと試合してさっさと勝ってくれば終わるんだから。」

踏みとどまろうとするケティアの背中を強引に押す。

 

「…ヴァイリ、恨んでやる」

ケティアがキッと睨んでくる。おお、こわいこわい(実際コワイ)

 

「なんだあ?ろくに剣も振れない腰抜けかあ?ったく、これだから女子校生はうるさいだけでなんの役にもたたねえ」

ケティアがいやいや前に出てきたのを見たクラディールは嘲笑していた。

 

カチン

 

そんな音が聞こえたと思ったらケティアの雰囲気が戦闘モードに変わっていた。

「さっさと…デュエルする」

ケティアの声は低くなっていた。

 

「ふざけんなデコハゲー!」

「老け顔ー!」

「ジジイー!」

外野もクラディールの馬鹿にした言葉に頭が来ていてヤジが飛んでいた。クラディールさん、完全に女の敵となりましたね。

 

《DUEL START》

 

「そらそら、どんどん行くぞぉ!」

クラディールはプレイヤーレベルが高いからか両手剣の大技スキルをボカスカ打つ。

しかしケティアはフットワークを活かして難なく避けていく。スキの大きいクラディールの攻撃を避けては鎧の隙間にレイピアで突いていく。

パターンが入ってしまったように一方的にクラディールのHPばかりが減っていった。

 

「つまんないの」

デュエルのリザルト画面が出てケティアが呟く。

 

「んだとぉ!ちょこまかと避けやがって!」

「クラディールさん、落ち着いて!もうデュエル終わってますから」

ケティアにイラついたクラディールは激昂してさらに剣を振りかぶるが周りの団員に止められる。

 

「クラディールさんがこんなあっさり・・・」

若い団員からは困惑の声があがる。

血盟騎士団の中でもクラディールは決して弱くはない。アスナの護衛役になれるあたり、どちらかといえば中の上であった。ただし、クラディールの強さとは対モンスター戦での強いソードスキルを運用できることであり、対人戦闘は素人だった。

 ケティアはリアルでもフェンシングをやっているから対人戦にはめっぽう強い。伊達に教導の細剣担当を任されているわけではない。

 

 

次鋒

ゴドフリーVSエヴェイユ

 

「うーむ、こんな姪っ子と同じくらいの小さな子と戦うというのはいささか気が引けるもんだが」

ゴドフリーはあごひげを手でいじりながら首をかしげていた。

 

「大丈夫だよ、あたし強いもん」

ピンクの髪をツーサイドアップに結んだ小柄なエヴェイユは笑顔でメイスを振り回してみせる。

 

「はっはっはっはっは、その意気や良し!お嬢ちゃんがそういうなら私も手を抜けないな。いざ、尋常に勝負!」

ゴドフリーは背負っていた斧を両手で構える。

 

「ゴドフリー隊長、ちっちゃい子相手に大人げないところ見せちゃいけませんよ」

血盟騎士団の団員が叫ぶ。

 

「おう!ちゃんと騎士として堂々と戦わせてもらうぞ」

 

《DUEL START》

 

「ふんぬ!」

 

ゴドフリーの縦振りをエヴェイユは横ステップでかわす

 

「それっ!」

エヴェイユがメイスを横薙ぎにしてゴドフリーの頭部に直撃させた。

 

「ぬおっ!」

衝撃でゴドフリーはよろけて倒れてしまう。

クリティカルでHPバーは黄色まで達する。

 

「ううむ、よもや幼子に後れを取ってしまうとは」

倒れてたゴドフリーは悔しそうな顔をしていた。

 

「シスター・ミリシオンがね、「泣き声が聞けないのは名残惜しいのですが頭を攻撃するのが一番効率的です」って言ってたんだよ」

エヴェイユは無垢な笑顔で答える。

 

「おいおい、撲殺シスターの名前がなんで出てくるんだ・・・」

「軍が怯える緑カーソルのレッド・・・」

「歩くアイアン・メイデン・・・」

「黒鉄宮の地下ダンジョンで聖書読みながらメイス振るってるっていうアレの教え子かよ」

「なまはげ聖女・・・」

血盟騎士団の団員がひそひそしているけどミリシオンさん、二つ名どれも物騒すぎませんかねぇ・・・

 

 

中堅

サンザVSイブ

 

 

「ぐおっ」

バタン

長身の男、サンザは地面に叩きつけられる

 

「ふんっ、弱いくせに使いこなせない武器を持ってるなんて」

イブは持ってたクロススピアをザンザの前に投げ捨てる・

 

クロススピア使いのザンザに対してイブは無手で迎え撃った。ザンザの刺突を躱してからイブは突いてきたスピアを巻き上げ、彼の手から奪い取り返り討ちにしていた。

 

 

 

副将戦

アスナVSエリス

 

 

デュエルの最中にクラディールとルクスが練習場の隅でこそこそ話してたが棺桶関係の連絡だろう。ラーチェにもメッセを送って二人が話していることを伝えておく。

 

 

「いやー、アスナさんは強いですね。」

 

「エリスさんも強かったです」

 

ほぼ互角の剣闘だったが手数の多いアスナのほうが先にHPゲージを半分削りきった。

 

 

 

 

大将戦

ヒースクリフVSミルローゼ

 

ミルローゼの剣舞は以前にも増して様にはなっているが、見栄えにこだわっているのもあってスキが大きい。

 

攻撃はミルローゼが一方的にしている展開だが

 

ヒースクリフは隙を作らずミルローゼの振りの切れ目を狙って的確にダメージを蓄積させていた

 

 

ミルローゼのHPバーが半分になりデュエルはヒースクリフの勝利で終わった。

 

「ぐっ、今日はこの辺にしておこう・・・聖騎士よ。我を倒したところで第二、第三の魔王があらわれるであろう・・・」

ミルローゼは膝をついてテンプレな魔王発言をする。

 

「ゲームにおいてラスボスというのは最後に斃れる存在だとは思わんかね?今の時点で討たれるようではそういう器ではないということだ」

ヒースクリフは俺の方に目を向けてニヤッと笑っていた。なにそれ、「私を討ってみろ」とか言うんですかね?なんかいろいろバレているんだろうか。

 

ミルローゼもこっち睨むのやめて下さい。文句は演習終わった後にちゃんと聞きますから。

 

「団長が勝ったぞ!」

「やっぱSAO最強プレイヤーだ」

血盟騎士団の団員から歓声が挙がる。

戦績は3勝2敗だったが副将戦と大将戦を勝った騎士団のほうが勝利ムードに浸っていた。

 

「集団戦として勝利したのはこちらなのに。おめでたい連中だ」

クロンが冷淡な目で騎士団を蔑む。他のエンドワールドのメンバーも面白くないといった顔をしているのが多い。

 

「まあまあ、ご近所さんと険悪な仲になるくらいならまだいいだろう」

 

最後にヒースクリフとミルローゼがそれぞれ攻略についての激励を飛ばし、交流戦をお開きにさせた。

 

 

 

Side 3人称

 

18:00

魔王城 情報班室

 

 

ラーチェがルクスに詰め寄っていた。その周りにルクスが逃げないように班員が取り囲んでいた。

 

「先ほどの血盟騎士団の人間と何を話していた?たしかケティアと決闘をしたクラディールと言ったな。」

 

「棺桶への入団希望だ。私のようなグリーンはリクルート任務も引き受けている。」

 

「なぜ私に向こうの仕事の内容を報告しないんだ。」

ラーチェはルクスの胸ぐらをつかみかかる。

 

「別にこのギルドに不利益になることではないはずだ。普段のあっちの任務もこなさないと不自然がられる。」

ルクスは顔を背けた。

 

「次からはあっちのギルドの業務も逐一報告しろ。自分の部屋へ戻れ」

ラーチェは手を離すと部屋の扉を指差す。

 

「失礼します」

ルクスは一礼して部屋を出た。

バタン

 

ガチャリ

ルクスが出た直後扉に鍵がかけられた。

部屋の中からは残りの班員で話し合いを始める声が聞こえてきた。

 

ルクスは割り当てられた部屋に歩いて行った。彼女の部屋は城の外れのほうの窓のない部屋だった。プライベートにおいても他の人と接触しないように選ばれた部屋だった。

 

「ちくしょう」

ルクスから漏れた悪態は、他には誰もいない静かな廊下に掻き消えていった。

 




サンザはオーディナルスケールのコミック版に出てきましたね
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