エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

55 / 178
昨日のSAO生放送見ていました!
メモデフのテイルズコラボとSAOIF10層実装楽しみですね


53話 2024.4.21 非の所在

2024.4.21

 

 

10:00 血盟騎士団 ギルドホール

Side 3人称

 

ミルローゼ、カスミ、アンジェラの3人は血盟騎士団の会議室に呼ばれていた。

 

血盟騎士団の城の廊下を歩いていく。

 

「預言者の言うこと当たりましたね。私は例のが起こるまで胃がキリキリしてましたよ。」

アンジェラはやれやれと首を振る。

 

「既に4回召喚要請を無視している。奴ら相当頭にきているだろう。」

ミルローゼはニヤッと笑っていた。

 

 

コンコンッ

「入るぞ」

 

ミルローゼがドアノブを回すと、大きな円卓にプレイヤー達が座っていた。

奥の席にはヒースクリフが座っている。

 

「よく来てくれた、空いてる席に座りたまえ」

ヒースクリフは空いてる席の方へ手を伸ばす。

 

軍、聖竜連合の幹部達も座している。あとは風林火山の団長といったラフコフ討伐戦参加ギルドが一同に集まっていた。

 

ミルローゼは席に座り、カスミとアンジェラはその後ろに控える。

 

「さて、今日呼んだのは他でもない。ラフィンコフィン討伐作戦当日にダンジョンの一つの出口を封鎖していたところ、オレンジに属すると思われるプレイヤーを君たちが連れ去ったという報告が上がっている。」

赤い服を着たヒースクリフが話し出す。

 

「俺たちがアジトに入ったら待ち伏せられていたんだ。キサマらエンドワールドが棺桶に内通してたんだろ」

軍の幹部がミルローゼを指差して叫ぶ。

 

「オメェらが討伐に参加せずにおかしな事してて、俺たちがどれだけの被害出したか知ってるのか?!」

風林火山の団長、クラインが非難する。

 

「知らんな。もともと潜入させていた諜報員を回収しただけだ。情報が漏れたのは貴様らのほうに入っていたスパイだろ。組織管理がおろそかだな」

ミルローゼは背もたれによっかかって答える。

 

「なんだと!ふざけたこといってんじゃねえぞ。命懸けで戦った仲間に裏切り者がいるわけねえだろ」

黙っていた聖竜連合のシュミットもミルローゼの物言いに我慢できずに声を荒げる。

 

「我々だってなにも根拠なく言っているわけではない。諜報員二人(・・)によって内通者は把握できている。カスミ、あの書類を」

 

「はい、まおーさま。こちらです」

ミルローゼの横からカスミがファイルを手渡す。

 

「さて、どこからいこうか?・・・ふむ、騎士団からいこうか。聖騎士殿はクラディールという者に心当たりは?」

ファイルを開いてミルローゼは品定めをするようにページをめくる。そして手を止めると真向かいのヒースクリフに問う。

 

「さて、いるかもしれない。人事などは他の者に任せっきりでね。」

ヒースクリフは眉一つ動かさずに答える。

 

「聖騎士どのは痴呆が始まっているのではないか。聞くところによるとつい先日までそちらの副団長の護衛であったとか。それなりに上の者であるはずだが」

 

 

「ああ、彼のことか。そうだったかもしれない」

ヒースクリフは思い出したように肩をすくめる。

 

「その者は棺桶に内通していた。棺桶への入団の儀の写真も残っている。あれを配れ」

ミルローゼが指示すると、カスミとアンジェラはテーブルにいるプレイヤーに資料を配る。

 

ルクスが隠し撮りしたもので、クラティールがギルドマークのタトゥーを入れている瞬間と、PoHや先日牢屋に入ったラフコフの幹部と飲み交わしているところなど複数枚の写真が資料に載っていた。

 

「残念だが、私のところまでそのような情報は届いてない。彼が犯罪ギルドに加担していたことが事実であるならば驚きだ。」

ヒースクリフも資料に目を通したが、知らないという回答は変えなかった。

 

「そちらの団員のクラディールとゴドフリーは同日死んでいる。生命の碑にはプレイヤーによる殺害と記されている。」

 

軍、連合のプレイヤー達の嫌疑の目はヒースクリフに移っていた。

 

「そういえば、先日団員が二人死んだという話は来ていたな。しかし、オレンジはラフィンコフィンだけではない。私が詳しく知るわけではないがラフィンコフィン討伐が終わったあとに他のオレンジに襲われたのかは不明だが」

 

「その場には副団長の閃光と黒の剣士もいたことは調べがついている。いま、副団長はどちらに」

 

「休職している」

 

「理由は」

 

「ハネムーン中だ。今呼び出せそうにはないな」

 

「副団長でなければ黒の剣士から証言を請け負ってもらう。あれはもう騎士団の人間ではないのだろう。人の口に戸は立てられまい」

 

 

ヒースクリフは黙った。

 

 

「血盟騎士団だけではなく棺桶所属、内通していたプレイヤーの名簿がある。我々を疑う前に残りの膿をこの際、全て出しきったらどうだ。」

 

ミルローゼは内通者リストの束をテーブルの上に投げ置いた。

 

軍、聖竜連合のプレイヤーは冷や汗が流れ始めていた。

 

パチ、パチ、パチ

そんな中、ヒースクリフは拍手をしていた

 

「君たちの働きは素晴らしい。しかし、諜報員のうちの一人はオレンジにもなっていた。それはいくら情報を引き出すとしてもやりすぎではないかね?組織として身の潔白を証明するために一つ任務を遂行してもらいたい」

 

「何だ」

 

「既に75層の階層ボスの部屋が見つかっていてね。エンドワールドには偵察をしてもらいたい。」

 

「ギルド設立したときに階層攻略にも参加すると宣言してたよな。活躍できる場所を用意してやったんだ。喜べよ」

軍のプレイヤーは皮肉を込めて言う。

 

「我々は2層で階層攻略した。一万人のうち百人分の働きは済ませている」

 

「今は生存者およそ六千五百人だ。あの時よりギルドの人数が増えているだろ。もう一回は働いてもらわんとな。いいじゃないか、ボスを倒せと言ってるんじゃなくて少し、様子見てこいって言うだけだぞ。偵察なんかで死者が出たり、逃げるようならそれこそ笑いものだな。」

ヒースクリフに聖竜連合のプレイヤーは便乗する。

 

ミルローゼは険しい顔になっていた。

 

 

15:00

 

魔王城 会議室

 

「───という訳だ。調査隊を編成して偵察してこい。HPバー、攻撃パターン、予想攻撃力の情報を攻略組はご所望だ。」

ミルローゼは不機嫌さを隠すことなく、目の前に呼び出した男に命令した。

 

「魔王様、原作資料には目を通されていると思いますが、75層ボス部屋は結晶無効化エリアでドアが一度閉じるとボスのアクティブが切れるまで開かない仕様になっています。逃げ場なんてありませんよ」

会議室に呼び出されていたヴァイリ

 

「あの場で偵察を断る方が不自然だろう。お前の原作知識というのやらでどうにかしろ」

 

「スカルリーパーの鎌一撃でも喰らえばHP全損してしまうっていうのに。」

 

「人選はお前に任せる。偵察隊にはリリオも同行させる」

 

(リリオは戦力じゃなくてお目付だろ・・・)

「分かりました。どうにかしてみましょう、ただし絶対に安全な状況を設定して可能なレベルの情報だけ収集するので」

ヴァイリは内心毒づきながらも了承した。

 

「ああ、それでいい。あとはお前の原作知識で、面倒なクエストこなしたあとにNPCから攻略情報仕入れたことにしとけば連中も納得するだろう」

ミルローゼもヴァイリがやると言ったのであとはどうでもいいといったように適当に返事した。

 

「分かりました。装備と編成に取り掛かります。」

ヴァイリは一礼して踵を返す。

 

会議室を出たあと、ヴァイリはしばらく歩いて、キョロキョロと周囲を確認して廊下に他に誰もいない事を確認すると、

「まったく、面倒事持ってきやがって。くそっ!(ガンッ)痛っ!」

彼はの怒りも爆発して近くの壁を思いっきり蹴ったが、壁にはイモータルオブジェクトの表示が出て蹴りは弾かれるだけだった。

 

「無理に決まってるだろ!原作だと攻略組プレイヤーでも、ひと斬りで一撃死してたじゃねえか。おまけに結晶無効化エリア、一度閉じたら開かない扉。スカルリーパーの偵察とか死亡確定だろ」

人目が無いことをいいことにヴァイリは好き放題に鬱憤を晴らすかのように当り散らす。

 

「スカルリーパーの偵察に行くのか?」

「うおっ!」

自分以外の発言にヴァイリはビビる。彼が振り向くとクロンがいた。

 

「気配消して近づくなよ。驚いたじゃないか」

 

「それはすまない。それよりも偵察はこのギルドで行うのか?」

クロンは詫びれた素振りもなく質問する。

 

「ん、ゴホン。何でもない、適当にはぐらかしてそれっぽい情報を攻略組に提供すれば済む話だ。こんなことにマジになる必要なんてないぞ」

ヴァイリは咳払いをして冷静を装う。

 

「私も偵察に参加してボスを見てみたい。」

クロンはぐいっとヴァイリに近づいて迫る。

 

「いや、待て。クロン。今回は危険すぎるからダメ。絶対ダメ」

ヴァイリは両手を前にして制する。

 

「危険なくらい強いのだろう?レイドモンスターには飽きた。階層ボスと戦いたい。」

クロンがヴァイリの制止を無視してさらに一歩近づく。

 

「強いとかの問題じゃなくて今回のは無理ゲーってやつ。」

ヴァイリは一歩下がる。

 

「無理を可能にする。高みを目指す者として当然挑むべきだろう」

さらにクロンは一歩迫る。

 

ヴァイリがさらに一歩下がると、ゴチンと頭が壁にぶつかった。

 

クロンはヴァイリが許可してくれるまで一歩も退こうとしなかった。

 

「はあ、もう勝手にしてくれ・・・」

ヴァイリが折れるとクロンは右手でガッツポーズを取った。

 

喜々とクロンが去ってからヴァイリは壁に背中をすりおろすようにズルズルと座り込んでいった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。