エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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5話 2022.11.9 分担とネズミと鍛冶見習い

朝、転移門広場に来ると昨日よりもレクチャー目当てのプレイヤーの数が多くなっていた。片手剣と曲刀のプレイヤー達はクロンとカーラに任せた。

 

「槍やレイピアを装備にしている方たちはどうしましょう?」

 

「経験者がいればその人たちが中心となって武器の振り方とかを教えてもらおう。俺たちはソードスキルの発動の仕方とかゲームシステムに関することを教えることに専念しよう。」

エリスと分担を話し合う。

 

槍のプレイヤーの集まりに行くと既に素振りの練習をしていた。

「はーい、そこ!長物の重量に頼らない。ちゃんと振り下ろす!」

棒術を教えてる道着を着た少女がいた。右手に薙刀を立てて、左手は手抜きしてるプレイヤーをビシッと指さした。

 

「槍の指導、君がしてるの?」

 

「ええ、そうよ。槍を持ってるのに一度も振ったことが無いなんて言う人ばっかりだったから見てらんなかったのよ。」

 

「ありがとう。棒術を教えられる人がいなくて困ってたんだ。」

 

「あなたも向こうで武道を習ってたの?」

 

「剣道と柔道、あと少し合気道をやったくらいかな。」

 

「へー、そのうちぜひ手合わせしてみたいわね。」

 

「機会があれば。しばらくの間、ここで槍の使い方教えてくれるかな?」

 

「お安い御用よ!教えがいがある連中ばかりで楽しいわ。ただ、おいしい料理の情報を知ってたら教えて欲しいの」

 

「この街のレストランはだいたい把握してる。連絡するためにフレンド登録しておこう。俺の名はヴァイリって言うんだ。」

 

「リラン、それがこの世界でのわたしの名前よ」

槍など長い武器に関してはリランという薙刀経験者がいたのでその人に任せることにした。

 

 

レイピアを持っているプレイヤー達の中に一人動きが様になっている女子がいた。

「君、レイピアの振りがちゃんと出来てるね」

 

「…フェンシング…小さい頃から習ってた」

 

「他の子に教えることできる?」

 

「お話するの…苦手…」

 

「簡単なことから話せばいいよ。構え方とか、前への突き方とか。難しかったら素振りを見せるだけでも頼む。」

 

「…わかった」

 

「何か困ったことがあったらいつでも連絡して。俺がヴァイリで」

 

「エリスです」

 

「ケティア…」

ケティアとフレンド登録して他のグループへ移った。

 

次に訪れたのが短剣を持っているプレイヤーの集団

 

すでにデュエルをしているプレイヤーがいた。二人とも短剣を使っている。片方は体を回転させたりわざと大振りにしたりしている。

 

「おお、アタロだ。」

 

「アタロってなんですか?」

 

「ライトセーバーの剣術。普通の剣だと筋力値が足りなくて上手く動けなかったから短剣使ってるんだろう。」

映画の動きを再現できている。とても練習したのだろうが、残念なことに振り回しているのは短剣だから凄みが無くなってしまっている。もともと間合いを大きく見せるための剣術だから攻撃範囲が分かってしまえば対処は容易となるだろう。勝負は、堅実に短剣を扱うプレイヤーが大振りになった隙を突いて勝った。

 

「短剣の使い方に慣れてるね。」

 

「えへへ、サバイバルやトレジャーハンターに憧れてて、その時にナイフでの護身術もやってたの。あくまでも熊や猪とかへの対処なんだけどね。」

茶髪の子は照れ臭そうに言った。

 

「何か困ってることはある?」

 

「困ってるというか要望かな。街の外に出たいんだけれど一人だと危ないようだし、一緒に行く人を探してるのよ。上手く人数集まらないんだけどね。早く冒険したいんだけどなー。」

 

「もう少ししたら初心者用のマニュアルみたいなのが作られるからそれを読めば外に出てみたくなる人も増えるかもしれない。」

 

「ふーん、そうなんだ。じゃあもうちょっと待ってみようかな。」

 

「できればしばらくここでその護身術というのを短剣持ってるプレイヤーにちょっと教えてやって欲しいんだけどいいかな?構え方とか突き方だけでもいいから。」

 

「うん、いいわよ。と言っても私だってサバイバル入門とかに書かれてることを見よう見まねでやってるだけなんだけどね」

フレンド登録するとフィリアと書かれていた。あー、ホロウフラグメントの子かー。まさか・・・75層以降も続くフラグ?あのゲームのボスの事もう覚えてない・・・どうしよう。

 

不穏な可能性をあまり考えたくないので反対に向き直ると鋭い目をした女性が立っていた。年上っぽい。

「アタロの人も良い筋してるよ。レベルあげて筋力値上げれば普通の長さの剣も今の動きで使えるよ。」

 

「ほう。我の剣技を理解するとは、お前も力を持つものか?」

ん?これは・・・ロールプレイ?

「いえ、俺はそういうのはない。多分。」

 

「ふむ、そうか。我が名はミルローゼ、じきに魔王となるものだ。覚えておくといい。」

 

「ああ、じゃあフレンド登録お願いします。」

 

「ふむ、この〇ボタンを押せば良いのか?」

 

「ええ、そうです。何かありましたら連絡お願いします。魔王様はそのキャラでいいので?」

 

「お前は無粋なことを言うな。ゲームであれば憧れの魔王をやってもいいだろう。そうは思わないか?」

 

「仰せのとおりです」

彼女の流れに乗ってしまった。まあ本人が良いというなら良いのだろう。

 

盾を扱うプレイヤーは俺が持ち受けることにした。

「どんどん決まっていきますね。」

 

「みんな何から手をつければいいか分からないようだ。タスクを持ったほうがしばらく行動目的ができるからね。」

 

12:30

戦闘の練習は午前中に終わり、午後は自由行動になっている。クロンと一緒にレストランを散策しているとβテストで見覚えのあるどっかの夢の国から訴えられそうなマークが裏路地の入口に書いてあった。

「ちょっと行ってみよう」

クロンに裏路地の方を指差すとこくりと頷いてくれた。

 

光の入らない裏路地を歩いていくと不意に声がかかった

「やぁやぁお若いお二人さん。カップルカナ?オレっちに用があるからここを通ったんだロ?」

 

「こんにちはねずみさん。まだ始まって数日しかたってないのに高いハイド率ですね。」

 

「おっと、『ねずみさん』と呼ぶことはリー坊かイ?ニハハ、情報屋というのは人気者でネ、隠蔽は肌身離さず持っとく商売道具なのサ。リー坊と一緒にいるっていうことはルー坊、いや、ルーちゃんカ。」

 

「・・・」

 

「ニャハハ、βテストと同じ警戒感、ルーちゃんは変わらないネ。デ、今日は情報を提供してくれるのかナ?買いに来たのかナ?」

 

「人脈あるねずみさんだったら攻略本あたり作ってくれないかなと思ってね。いま広場でレクチャーしてるプレイヤーたち向けの戦闘マニュアルみたいなのを作ってないかな?」

 

「オー、随分と鼻が良いネぇ、リー坊。明日からアイテム屋に積んでおこうと思ってたんだヨ。」

 

「サンプルを見たいな。500コル位でどうだろうか?」

 

「ニヒヒ、毎度ありー」

アルゴは素早くメニューウインドウを動かす。俺の前にアイテム売買のウィンドウが開く。躊躇なく○のボタンを押す。

「どうも。あと、今はヴァイリっていう名前なんだ。また何かあったら連絡する。そのうち大きなとくダネも持ってくる。」

 

「オー、それは楽しみダねぇ。」

アルゴにフレンド申請して承諾してもらった。

 

 

「!誰だ」

クロンが何かに気づく。裏路地の角から「ひっ」と小さく悲鳴がして走り去る足音がした。

 

「盗み聞きされていたかもしれない。」

 

「反対から回って。次の路地で挟むから。」

指示するやいなやクロンは反対方向へ走っていった。俺は咎人の逃げた方向へ追いかける。あれが走っていった先は運悪くも袋小路だ。街に慣れてない初心者なんだろう。

 

 

 

俺たちに挟まれたプレイヤーは女の子だった。クリーム色の髪をしているあたり外国人のようだった。

 

「Прекратите!  Не слышал ничего !」

彼女は涙目で手を胸に当てて必死に訴えかける素振りをしだした。

 

「なんと言っているのだ?」

 

「〔やめて!何も聞いていないんです〕だって」

 

「聞いていたということだな。ここで切り捨てるべき。」

クロンは凄みをきかせてゆっくりと剣を抜く。

 

「わー待って!分かりましたすみません。だからお命だけはご勘弁を~」

今度は綺麗なジャンピング土下座を決めた。圏内ではデュエルでもしない限り死なないのにクロンもはったり上手くなったな。いや、構わずに剣を抜いてるだけかもしれないが。

 

 

 

「私こういう髪だから目立っちゃってリアルでも誰かと行動することが苦手で、一人でこの街歩いてたら迷子になってしまっていたということなのです。」

3人でパスタの店に入る。他にプレイヤーはいない。またしても外国人(ハーフ?)か。遭遇率高いなあ。

 

「パーティーを組まずにひとりでできることとなると生産職かな」

 

「生産職?」

 

「鍛冶とかアイテム作りとか、需要が高いのは武器絡みの鍛冶になるけど」

 

「私、剣を作ったりしたことなんてないよー」

 

「何事も初めてというのは存在するものだ。この街にもレンタル鍛冶工房がある。まだ鍛冶に興味持ってる人も大していないから貸切状態で過ごせると思う。」

 

「じゃあ鍛冶スキルとってみようかな。どうすれば取れるの?」

ウィンドウの開き方も知らなかったようでメニューウィンドウの使い方を教えた。

 

「鍛冶工房はこの街のマップの赤く示したところで宿屋は緑色の点のところ全部だ。何かあったら連絡しよう。」

 

「わかったよ。Спасибо!また会おうね~」

食べ終わっていたようで早速鍛冶屋に行くらしく店を足早に出て行った。

 

フレンド欄を確認するとレインという名が追加されていた。ロストソングっていうゲームに出てたあの子か。これで原作ヒロイン2人目だ。

 

「あの子はアルゴとの会話を聞いてた疑いがあるのではないか?」

ずっと黙っていたクロンが口を開く。

 

「スキルの取り方以前にウィンドウも開けなかったようだから問題はないだろう。あの距離だと聞き耳スキルをそれなりに上げとかないと話の内容までは聞き取れない。」

 

「…いいのか?ネズミにβテスターであることを言ってしまって」

 

「あの人はそこんところのプライバシーは配慮してくれる。貴重なβテスターが攻略に参加しなくなったら一気にゲームクリアが遅くなるからね。あの人だってβテスターなんだし」

なんせβテスターはこれから半分以上死ぬし、1層ボス戦でビーターが生まれる。そうすればもうβテスターであること自体大した問題でなくなってくる。アルゴの攻略本を開き、迷宮区までのルートについて考えながら、ペスカトーレのエビを口に入れた。

 




ロシア語文法わからない
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