エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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今回執筆しながら聞いてた曲 ♪

アニメ、七星のスバルより Seven Sense of the Re’Union
h ttps://www.youtube.com/watch?v=1LyFpeLP788

h ttps://www.bilibili.com/video/av33754591/?p=2
勇者御一行の出立を感じさせる曲



66話 2024.6.22、24 RE:START

 

2024.6.22

 

14:00

 

55層 魔王城 会議室

 

Side 3人称

 

臨時の班長会では各班の班長と副長、本部の人が集まっていた。

 

「───以上の調査より、1層地下ダンジョン下層は経験値効率がとても高くなっている。攻略組は上の階層しか見てないから盲点となっていることから独占は可能だ。」

ミルローゼが探索班のまとめたデータを発表する。

ヒースクリフから与えられた条件に適した狩場として黒鉄宮の地下ダンジョンが選ばれ、アニエス達に調査を指示していた。

 

攻略組のような上位プレイヤーがわざわざ一層まで戻ってくるような機会もないので、地下ダンジョンはプレイヤーの寄り付かないスポットになっていた。

 

「今から攻略組に追いつけるの?」

 

「リリエラっていうモンスターに付け狙われるならレベリングしたほうが良さそうじゃない?」

 

「ウチは参加したくないなあ」

 

「ここまできて探索中トラップなんかで死んじゃったら意味ないじゃない」

参席している班長達は隣同士で物議する。

 

「発言いいですか?」

エリスが手を挙げる。

 

「許可しよう」

ミルローゼが頷く。

 

「はい」

エリスは立ち上がって一旦目をつむり、深呼吸してから決意したかのように見開く

 

「私は大学生にもなってゲームばっかりしているゲーマーです。ゲームなんてただの遊びですし、命をかけてまでするものではないでしょう。しかし今、必死にゲームを攻略している人たちの背中を見るだけなんて耐えられません。みなさんは十分に戦える力があるのに協力しないのは非情だと思います!」

 

エリスの言葉に一同は注目する。

 

「ここまで皆さんが努力してきた戦闘技術、レベル、スキルを活用する時が来たんです。今でも下層、中層で日々死者が出ている中、私たちの力でゲームクリアを早めることが出来ます。戦いましょう、協力すればどんな敵でも私たちは打ち勝つことができます」

 

「よく言ったわ、エリス。わたしたちには実力があるのに籠城なんてカッコ悪いだけだわ」

アニエスは立ち上がるとエリスに賛同する。

 

「可愛い女の子の涙は見たくないからね。わたしも協力するよ」

アジュールは片目でウインクをして、エリスを支持する。

 

「攻略に参加するなら私たちも情報収集は出来る範囲でしよう」

ミルローゼから攻略へ方針転換することを聞いているラーチェが言う。

 

「攻略に参加できるのかな?」 「勝てるならやってもいいんじゃない?」

「ボス戦に参加しなくてもレベルは上げないといけないし・・・」

班長たちも流れで攻略に参加する気になっていく

 

「ふん」

その中でもエクレールは面白くなさそうな顔を浮かべ、隣に座っているイブも冷めた目で会議を見ている。

 

「よろしい、ではエリスには今後前線攻略の戦術調査のため、ボス戦に参加する部隊の隊長となってもらう。」

参加者たちが攻略ムードになったところでミルローゼがエリスに指示する。

 

「ええっ!わたしがですか?」

いきなりのことにエリスは驚く

 

「一番攻略に意欲を見せているものが適任だろう。是非皆を引っ張ってくれ」

ミルローゼが当然のように言う。

 

「よっ。エリス隊長!」

アルシエが合いの手を入れると拍手が起こる。

 

「えっ、いえいえ、どーもどーも。ゴホンッ、では攻略組参加の隊長として尽力つくさせていただきます!」

周囲からの期待の目線が集まり、頭をぺこぺこしていたエリスもその気になり姿勢を正した。

 

 

~会議後~

 

本部の人とヴァイリ、トトナが会議室に残り、ヴァイリから呼ばれたクロンも合流して話を続けていた。

 

「エリスが全部持っていったな」

ミルローゼは椅子の背もたれにもたれかかっていた

 

「しかし、彼女の演説で皆やる気になったのは確かですよ、魔王様」

長机に腰掛けていたヴァイリが言う。

 

「我は構わん。前線で戦うのはお前たちだからな」

ミルローゼは他人事のように言う。

 

「魔王様ひどい」

 

「組織内で死者が出たら士気に関わるわよ。絶対全員生存で帰ってきなさい」

アンジェラがヴァイリに言う。

 

「75層以降、スカル・リーパー並みのボスが続いているようだからその保証はできない」

ヴァイリは首を振って答える。ヴァイリ自身が知らないボスが続いて出てきていることも懸念だった。

 

「これで私も思う存分にリリエラというのを斬れる」

クロンは満足そうな顔をする。

 

「いや、クロンはリリエラとの戦闘に参加しちゃダメ」

すぐにヴァイリがクロンの出鼻をくじく事を口にする。

 

「何故だ」

クロンは恨みがましくヴァイリを睨む

 

「リリエラがヒースクリフの言うとおり100層ボスなら途中で起こるイベントは全てイベント戦闘扱いだから完全に倒すことはできないんだ。その間にクロンの技が奴に学習されては誰も対処できなくなるよ。既にカーラの剣術は学習済みのようだし」

 

「むぅ」

頬を少し膨らませながらも引き下がる。

 

「斬るお楽しみは最後までとっとけ」

 

「エリスが率いる前線階層部隊はあくまでも上層階にリリエラを引きつけとくための囮部隊で、主力はずっと地下ダンジョンでレベリングする手筈よ」

リリオが言う。

 

「主力部隊をまとめるのはトトナ、お前の役目だ」

ミルローゼがトトナに目線を移す。

 

「はい、心得ています」

トトナは軽く頭を下げる

 

本来ゲームは攻略本無しでダンジョンのヒントなどを集めてボスを倒していったり話を進めるものでありヴァイリのこれまでの攻略情報ありきでゲームをしているスタイルを変える必要があった。エンドワールドは真に“ゲームをする”ところに来ていた。

「“他人のやっているRPGを傍から眺めるほど詰まらないことはない”か」

ヴァイリがぼやく

 

「なんだそれは?」

ミルローゼは眉をひそめる

 

「キリトが茅場の正体に気づいた時に本来言うはずだった言葉ですよ。これから言うかもしれないけど。自分は班員室に行ってエリスと人選考えてきます」

 

ヴァイリは会議室を出ると教導班の班員室へ向かった。

 

 

~教導班 班員室~

 

ヴァイリが部屋に入ると、班長席にエリスが突っ伏していた。

「うう~」

 

「どうしたんだ?エリス部隊長様。」

ヴァイリはからかい半分で呼ぶ。

 

「つい勢いで受け持ってしまいましたけど、こんな大役わたしにできるのでしょうか?」

エリスは頭を抱えて唸っていた。

 

「エリスは充分強くなっているし、ギルド全体も見てきてる。妥当な配置だと思うけど。リリエラのターゲットになった俺も、もちろん部隊に参加するよう言われてるし」

 

「あはは、ヴァイリさんこれからもよろしくお願いしますね。」

 

「こちらこそ。今回の部隊を作るにも、リリエラの性質には気を付けないといけない。高度AIだとしたらこちらの動きを学習してくる。」

 

「リリエラに学習能力が?」

 

「あれはあるな。最後、カーラの動きを見切ってた」

ヴァイリはヒースクリフの言っていたことを思い出す。

 

「どう対処するのですか?」

 

「第一候補はリリエラが使わない武器の人で集める。」

 

「斧のプレイヤーとかだったら片手剣を使うリリエラはソードスキルで真似ることはできないですね。そういった方ならリリエラは動きを学習しても彼女の技の参考にならないと思います・・・」

エリスはギルドの名簿を開く。

 

エリスとヴァイリが名簿の名前に目を通しているとドアが開く。

 

「ヴァイリ、聞いたわよ。リリエラを倒すんでしょ。わたしも混ぜなさいよ」

部屋に入ってきたカーラはすぐに部隊への参加の意思を示した。

 

(カーラの技は既に覚えられてるし、これからもいて大丈夫だな)

この前の戦いに参加していたカーラの技はリリエラに学習済みであるとヴァイリは判断した。

「よし、カーラ参加決まり」

ヴァイリは即決した。

 

更にドアから人が入ってくる。

 

「攻略部隊志願で来ました。皆さんにはご迷惑おかけした分、あの悪魔を私の手で打ち取らせてください」

ルチアがスタスタと歩いてくると、エリスの前で志願した。

 

「待って、ルチアが行くなら私もついてくわ。心配だし」

アネットがルチアのあとに続いて入ってくる。

 

「じゃあアネット姉妹も参加っと」

 

「はい、アネットさんと、ルチアさんですね。あっ、そういえばノエルも武器はハルバードでしたね。」

エリスは部隊仮組みのリストにルチアの名前を書いた直後に、思い出したかのようにノエルの名前を挙げる。

 

「あの子も参加してもらいましょう。防御でしたら期待できます」

エリスは更にノエルをリストに書き加える

 

「このくらいの人数でまずはいいんじゃないかな」

ヴァイリもリストを一目見てから頷く。

 

「では、仮組みの名簿をミルローゼさんに提出してきますね」

 

 

 

 

 

 

2024.6.24 

 

10:00

 

魔王城の会議室では攻略参加部隊の結成式が行われていた。

 

「エリス以下、8名。本日より階層ボス攻略に参加します」

 

「うむ、お前たちの活躍を期待しているぞ。」

エリスの報告にミルローゼは激励する。

 

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参加していたメンバーからエリス達に拍手が送られていた

 

「わーい、ベティちゃんと一緒のチームだー」

 

「エヴェイユさん、これからよろしくお願いしますわ」

エヴェイユとベティは両手をつないでいた。

 

「うわーん、エリス~。なんでこんな部隊にわたしの名前が入ってるの~」

ノエルはエリスの服の袖を掴んで嘆いていた

 

「ノエルの実力に見合ってますよ。これからも生き残るためにビシバシ鍛えていきますからね!」

エリスはいい笑顔をして答えていた。

 

「大丈夫だよ、ノエルお姉ちゃん。あたしがどんどんモンスターさんをやっつけて守るよぉ」

エヴェイユがノエルの近くまで来ると励ます。

 

「うう、お姉ちゃんならエヴェちゃんを守る立場のはずなのに守られるのはちょっと複雑・・・」

ノエルは納得のいかない表情を浮かべていた。

 

 

「ルチアを守るためだからってあんまり無理しちゃだめよ」

カーラは片目をつぶってアネットに釘を刺す。

 

「カーラも戦闘に夢中になって深追いとかしないようにね」

アネットもカーラの悪い癖を指摘する。

 

「大丈夫です!カーラさんも姉さんの手も煩わせないように私が完璧にモンスターをやっつけてしまいますから!」

そんな二人にルチアは胸を張って言う。

 

「わたしはあんたが功を急いで暴走しないか心配になってきたわ・・・」

「妹とはいえ、私もちょっと不安だわ・・・」

ルチアの自信満々な態度を見た二人はげんなりとした表情を浮かべていた。

 

ベティはヴァイリに近づくと、耳元で囁いた。

「この部隊、本部でなんて呼ばれてるか知ってますか?」

 

「何だ?」

ヴァイリが知らなそうに言うと、ベティはにやにやとして言う。

「スケープゴート隊ですわ」

 

「生贄ね・・・」

実際リリエラをひきつける役割だからあながち間違ってもないようにヴァイリは思った。

 

 

 

攻略組も滅多に来る機会のない黒鉄宮地下ダンジョン深部という新しい狩場でエンドワールドはレベリングを続けていく。

 

 

 

 




スケープゴート隊(名称はSAOクリア後まで本部以外非公開)

エリス 隊長
ヴァイリ 副隊長
ベティ 連絡員
カーラ アネット ルチア ノエル エヴェイユ 

部隊章 羊の着ぐるみを被った牧羊犬 (SAOクリア後にデザインされる)
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