エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
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「まだこれからよ!」
リリエラが一閃すると部屋全体を風圧が襲う。
「皆さん、落ち着いてください。形態変化の演出です。強化されていますがセオリーを変えずに対応しましょう」
エリスがアドバイスする。リリエラの衝撃波攻撃によって一度隊列が崩れたが、大きな混乱もなく体制を立て直す。
「代わる代わる攻撃を繰り返してくる・・・!小賢しい!」
リリエラは近くから斬り始めるが死角からも攻撃がくる。全てを防ぐのは動きが速いAIでも無理だった
「何だか冷静さ無くなってる分、さっきより戦いやすいんじゃない?」
カーラが口に漏らす。
事実、リリエラのパラメータは強化されているが、動きは乱雑になっていた。余裕の無くなった人を演出しているかのようだった。
「私の命が……おのれ!諸共消してやる!」
「NPCのくせにごちゃごちゃうるさい!」
リリエラの咆哮に対するかのようにリーネが怒り出す。
「一人にしちゃった母さんに謝らなきゃいけないのに、私の前に立ちふさがるな!只のゲームデータが」
リーネが怒気迫る勢いでリリエラに槍を突き刺す。
「あはは、そんなにママのミルクが恋しいのかしら、槍の子羊ちゃんは」
「黙れっ!お前達のくだらないお遊びのせいで2年も無駄になった。それだけ母さんを悲しませたてしまった。あなたをここで殺して現実に帰る!」
リーネがリリエラの肩を串刺しにして槍をねじる
「がぁっ!おのれぇっ!」
「ぐっ!」
リリエラも仕返しとばかりにリーネを斬る
「お前に仲間を討たせない!」
さらに追撃するリリエラとの間に全身甲冑のエルミラが割って入る。リーネとリリエラが距離をとるときに槍の穂先が折れる。
近くにいたメンバーが半分以下のHPになったリーネを守るように囲む
「焦って突出するのは奴の思う壺よ、じわじわと追い詰めて」
ティールはリーネにポーションを手渡す。
「・・・分かってる」
リーネは歯噛みしながらも答える。
「槍の子羊ちゃんの武器は壊れたわ。いいざまね(ドガンッ)ぐはっ!」
リリエラの肩口が爆発し、彼女の左腕が吹き飛ぶ。
「ミネルアが作った爆破鏃よ。」
リーネの槍は折れたのではなく意図的に折ったものだった。リリエラの左肩は欠損して、断面が赤いポリゴンとして光る。
「お見事です、リーネ。片腕を失っている今がチャンスです。攻撃バフをかけるので総攻撃を!」
トトナがギルドフラッグの鼓舞スキルを使う。
その後もエンドワールドのヒットアンドアウェイに晒され、リリエラのHPゲージは残り1本まできていた。
「そろそろ大丈夫か・・・クロン、出番だ」
ヴァイリが合図すると、クロンは走り出した。
クロンの突進に合わせて包囲が一部割れる。
「緋吹雪」
走りながら刀を鞘から抜き出したクロンはスキルを発動する。
「また新手!」
リリエラはクロンの刀を受け止め、反対側から切り返そうとする
「その動きは知っている。“ヴァイリの破折”だ」
クロンは見切ってリリエラの剣を叩き落とす。そして、紅い斬撃が吹き荒れる
「リリエラ、貴方は模倣しか出来ていない。しかし、貴方の技は私には全て見切れる」
「数々の精鋭を取り込んだのに、まだこんなものが控えていたなんて!」
「貴方がラーニングする前に仕留める。あと、言っておくがヴァイリは私のだ。誰にも渡さない」
クロンは連撃でリリエラを切り刻む。
「がっ、がはっ!」
リリエラの最後のHPバーもごっそりと削れ、胴体は床にバタリと倒れ伏した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
体中にダメージエフェクトの切り傷まみれになったリリエラはひざをつき、右手の剣で体を支え起こす。
HPは残り1ドットまでに減っていた。
満身創痍になって動くこともままならないリリエラの前にヴァイリが立つ。
「悪いがあっちに帰ってやることが大量にあるんだ」
左手でリリエラの首元を持って固定すると、胸に刀でグサリと突き、トドメを刺した。彼女のHPバーはゼロになり弾け飛んだ。
「そうなのね、愛しいヴァイリ、あなたは私よりもその世界を選ぶというわけね。結局私の憎悪はあなたには届かなかったみたい」
リリエラはヴァイリの隣にいたクロンをちらりと見て、敗北を悟る。
「ヴァイリ。近くに来て、いいものをあげるわ」
リリエラの右手が光り、ヴァイリに手渡そうとする。周りは罠ではないかと身構える。
「ふふ、そんなに警戒しなくても今更抵抗なんてしないわ。最後に私の気持ちを受け取って。」
ヴァイリは恐る恐る手を伸ばして受け取る。すると、彼のインベントリに武器が1つ追加された。
「これは・・・」
「破壊の剣、エンドカオス・オーレオールよ。私の心が宿るこの剣をあなたにプレゼントするわ。確かに託したわよ。私の愛しい人よ」
リリエラはそう言うと、他のモンスターと同様、ポリゴン片となって砕け散った。
リリエラとの戦闘が終わった客間は明かりが弱々しく消えて行き、暗くなる。そして、ガタンと外へ出る扉が開く。
「じゃあ、こっちノルマ終わったんで帰ります。残りのポーション渡すから頑張ってください。」
ヴァイリがそう言うと、エンドワールドは戦闘エリア境界から余っていたポーションをゴロゴロとヒースクリフ戦の行われている玉座の間に置いていく。
「おいっ!加勢してくれるんじゃないのかよ」
クラインが抗議する。
「いや、だってレイドを49人以上でやったら人数オーバーペナルティつくし。そんなことしたら防御下がって一撃死になるよ?だから後のことはそっちでやって。魔王様、時間がないので急ぎましょう。」
「そうだな。では最後の任務だ。各自、持ち場に急げ!」
『『了解』』
ヒースクリフ戦が続く中、エンドワールドのメンバーは全員紅玉宮から出ていった。
悪魔は その力をもって 大地に死を降り注ぎ やがて死ぬ