エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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アスカエンパイア書かれてる作品探したけど、二次創作も含めて少なすぎ・・・
シスターズプレイヤー、クローバーズリグレットも参考にしましたが、地名、ゲームシステムなど独自設定多め注意



81話 2024.11.22 帝の世界

2024.11.22

 

Side  3人称

 

 

耳無山(みみなしやま) 山頂

 

「ジャルオオン!」

身の丈3メートルはある鬼型のモンスターが野太刀を地面に突き刺すと、直線状の衝撃波が地面を走る。

 

「来たわ」

「見切った」

カーラとクロンは横っ飛びに衝撃波を躱す。

 

 

「隙を作るぞ」

「いっけー!」

離れた場所からヴァイリとリュミルが術で放った、二つの火炎弾が鬼の頭部に直撃して仰け反らせる

 

「グルルルル」

鬼は脳震盪を起こしたかのようによろめく。

 

タタタタッ

鬼がひるんでいる隙にクロンとカーラが駆け寄り、懐へ入る。

彼女らの足元にスペルのアイコンが囲むようにして浮かび上がる。アスカ・エンパイア特有のシステムである《グラウンド・サークル》であり、セットされた剣技のアイコンを踏み込む。

 

刀がオレンジ色に光り、連撃が繰り出される。

 

剣士二人の剣技が鬼に直撃する。

 

ジョブ転職クエストの鬼型ボス、悪路王(アクロオウ)の巨体は背中からドシンと倒れると青い炎で燃え上がり、四散した。

 

4人は転職クエストのボスを仕留めた。

 

「おつかれー、基本ジョブスキルだけで倒すの結構シビアだな」

「お疲れ様です♪といっても頑張ったのは前衛のクロンさんとカーラさんですよ」

ヴァイリとリュミルが合流し、4人で山の階段を下りる。一昨日からログインしている初動組は4,5人のパーティーに組み分かれ、ジョブ転職クエストを進めていた。

 

「これで転職できるのか?」

「クエスト完了報告してからね。剣士からだとパワー型の侍か、技能型の乙女侍ってところかしら」

クロンとカーラはスキルツリー図を確認する。

 

 

 

「おいおい、兄ちゃん。かわいい子3人も侍らせるとは良いご身分だねぇ」

 

「初期ジョブクエクリアのとこ悪いけど、アスカの厳しさをちぃーっとばかし分からせてやるぜ」

 

「ギャハハ!女の悲鳴聞けるじゃねえか」

4人が声のする方を見ると、階下からガラの悪そうな盗賊系プレイヤー達3人が登ってくる。

 

 

 

チラッ    コクッ

 

クロンが目線を配るとヴァイリは頷く。

 

タンッ

 

「おわっ!」 ゴロゴロゴロ

クロンがジャンプすると真ん中にいた盗賊に迫り、その両肩に足を乗せて蹴り飛ばす。勢いで盗賊は階段を転がり落ちる。

 

 

「クソアマが、舐めやがって」

右の盗賊がクロンに刃を振る。

 

「舐めてんのはあんた達でしょ。剣道有段者相手に喧嘩売ったこと後悔させてあげるわ」

カーラが刀を抜き、受け止めていた。そのまま切り返して反撃する。

 

クロンは抜刀術で残った1人を斬る。

 

「早っ」

「こいつらビギナーじゃないのかよ」

 

クロンとカーラは技能でレベル差をくつがえし、クリティカル攻撃でそれぞれ盗賊プレイヤーを倒した。

 

「ひ、ひぃぃぃ、冗談じゃねえ。相手にしてられっか!」

最初に蹴り飛ばされた盗賊は仲間二人がキルされたのを見て、這いつくばって逃げ出す。

 

「逃がさない」

「げべぇ!」

クロンは階下の男の背中へ飛び乗り、馬乗りの体勢になって男の首へ刀の刃をあてる。男はのしかかられて変な悲鳴をあげたが、クロンは構わず左手を峰に乗せて、両手で体重をかけて首を刎ねた。頭と胴体が分かれたアバターはHPが0になって霧散した。

 

 

「これがPKか」

「正確にはPKKだな、正当防衛だ。相手は初心者狩りのPKで、三下のようだったようだけど」

クロンは刀を鞘に戻し、ヴァイリが説明する。

 

ゲームでの死が現実の死であるSAOではタブーだったPKをクロンとカーラは初めて経験した。

 

「プレイヤー倒してもアイテム1つしか落とさないんですね。モンスター倒したほうがよっぽど効率いいんじゃないですか?」

リュミルが盗賊たちの消えた所にしゃがむ。

 

デスペナで落ちた盗賊たちの回復薬、素材アイテムの糸、手袋の3つが落ちていた。アスカエンパイアでのデスペナは死亡時に持っていたアイテム1つをその場でドロップするのと、6時間のログイン制限が設定されている。

 

「リアルだとできない人殺しする感覚とかが楽しいんじゃないの?本当クズよね」

カーラは両腕を組む。

 

 

「ここらへんにいるのがこいつらだけとは限らんし、皆にも拡散しとくか」

ヴァイリは初心者狩り警戒のメッセを送る。

 

 

 

 

4人の眼下にはキヨミハラの街並みが広がっていた。

 

 

───

 

エンドワールドでは課金アイテムの経験値ブーストでジョブ育成を進めている最中だった。課金出来る人は自腹を割いて、課金を躊躇してる人はヴァイリかミルローゼが送金して経験値ブーストを買わせていた。

 

メンバーはお金がかかっている意識もあることから、ブースト期間中入院生活の合間の時間を使ってSAO以上にレベリングに励んでいた。

 

更に、ヴァイリ達がアスカ・エンパイアにログインした初日に、エンドワールドのSNS各ぺージで鳥居での集合写真が掲載された。ログインを止められていたメンバーも家族との交渉で訴え、アミュスフィアを手に入れることができた。初動組の30人に加え、後続組も合流し、ギルドは60人程集まれるようになってきていた。

 

───

 

キヨミハラ 朱雀通り茶屋

 

ギルドホールを持っていないエンドワールドは集合場所を首都のキヨミハラの茶屋にしていた。

 

「やっと合流できましたね」

「会いたかったぞ、奥方」

 

「サナエ、フブキ。こちらに来れたのか」

後続組のサナエとフブキがクロンと会う。二人はまだ入門所のチュートリアルクエストをクリアしたばかりだった。

 

「拙者らも経験値ぶーすとなるものを受け取った。主、奥方の刃となるべく精進するぞ」

 

「奥方はよしてほしいと何度も・・・まあいい。サナエは竹刀ではないのか?」

 

剣士の初期装備を選んだサナエの懐にはSAOの時のように差していた竹刀ではなく、鞘に入った刀だった

「VRの道場で母に勝ったら免許皆伝を言い渡されました。これでわたしも帯刀できます」

 

彼女が竹刀を使っていたのは家からの縛りによるものだった。

 

「サナエが真剣を持つなら、それは心強い。また共に精進しよう」

クロンは頷いた。

 

 

 

 

「やっほー、エリスー!ログインできたよー」

店先まで来たノエルが手を挙げて声をかける。まだ入門所にも行ってないため初期ログイン時の町人服のままだった。

 

「ノエル、来ましたね。」

武士甲冑をつけたエリスが答える

 

「エリス、なんか武士っぽい!」

 

「これは兵法者というジョブですね。侍よりもスキルのバリエーション豊かなのですが、スキルごとに設定された使用の前提条件やダメージ増加の条件がややこしい面もあるので人を選ぶジョブです」

 

「なんか難しそう・・・」

エリスの説明を聞いてノエルは引く。

 

「ジョブはいっぱいありますからね。自分にあったものを選ぶのが一番ですよ。わたしでしたらいつでも相談にのります。」

 

「うーん、だったら罠とか仕掛けられるジョブもあるの?」

 

「あることはありますが・・・盗賊ツリーと術士ツリーの複合職ですね。はじめに戦闘しやすい盗賊を育てて、途中から術士も伸ばしていくのがいいでしょう」

エリスはジョブツリーを見ながら説明する。

 

 

 

 

「もしかして、グウェン?」

 

「ん?あんた、誰?」

リアルよりも長身のアバターにしたグウェンに黒髪の青年のようなプレイヤーが話しかける。

 

「ああ、そうだった。今アバターを変えたからね。ルクスだよ」

青年のようなプレイヤーはルクスを名乗った。

 

「えーっ!ルクス、あんたルクスなの」

グウェンは変貌ぶりに驚く。

 

「このアバターはクロ。あの浮遊城攻略組の黒の剣士を真似たんだ。あとは・・・もしここにもあの人達が来たら、リアルのアバターに近いのは危なそうだし」

 

「ああ、そんな気にするほどじゃないと思うけどね。あたしも身長とか伸ばしたけど。」

グウェンはポーズを取る。身長以外にもスタイルを良くするようにアバター修正をしていた。

 

 

 

 

「なんだよ、まだみんな2段階目ジョブまでしかいってないのかよ」

「シャサがログインしすぎなだけよ。程度をわきまえなさい。シャサのお母さんにアミュスフィア取り上げられても知らないからね。」

皆よりレベリングが進み、図に乗り出したシャサールをルチアは戒める。

 

「だってよー、経験値ブーストの有効期間1週間しかないからもったいないじゃないか。」

シャサールは他のメンバーよりも装備が整っていた。キガワを羽織り、火縄銃を背負っている。腰には鉈を下げている。鉈もレア装備でククリナイフのように刃に湾曲を持った意匠のあるデザインだった。

 

「で、そのジョブはなんなの?ヴァイリさんが言っていた火縄士みたいだけど。」

 

「へへーん、火縄士の更に上位職のマタギになってるんだ。本職のじいちゃんから直々に技伝授してもらったことあるし、あたしにぴったしだな。」

 

「おお。シャサールの鉈、親父の使ってるククリナイフに近いな」

褐色の肌のダナがシャサールの鉈に興味を示す。

 

「ダナの親父さんってなにしてるんだ?」

シャサールが聞く。

 

「グルカの誇り高い戦士さ。今はインド大使館の守衛をしているぞ」

ダナは自慢げに言った。

 

 

 

 

───茶屋屋内のテーブル

 

本部がアスカエンパイアでのギルド設立について話し合いをしていた。

 

「エンドワールドではない名前を?」

キーナがギルド命名の議題を聞いて、聞き返す。

 

「もう世界の終わりを目指してるわけではないからな。名前を改めたい。」

ミルローゼが言う。

 

「保安上の観点からも、現時点で他のSAOプレイヤーを刺激しないほうが良いわ。まあ、目立ってきたら私たちの正体はバレるでしょうけど」

アンジェラが説明する。

 

「じゃあ、エンパイアワールドとかどうかしら?」

リリオが案を上げる。

 

「安直・・・」

アルシエが呟く。

 

「“エン”という部分は継承できているわよ。それに、私たちの”帝”もいるし」

リリオがさも意味ありげに言う。

 

「フフフ、成程。我々の帝国をこの地に築くのも確かにいいな。その名、気に入った」

ミルローゼは上機嫌だった。

 

 

SAOギルド、エンドワールド改めエンパイアワールドがアスカ・エンパイアに設立された。

 

 




耳無山
藤原京の大和三山の耳成山がモデル

ジョブ転職クエスト内で、キヨミハラで深夜に僧侶が相次いで耳をちぎられる事件が起き、クエストボスとなる犯人の鬼がこの山の頂上に潜んでいる
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