エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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ツブヤイター ・・・ツ○ッター よくあるモジリ


82話 2024.11.24 Schutzstaffel

2024.11.24

 

 

Side興平

 

毎日のリハビリの甲斐あって、病院から限定的な外出許可が出るくらいまで回復してきていた。

他の皆も似たようなくらいまで回復しているので、SNSのツブヤイターでやり取りしている真天堂入院組とこっちの病院で入院しているメンバーとの顔合わせを計画した。

 

 

 

10:00

 

東都医科歯科大学病院敷地内

知と癒しの庭

 

 

トキワヤマボウシという木が3本並ぶベンチ周辺で松葉杖を傍らに置いて腰掛けたり、車椅子に乗った少女たちが20人ほど集まっていた。

 

「おお、主。現実で会うのは初めてだな」

先に広場に来ていた瑠希と話していた少女がこちらに気付く。髪をひとつに束ねたフブキこと織田(おだ) 吹雪(ふぶき)が松葉杖を傍らに立てかけて座っていた。

 

「やあ、フブキ。順調に回復していそうだな」

 

「主に仕える身としては、戦える体が資本だからな」

 

「まあ、VRなら別にリアルのコンディションは影響出ないと思うが・・・それに、織田ってあの武将の家だよな?」

直系ではないようだが彼女の家は、本人の目指している“侍”というよりも、かつて戦国時代に活躍した“大名”の血筋だった。

 

「先祖が大名であろうが拙者の目指すところが侍であるのには変わらん」

吹雪はきっぱりという。そこは曲げないらしい。

 

───

 

Side 3人称

 

「あら、魔王さま。こんにちは」

「みんな、会えばその一言から始めるのね。クレムリンでちゃんと素で話してるでしょ?」

黒髪ロングの少女が臼井の隣に座る。リリオこと継衛(つぐもり) 莉緒(りお)、ギルドでサブマスを務める少女が来ていた。

 

「いいじゃない。随分と暴君劇場に付き合ってきてあげたでしょ。」

「むぅ」

継衛に痛いところを突かれ、臼井は閉口する。

 

「魔王語だと意思疎通も大変なんだからゲーム以外ではその口調でよろしくね」

 

「はいはい、分かりました」

継衛の諫言に臼井は拗ねる。

 

「今日はこのあとクレムリンで集会の予定ね」

 

「ええ。あの班もいい広告塔になってくれるわ。撮影機材も搬入できたし、まずは身内で公開する。エンドワールド再結成を発表した暁には、この式典も動画サイトに挙げるのよ」

 

 

 

 

───

 

 

 

「ぜぇ、ぜぇ・・・はぁ、真天堂から道路一本隔てているだけなのにここまで疲れるのは難儀ですわ」

ベティことエリザベス・スチュワートは車椅子の背もたれに寄りかかりながら息を切らしていた。

 

「ベティ、あんた体力なさすぎじゃない?」

蘭華がその体たらくを見かねていた。広場まで来る途中で車椅子をこぐのをばてていたところを蘭華が後ろから押していた。

 

「お恥ずかしい限りです。昔からあまり体を動かすことを怠っていたツケが回ってきたようですわ」

 

「なにおばあちゃんみたいなこと言ってるのよ。今度、あたしの家の道場に来なさい。修行してあげるわ」

 

「お手柔らかにおねがいしますね・・・」

エリザベスは蘭華の誘いに引いていた。

 

「それよりもまだVRログインできないようだけど、親御さんとはどうしてるの?」

 

「残念ながらまだアミュスフィアを手にすることができてません。兄のナーブギアを拝借した経緯もありますし、両親との交渉は長引きそうですわ」

エリザベスは落ち込む

 

「そうなの・・・興平なら1台くらい秘密裏に用意してくれるかもしれないけど」

 

「いえ、そこまで頼るわけにはいきません。時間はかかるかもしれませんが、必ずみなさんとまた一緒にVRで会えるようにしますわ」

 

「そう、あんまり遅いと置いていっちゃうんだからね」

 

「フフ、アミュスフィアを手に入れたらすぐに追いついてみせますとも」

エリザベスは挑発的に笑った。

 

 

───

 

 

13:00

プライベートVRルーム クレムリン

 

VRにログインできるメンバーが総出となって、本日予定されている儀礼の準備が進められていた。ユウナギが新しくデザインした黒い制服を各々試着していた。

 

 

「この原稿の文章は随分と凝っていますね」

黒い儀礼服に身を包んだトトナは姿鏡の前に立って、難しい顔をする。

 

「ミルローゼの趣味も入ってるわね」

アンジェラはこめかみを抑える。本部の人はパーソナルカラーの制服を着ることができたため、オレンジ色の制服を着ていた。

 

「演出的なものだし、あんまり深く考えずやっていいわよ」

リリオは軽く言う。彼女の制服は緑だった。

 

「いえ、形骸的なものとしても半端に行っては組織の規律に関わります。やるからには真剣に取り組ませてもらいます」

トトナの目は真剣なものになった。

 

 

赤の広場

 

 

広場に設置した演奏者のNPCたちによるファンファーレが奏でられ、式典の開始が告げられる。

 

本部メンバーと向かい合った位置でログイン可能なメンバーが整列している中、最前列にトトナを中央として、エルミラ、ティール、シエル、リーネ、ルチア、リナリア7人が並んでいた。彼女らはSAOでは攻略組顔負けの攻略をしてきたパーティーだった。

 

「これまでの戦績、及び貢献を評してトトナ以下7名を本部直轄の班とする。優秀なる技能と勇敢な精神を讃え、親衛班の名を与える。」

ゲームではないため魔王モードではないが、ミルローゼは普段より厳格な口調で述べる。

 

 

 

トトナは一歩前に出る

 

副長のエルミラが赤い布の巻かれた棒を持ち出す。

 

「私達は、魔王たるミルローゼ、あなたに対して、忠誠と勇気とを誓います。」

トトナは一拍を置いて続ける。

 

「いかなる時もすべての敵から防衛し、勝利をもたらすために身命を賭する用意を怠りません。」

 

エルミラが布に巻かれた紐を解くと、布がばさっと展開された。赤地に黄色円が描かれていた。トトナ達の班のために用意された班旗だった。

 

「母なる地を衛る月となり、殉じます」

 

 

 

 

(随分と本格的・・・)

(緊張感伝わってくるなあ)

後ろに並んでいたメンバー達は予想以上に厳格に行われている式典に身体を動かさず立っていた。

 

「貴方たちの活躍を期待してるわ」

ミルローゼは一言添えた。

 

「それでは、忠誠の口づけを」

 

リリオが直立して掲げていた黒地、青円のギルド旗を地面すれすれのところまで斜めに下げる。

 

トトナは跪き、両手でギルド旗の端を持ち、口をつけた。

 

 

この日、他班より戦闘序列を上位に設定された親衛班が設立された

 

 

 





【挿絵表示】

親衛班の班旗

43話であげた組織編成図の改訂版で親衛班の名前出してしまったけど、正式に名称設定されるのは今回の話です。

トトナの宣誓文はドイツ軍の忠誠宣誓あたりから
軍旗の口付けはソ連軍から

本部のパーソナルカラー設定は首脳陣の存在感を立たせるため
第三帝国の内閣みたいに
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