エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
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こんな感じの時代祭行進になるかと
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装飾 一例
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アスカエンパイア内の軍旗
2024.12.6
15:15
─アスカ・エンパイア
中国地方エリア
セーフティエリア エンパイアワールド野営陣地
1週間のイベント期間中、他のギルドがクエストクリアすら手をこまねいている間にエンパイアワールドは試行錯誤を重ねながらイベント終了時間ギリギリまでレイド戦の周回をしていた。タイムアタックランキングは2位と大差をつけて1位となっていた。
八岐大蛇討伐イベント終了時刻の15時、タイムアタックの最終結果の更新を確認してから祝勝会の用意がされていた。
「皆よくやってくれた。浮遊城の戦いから日は浅いがここまで再び結集できていることを我は嬉しく思う。この戦いでまた我々は勝利を刻むことができた。勇敢な戦士達の帰還と、新たな勝利に祝杯をあげよう。」
壇上のミルローゼが仁王立ちで言う。
「おーし、木槌を構えろー、せーの」
『よいしょー』
ヒビキの音頭に合わせて、余ってたクエストキーアイテムの3つの八塩折之酒の樽を参加していた本部メンバーと各班長で鏡開きをしていた。
樽に入ってた酒に似せられたドリンクが柄杓で漆升に注がれ、一人一人に配られた
「おつかれー」
「おつかれー」
「このイベントだけですごいレベルあがってる!」
「都に帰ったら何買おうかなー」
ランキング報酬と大量のレイド勝利報酬を手に入れたメンバーは思い思いに買い物の予定など談笑していた。
「みんなー、ギルドの制服ができたよ」
コハル含め需品班が黒い羽織を重ねて持ってくる。
「おお、できたか。昨日投票締切だったのに出来るの早いな」
ミルローゼは一番上の羽織を取る。
手にとったのをバッと広げられると赤穂浪士が着ていたような黒地に袖口に白いギザギザ模様の羽織があらわになった。
「一度作ればレシピ複製で時間は短縮できるからね。一番票の多かったコハルの案のデザインをもとにしてるわ。需品班の総力を結集して量産された傑作よ」
リーゼロッテは自慢げに言う。
「せ、性能はボスとかのレアドロップには届きませんが、店売りには優っています」
ニーナはおずおずと言う。
「軽装であれば着ている装備の上からそのまま羽織れるのよぉ」
ユウナギが補足する。
「袖通してみたーい」
ホタルが一着取って羽織ってみる。
「どうかな、似合ってる?」
ホタルはくるくると回りながら確認する。
「拙者にも一着たのもー」
フブキも試しに着てみる。そのまま羽織は全員に配布されていく。
「こうやって服が揃うとワンチームって感じがするね」
「蛇がドロップしてた草薙の剣を腰に差しておこうか」
「いいねぇ、お揃いになるし」
内々で服装についての話が進む。
レイド勝利報酬のうち、ランダムで誰かに1本ドロップする目玉装備の草薙の剣は人数分以上余っていた。
宴を終えたエンパイアワールドは馬で大砲を牽きながら棧陰道より京へ戻り始めた。
「なんだあいつら」
「あんなギルド今まであったか?」
「大砲なんてどこで手に入れたんだ?」
道中行列とすれ違ったプレイヤーは見慣れない集団を不思議そうに見る。
「女の子ばっかりかと思ったら男が一人いるぞ」
「うわ、やべえ」
道端にいたプレイヤーの一言でヴァイリは隊列から外れ、ちょうど差し掛かってた峠のNPCショップに入っていく。そしてすぐさま出てきて列に戻る。
「一つ取ったら頭に被って、隣にも渡して」
ヴァイリはインベントリから買ってきた物を取り出す。黒漆で塗られた大量の韮山笠を取り出すと隣にいたクロンとカーラに渡す。
「そこまで気にすることなのか?」
クロンは首を傾げながらも、積まれた笠の山を前に回して、一つ取った笠を被る。
「ああもう、この髪型だと上手くかぶれないわ」
カーラはツインテールの房で笠の位置が安定していなかった。
「カーラさん、リアルみたいな一つ結びにしたほうがいいんじゃないですか?直しますよ」
「ありがと、頼むわ」
リュミルはカーラの髪留めを外して片方で髪をまとめた。
ヴァイリの前後20人ほどは笠をかぶったメンバーで揃った。
「あとはこれでもしてれば顔わからなくなるだろう」
そしてヴァイリは口元を隠すように襟巻きを巻いた。
白虎門付近
ドンドンドンドコドン
ピーヒャーララッタッタ・ピーヒャーララッタッタ
小柄な少女、エヴェイユが前に背負った平胴太鼓を叩き、その後ろに演奏スキルで篠笛を吹く広報班が続く。
太鼓、鼓笛の演奏とともに黒いダンダラ羽織を着た少女たちが足並みを揃えて通りを行進する。
演奏している人はスリングで銃を左肩に掛け、後ろに続くメンバーは右肩に銃を担えていた。いずれも腰には草薙の剣を差していた。
ザッ ザッ ザッ と足踏みの揃った行進は通りのプレイヤーの目を惹いていた。
行列の中には黒地に青円、漢字の羅列されたのぼり旗が立てて掲げられていた。