エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
楽曲コード063-0232-7
2024.12.15 14:10
アスカ・エンパイア
多枷川沿いの器屋町通りは弊闇京のなかではプレイヤー、NPC問わず料理屋などの並ぶスポットだった。夜な夜な「いちまい、にまい」と皿の数える声が聞こえることでも有名であったが・・・
その通りを親王派についてる3人のプレイヤーが歩いていた。
「皇太子派のプレイヤー見つからないなー」
「そりゃあ人数比4:1だったら逃げるだろ」
「大手ギルドの毘沙門天が親王派だし勝ち確だな」
「勝利報酬ごちっす。ハハハ」
しかし、エンパイアワールドは油断して棒立ちになってるような敵プレイヤーを放置するほど甘くない。通りを北上していた騎馬隊はすれ違いざまに3人を仕留める。
バシュッ
一人は先頭の馬に乗っていたフブキの斬撃で首が宙に吹っ飛ぶ。
ボシャン
「ゴボボボb」
一人は後続の馬に撥ねられて川に落とされ衝突ダメージと水中に突き飛ばされたパニックによる窒息ダメージで死んだ。
ズルズルズルズルズル
「ひぃっ、なんだこれ!離してくれ、怖い、怖い!」
「ありゃ、仕留めきれずにひっかかっちまった」
最後の一人は斧使いローラの斧の刃に引っかかったまま、地べたを馬の走るスピードで引きずられていた。ほどなくしてそのまま継続ダメージが蓄積し、死んだ。
走り抜けていた騎馬隊はしばらくして一軒の家屋の前で停止した。
──
「おお、参ったか。早速大筒を使ったようだな。ここまで砲撃音が響いてきましたぞ」
キヨモリ達、ギルドたいらけは器屋町通り沿いの寿司屋の家屋を利用して陣を敷いていた。
「拙者はフブキと申す。」
馬を降りたフブキは一礼する。
「第六天魔王殿!お噂はかねがね。ささ、どうぞ中へ」
キヨモリはフブキの手を握った。そして家屋の中へと招く
「おい、お前。吹雪なのか?」
キヨモリの後ろから一人の侍プレイヤーが前に出てくる。
「兄者?」
フブキは意外な人物の登場に目をパチパチとさせる
「やっぱり吹雪か。全く、帰ってきてからすぐアミュスフィア欲しがってて懲りてないもんだと思ってたが、まさか同じゲームやってるとは思わなかったぞ」
フブキと面識のある侍プレイヤーは呆れたように言う。
「ノブアキ殿の妹君とはこれも縁よの。さて、本題に入らせてもらおう。」
キヨモリは醞川の面した窓のところまでフブキを招いた。
「あれが障害ということか」
フブキは一目見て納得する。
醞川の対岸には笹竜胆と三つ鱗の紋が交互に並び描かれた防壁がそびえ立っていた。防壁の上には弓兵が配置されている。源氏系ギルドの“ホタルノヒカリ”は、たいらけが仕掛けてくることを察知して防備を固めていた。
「源氏め。彼奴輩よっぽど防壁に自信があるのか奉原橋の橋板は外されていないが、橋を渡るも渡河するも遮蔽物がないようでは狙い撃ちにされる」
キヨモリは悔しそうに言う。
「フブキのところの大砲で壊せないか?」
ノブアキがフブキに振る。
「やってみよう」
フブキは頷いた。
───家屋外
フブキが屋内で話し合っている間、通りでは大砲の準備が進んでいた。通り沿いの家屋が遮蔽物となって、東岸の弓師達には動きは察知されていなかった。
「エリス。あれ、どうするよ?」
薙刀をもったリランが指差す。
「Samurai!」
「Fantastic! Japanese civil war」
その方向には“PRESS”の腕章をつけた外人プレイヤー達がスクショで撮影を楽しんでた。彼らも馬術の心得があるのか、馬に跨ってフブキ達の騎馬隊についてこれていた。
「まあこちらに害は無いですし、ベティさんが懇意にしてる方達らしいので」
エリスは困り顔で言う。
「Hi, Cheese」
「「「イエーイ!」」」
イーリス、ピコ、リラは外国人プレイヤーの合図でポーズを取る。
「い、いえー。こうですか」
ヒトミはぎこちなく笑う
「ヒトミちゃん、スマイルスマイル」
イディアが両頬を上げるジェスチャーをして促す。
「すみません、こういう写真撮られるの慣れてないもので」
ヒトミは申し訳なさそうに言う。
「話がまとまった。ここから東200mの防壁に撃つ」
家屋からでてきたフブキがエリスに言う。
「分かりました。射角あげてください!」
エリスの指示で大砲は臼砲のように砲口が上げられる。
ドドドドン!
曲射撃ちされた砲弾は上空に上がったあと、重力に引かれて自由落下する。防壁に直撃した弾は爆裂して、壁の上にいた弓師ごと吹き飛ばした。
たいらけとエンパイアワールドが組んでることを知らないホタルノヒカリは突然の砲撃に右往左往していた。
「ようし、者どもかかれー!」
キヨモリの一声で川の西岸に陣取っていたたいらけのプレイヤーが一斉に川を越え始めた。抵抗少なく破壊された防壁の亀裂へ侵入していく。
たいらけが戦線を押し上げたことで川は無人になった。
「橋が無傷だ。これなら大砲も引っ張って渡れるのでは?」
「今のうちに超えてしまいましょう」
フブキとエリスは顔を見合わせた。
川の東岸で源平合戦を繰り広げている中、エンパイアワールドの騎馬隊は手つかずの橋を渡って東山地区へ入った。