二人の約束   作:雪箱 珈琲店

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更新が遅くて申し訳ございません…(泣)

更新のペースを少しでも早くしていけるように善処します。

第1章開幕です〜


1章 謎と嘘
安否


 

今日は学校もボーダーの防衛任務などもない休日で、俺と和音は先日行った、ランク戦の賭けを清算すべく、2、3ヶ月前に出来たばかりの喫茶店に向かう為、現在、手を繋いで歩いていた。

 

「本当にここの喫茶店で良かったの?」

 

和音は俺の顔を除き込むように聞いて、俺の方もいつものように答えた。

 

「ああ、あの店は最近出来た喫茶店なんだ」

 

「へぇ〜

そうなんだ」

 

「それにこの喫茶店には最初に和音と一緒に行きたかったし」

 

俺の言葉に和音はピクッと反応し、照れたように顔が紅潮し傍目から見て、分かりやすい反応をした。

 

「嬉しいかも!」

 

和音の不意打ちのような飛びっきりの笑顔を見せられて、今度は俺の方が思わずとドキッとしてしまった。

そして、世間話をしている間に俺と和音は目的地である喫茶店に着いた。

 

「良い雰囲気だね!」

 

「そうだね」

 

和音の率直な感想に同意して、目の前の喫茶店の外見に目を向けた。レトロな感じで、アンティーク感を感じさせる珈琲店だ。大人ぽい雰囲気を感じさせる。

 

和音がこの店に見惚れている間に俺は声を掛けた。

 

「和音、置いていくぞ?」

 

「あっ待って!」

 

 

 

二人の不毛なやり取りをしつつ、木製で出来たドアに手を掛けて、開けると中には予想通りのアンティーク感が溢れる室内とほのかに香る木の匂いを感じて、雰囲気は俺個人の感想として好きだった。

若い女性のスタッフが出迎えてくれた。

 

 

若い女性のスタッフに連れられて、俺と和音は4人用の木製の机と柔らかそうな素材のソファに案内されていた。

 

和音は早速、座ってメニューを見始めた。俺も釣られるように向かい側のソファに座って、一緒にメニュー表を見始めた。

 

 

見開きにコーヒーなどがあり、色々見ると、昼食などの軽いランチやパンケーキやパフェなどのメニューがある。和音が俺に尋ねた。

 

「和葵はコーヒーでいいよね?」

 

「うん? ああ、いいよ」

 

「私はどうしようかなぁ〜 あっこれ飲んで見たいかも」

 

和音が指したのは、タピオカミルクティーであった。

 

「あっそれは美味しそうだね」

 

俺がそう返すと和音は嬉しそうな笑顔で

 

「でしょ!」

 

って答えた。

再び、和音はメニュー表に目を移して、またまた、俺に聞いた。

 

「あと私さ、このパンケーキも食べたい! 和葵も何か食べたいものがある?」

 

そう言われて、俺は和音はメニュー表を覗き込み、

 

「じゃあ、このチョコバナナパンケーキを食べてみようかな」

 

「じゃあ、私はこのメープルのやつがいいなぁ! 私それも食べたいからシェアをしようよ」

 

「おう、いいぞ」

 

「そう来なくちゃ!」

 

お互い、頼むものが決まり、和音は案内してくれた女性のスタッフを呼んで注文をした。

 

 

 

 

 

注文が終わり、やがて、店員がコーヒーを持って来てくれて、俺と和音はのどかに談笑をしていた。そんな中、俺らの知っている二人組の男女が、俺らに声を掛けてきた。

 

「おっ、和音ちゃんと和葵じゃん」

 

「迅さん、どうしてここに?」

 

と俺は聞いた。

 

 

いつも通りに飄々としていて、それでいて掴み所を感じさせない人物、迅さんと

 

「あら、和音ちゃんに和葵は久しぶりだね〜」

 

と黒髪のショートヘアで鋭い目が近づき難い雰囲気を纏っている白衣の女性が立っていた。

 

「あっ、沙乃さん!」

 

和音は白衣の女性にいつも通りの元気な声を発して立ち上がった。

 

 

 

この人は和音の病気の担当医をしている、椎名 沙乃さんである。年齢はなどは不詳だが、俺の予想では三十路に入っていないと呼んでいる。椎名さんは、和音の他にも、朝日奈隊のメンバーとも交流があり、ボーダーのトリガーにも大いに興味を示している。

 

 

 

もう一人、男性の方は、ボーダーの自称、迅 悠一である。玉狛支部という少数精鋭のボーダーの支部に所属している。

 

 

この二人は俺らの()()()()のことも知っている。

 

 

 

「俺らもここに相席してもいいか?」

 

迅は指を指しながら、席を座ることを求めた。

 

「ああ、いいですよ。迅さんと椎名さん」

 

俺もそう促し、和音は俺の隣に来て、二人と向かう合う形で席に座った。お互い珈琲を注文した。俺はこの時点で一つの疑問が浮上していた。

 

 

何故、迅さんと椎名さんが二人で一緒に此処の喫茶店に居るのか?という点だ。俺の知る限りで、迅さんと椎名さんは知り合いであるが、そこまで親密な関係ではない…筈だ…。

俺がそのことを口に出そうとしたら、迅が俺の考えを先読みしていたのか切り込んできた。

 

「俺と沙乃さんがここにいる理由は偶々会って、君らの姿を見たから、喫茶店に来たのさ」

 

と迅が何かを誤魔化すように説明してくれた。それでも、俺はまだ疑いを持っている。

 

「本当に偶然なのよ?」

 

椎名は補足して、俺の方もそーゆーことにしようと納得はした。

 

「私は仕事の休憩だし、長居はするつもりはないけれども、一つだけ和葵くんに聞きたいことがあるわ」

 

「…何ですか?」

 

「最近、誠は見た?」

 

そのワードを聞いた瞬間、俺は顔が強張り、和音は俺の服の袖を掴んだ。和音は俯いたまま哀しい顔を浮かべていた。

 

 

朝日奈隊には一人である事件からずっと欠番をしている隊員がいる。それが草薙 誠という人物である。事件のことはまた後に語ろう。

 

 

 

椎名は和音の反応を見て察し、俺は口を出した。

 

「誠は最近、家にも帰って来てないですよ」

 

「そうか… やっぱり…… 悪いことをしたな」

 

迅は少し下を向いて言い、

 

「大人として、私があの子を支えられなかった。完全に私の責任だね」

 

椎名は曇った顔をしており、重たい空気が流れる中、和音がこの嫌な雰囲気を吹き飛ばすように、机を叩いた。

 

「沙乃さんや迅さんは悪くない! あとは誠の問題だよ」

 

先ほどまで、哀しい顔をしていた女の子がここまで明るく見せながら言った。そして、机を叩いた所為で、店内にいるスタッフやお客さんが皆振り向いた。和音はその状況に遅れながらも反応して、少し顔を赤らめた。

 

「ああ…… お騒がせしてすいません」

 

和音は振り向いた方々に謝り、やがて、こちらを振り向く人は居なくなった。

この場にいる和音以外の3人はキョトンとした表情をしていた。遅れるようにその場で俺は笑った。

 

「ははは、そうだなぁ。俺や和音、少なくとも春の方もあまり気にしていないと思うよ」

 

(いや、春は気にしてると思う…)

 

和音は口こそ出さなかったが、和葵の言ってることに反対のことを述べた。

 

そして、迅は改めて頭を下げて謝った。

 

「申し訳ない、あの件について、俺に出来ることがあれば、何でも申して欲しい」

 

 

迅はあの日からずっと()()()について謝り続けていた。人にはない特殊な能力が備わっており、その力を駆使しても事実を変えられなかったことを悔いているのだろう。和音は頭を下げる迅に申し訳なさそうに言った。

 

「もういいから、頭を上げて!」

 

和音はそう言い、そのタイミングで女性スタッフがパンケーキを運んで来た。椎名と迅はアイコンタクトを交わして、立ち上がり、最後に嫌らしい言葉を発した。

 

「そろそろ、お邪魔するわね♪ お二人のデートを邪魔しちゃ悪いし。ほら、迅、行こうか〜」

 

椎名の意図を察したのか、迅も椎名に乗っかった。

 

「そうだな。じゃあ、お二人さんはデートを楽しんでくれ。それと玉狛にはいつでも遊びに来てくれ」

 

と言って、珈琲を飲み干して去っていった。椎名と迅の言葉に和音は沸騰するような勢いで顔が紅潮していった。

 

 

 

 

 

 

二人が去った後に和音は紅潮した顔がようやく引いて来て、パンケーキを食べていた。

 

「和葵のチョコバナナパンケーキも美味しいね」

 

「味がスタンダードで良いんだろうな。和音のやつも、キャラメルが入っていて、個人的に好きだ」

 

「あっはははははは!

和葵はキャラメル大好きだもんね」

 

和音のいつもの笑い声を聞いて、先ほどとはうって変わったのどかな会話が続いた。和音は先ほどの迅と椎名の話について、和音から一言だけ口を開いた。

 

「誠はいつか帰って来たら、ぶっ叩いてやる!」

 

「そうだなぁ。迅さんや椎名さんがずっとあの件に罪悪感を感じてるもんな」

 

と二人で笑いあい、秋の冷たい空気が流れる中、パンケーキとコーヒーを堪能していた。

 

 

 

 

 

 





あと名前を少し変更させて頂きました。珈琲が好きなので(*´꒳`*)


*** *** ***

プロフィール

椎名 沙乃

三門病院 医師

28歳(大人) 6月18日生まれ
身長:168㎝ 血液型:AB型

好きなもの
・研究
・カレー

備考
・和音の担当医

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