僕が自我に目覚めたのは何時だったか・・・・・・そう!ゆりかごの中だったね。
自分の意識ははっきりしているのに身体を思うように動かせないし、声も「あー」や「うー」しか出なかった。
自分の手を見て思ったね。あ、僕赤ん坊になってるって。
正直混乱したね。自分の頭ではこの身体が自分のモノではないと認識しているのに、感情というのかな・・・・・心が自分だって言っていたんだ。訳からなかった。
とにかく泣いた。意味が分からないし訳が分からない。混乱してパニックになってひたすら泣いた。
そんな僕を優しく抱きしめ、あやしてくれたのが母さんだった。
今の僕と同じフワフワとした白い髪、ちょっとタレ女でのほほんとした女性だった。ああ、ちなみに大きかった人だよ?どこがとは言わないよ?僕の母さんだもん。
「どうしたの、マーくん?ほーら、よちよ~ち」
ちょっと何笑ってるんだい?別にいいじゃないか、マーくんって呼ばれるくらい。似合わない?ほっといてよ・・・・・・
ごらんの通り、母さんは僕に甘々でね。本当に愛してくれたよ。うん・・・・・・超親バカだった。
何処に行くときもベッタリで、初めて歩いて転んだ時も大げさに慌てて、大魔術を発動しようとしたり。
―――いやーーー!私の、私のマーくんがーーーー!!!オノレ大地ヨ!消シ飛ベ!!!!
―――ヤメテお母さん!?
幼児だった僕を誘拐しようとした蛮族を半殺しにして、身動きが出来ないように生きたまま海に沈めたり。
―――ヨクモ私ノカワイイマークンヲ!タタデハコロサン!!!生キタママナブリコロシニシテクレル
―――もう止めて!?誘拐犯のライフはとっくにゼロだよ!?
ピクニックに行く日に雨が降った時、大魔術を発動して雲全部消し飛ばしたり・・・・・・
―――天よ消え失せろ!!私とマー君のピクニックの邪魔をスルナ!!!!
―――アハハ・・・・・・雨雲も嵐も、消しとんじゃった・・・・・
あはは・・・・・・親バカダッタナー(死んだ目)
そんな愛された幼少時代を過ごし、10歳になった時かな。母さんに連れられて、ウーサー王を謁見したんだ。たぶん、自分の子を紹介したかったんだと思う。
でも、そんな王の反応は・・・・・・価値がある道具かどうか見定める腐った眼で僕を観察したんだ。その時思ったね。僕はこの王と関わりたくないと。
母さんもそれを悟ったんだと思う。それ以降、母さんは僕を王の下に連れていくことはなかった。
ウーサー王の謁見である意味疲労した僕は王宮から出る為に廊下を歩いていた。
その途中、金髪の男の子と女の子とすれ違った。母さんは二人を知っているらしく、頭を下げて挨拶していた。
「こんにちは、ケイ様、モルガン様」
「父上直属の魔術師か。貴様は相変わらずのほほんとしているな」
「こんにちは、先生!今日は授業ないですよね?」
うん。会話からわかると思うけど、ケイの口が悪かったのは小さい頃からなんだ。
え?この女の子は誰かって?モルガンだよ。何で信じられないって顔してるのさ。確かに彼女の逸話は色々アレだけど、実際は人懐っこくていい子だったよ。
「む、貴様のほほん魔術師に似ているな」
「ええ、この子は私の息子のマーリンよ。歳は貴方達と同じ位かしらね~」
「ほう、ずいぶんと貴様に似てるな」
「えーっと、息子?え?女の子じゃない?うそ、男の子なの!?ご、ごめんね!」
「・・・・・・(僕って女の子って思われてたの?orz)」
・・・・・・なにさその目は。ああ、どうせ僕は中性的で、男らしく無い顔だよ。くそう。
でもまあ、この出会いには今でも感謝している。
ウーサー王の義理の息子であるケイ。そして実の娘であるモルガン。
この二人こそ、僕の今後の人生に意味を与えてくれたんだ。
ウーサー王?今でもこの手で殺せなかった事が今生で一番の心残りだね!
◇
人物紹介
【マーリン】
転生者。でも前世の記憶はない。夢魔の父と魔術師の母のハーフ。でも父の顔はしらない。母の愛情100%で育成中。
現段階は、まだまとも。
【ケイ】
ウーサー王の義理の息子。
現段階ではショタ。でも毒舌。合法ショタのアンデルセンと同レベル。
まだ苦労人じゃない。
【モルガン】
ウーサー王の娘。
現段階では綺麗な幼女。マーリンの母を魔術の先生として慕っている。
マーリンの事を初対面で女の子と思っていた。でも、可愛いので女装させたいと思っている。
歴史上では最悪の魔女と語られているが・・・・・・
【マーリンの母】
マーリン曰く、冠位を得た魔術師となってもおかしくない存在。チートオブチートと呼ばれている。
魔術師の腕は神代レベルを超えており、アルティメット・ワンすら消し飛ばせる可能性を秘めていた。だが、本人の性格は怠慢。のほほんとしており、めんどくさがり。
マーリンの事を愛しており、マーくんと呼んで可愛がっている親バカである。
だが、魔術師としてスイッチを切り替えると非道に徹する。王直属の魔術師なので、王の命令は絶対と思っている。だが、第一優先順位はマーリンとなっている。
【ウーサー王】
マーリン曰く糞野郎で外道王。敵に討たれて死んだので、自分の手で殺せなかった事を悔やんでいる。
実はブリテンのアーサー王伝説の全ての黒幕。死後も魂を残留し、数々の悪道を行っている。
ブリテンの発展や滅びを回避と建前は言っていたらしいが、本心では自分の欲望の為だったそうだ。
マーリン「やあ、マーリンお兄さんだよ」
アルトリア「どうも、アルトリアです」
マーリン「序盤中の序盤。僕の過去からの始まりだね。いやー。なんか恥ずかしいねぇ」
アルトリア「マーリンにも可愛らしかった過去があったんですね・・・・・・なんでこうなったんでしょうね」
マーリン「色々あったのさ・・・主に糞野郎の所為だけど」
アルトリア「会った事はありませんが、ウーサー王はどれだけ嫌われてたんですか・・・・・・。それにしても、兄さ・・・・・・サー・ケイとモルガンもこの頃は本当に子どもだったんですね」
マーリン「いや、誰しもちゃんと幼少時代はあるからね?ホムンクルス以外は」
アルトリア「しかし、サー・ケイは既に毒舌なんですね。うう、思い出してしまうあの罵倒の数々っ!」
マーリン「彼、円卓のアイドルだったガレスちゃんにも毒舌だったからねぇ。それが原因であのアッくんもケイを殴ったくらいだし」
アルトリア「あの事件ですか・・・・・・嫌な事件でした」
マーリン「それじゃ、次回もお楽しみに!」
アルトリア「また会いましょう」