MH3rd 2人の記憶   作:猫パン

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パッと思い付いた為、少々出来は悪いです


世界観としては3rdを基準として4からXまでが含まれています。


第一話

 

 

 

 

 

 

1人の男が軽い足取りで、雨の降る渓流を駆ける。

身に着けているものとは裏腹に、男が出す速度はかなりのものだった。

 

その身に着けたものは、男が動く度にガシャガシャと音を立てる。

 

見る者が見れば男の正体は一目瞭然であろう。

 

ハンターだと。

 

 

だが同じハンターから見たら、男は異質な存在であった。

何せハンターが扱う全14種類の武器の内、どれにも当てはまらない武器を背負っていたのだから。

 

 

「ふむ、ここではない…か。」

 

そんな男は、地面に残る足跡と虫の死骸を追いながらあるモンスターを探していた。

 

生半可な力では敵わず、ハンターからも狩人(ハンター)と呼ばれるモンスター。

雷電狼ジンオウガ。

 

 

「或いはこの地域から抜けたか。」

 

男は足跡を見ながら思考を巡らせる。

昨日今日付いたとは思えないその足跡は、既にこの近辺に居ないことを物語る。

 

 

「どう思う?チャシャ。」

 

「どう思うもにゃにも、これじゃあ1週間は経っているんじゃにゃいかにゃ?追跡は厳しそうにゃ。」

 

それに答えたのは、1匹の猫であった。

ハンター達の間ではアイルーやメラルー等と呼ばれるその猫、中でも装備を着用してハンターに着いていく猫はオトモアイルーと呼ばれる。

チャシャと呼ばれた猫は、まさにオトモアイルーであった。

 

 

「まあ良い、どうせ急ぎの用じゃないしな。無理に深追いする必要もない。」

 

「まあ、アレクに任せるにゃ。」

 

「なら帰るぞ。収穫が無い以上、ここに居るだけ無駄だからな。」

 

そう言うと村へと引き返す。

その足取りは、来たときより少し速くなっていた。

 

 

 

 

 

 

        ーーーー△ーーーー

 

 

 

 

雨が降りしきるなか、ガーグァが引く荷車がガタゴトと音を立てて走る。

ただ荷物を運搬する為だけの荷車のため、荷台はかなり荷物が飛び跳ねている。

そんな中荷台で、一際動かない荷物があった。

否、人が1人乗っていた。

 

藁笠を被った、まだあどけなさが残る1人の少女が積荷と共に居た。

雨の為、少しでも寒くないよう体を縮ませる。

笠で防げる雨にも限界はあり、跳ね返る雨水が体を濡らす。

 

そして、それは訪れた。

 

 

前触れも無く変わった突然の雷雨。

放電する虫が所々を飛び、落ちる落雷の数。

そして……

 

 

街道の直ぐ脇で吠える1匹の獣。

 

 

『アオォォオオォォン!!!!!』

 

その咆哮と共に周囲に落雷が生じ、荷車の直ぐ脇にも落ちる。

 

 

「にゃにゃ、ジンオウガ!?にゃんでこんな所にいるのにゃ!?」

 

荷車を引いていたアイルーが、驚愕を露わにしながら口を開く。

だがその咆哮を聞き、ガーグァがびっくりして通常以上の速度を出す。

その結果荷車が先ほど以上に揺れる。

 

「にゃにゃ、確り掴まっているにゃ!村まで飛ばすにゃ!」

 

「は、はい!」

 

先ほど以上の速度を得た荷車は、ジンオウガに見つかることなく目の前を通り過ぎる。

雷雨であることが幸いして、ジンオウガの耳には荷車の音が入らなかったのだ。

それにちょうど小高い丘のヘリだった下部分に街道があるため、丘の上に居たジンオウガの死角になっていたことが幸いした。

 

 

そして通り過ぎてから幾分か経ち、雷雨だった空は晴れ間が見えてきた。

晴れ間と同時に、自身が目指す村『ユクモ村』も見えてきた。

 

遂に始まるのだ、ユクモ村での初めてのハンター生活が。

自分が憧れていたあのハンターに、自分がなる時が。

 

 

 

 

       ーーーー△ーーーー

 

 

 

「では捜索の結果、それらしき姿は見つけられなかったと。」

 

「俺が通ったところには既に居なかっただけだがな。正直1週間位経っているであろう足跡で何処に行ったか割り出すとか、流石に俺でも出来ねぇよ。」

 

「まあ、それもそうですね。ありがとうございますアレックスさん、調査代20000zです。」

 

その後2、3雑談をしたあと、アレックスは村長の元を後にした。

今回アレックスが受けたクエストは渓流の近辺調査。

特に急務と言われて居たこのクエストは、近場でジンオウガの目撃情報があったからだ。

何も無いならないで安心出来るが、もし本当にジンオウガが居るならばそれは脅威となる。

縄張りに入る者を襲うジンオウガは、時々街道を跨ぐように縄張りを作る時がある。

そう言う場合、行商人などが襲われるのだ。

狩人の異名を持つジンオウガは、手練のハンターですら時には返り討ちにする。何の力もない行商人では到底太刀打ちできないのだ。

だが今回は発見することが叶わなかった。

だが近辺調査は発見しないことが、クエスト達成条件とも言える。

安全が確認出来ればクエスト達成なのだ。

 

 

諸々の報告を終え、自身の家へと帰ろうとして…

 

ふと、1人の少女が目に映った。

 

全身をユクモ装備で飾る、まだ初々しさが抜けきらない少女。

武器も支給品の太刀が見える為、駆け出しのハンター見習いと容易に分かる。

 

傷1つ無い武器と防具に懐かしさを覚えつつも、その少女の横を素通りする。

 

 

「良いのかにゃ?彼女はきっとこの村の選任ハンターを担うと思うけどにゃぁ。」

 

「だがそれは俺とは違うだろう?俺から関わるつもりは無い。」

 

その少女は、自身とは違う目的で動いているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

        ーーーー△ーーーー

 

 

 

「これはこれはハンター様、よく来て下さいました。」

 

「あ、はい!セツナと申します!」

 

勢いよく頭を下げるその先には、ピンク色の浴衣を纏った女性が居る。

 

 

「あらあら、自己紹介がまだでしたね。

わたくしが、この《ユクモ村》の村長『シオン』と申します。以後、よしなに。」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

自身よりも大人の対応をする女性を前にし、セツナは緊張を隠せない。

 

 

「ふふ、そんなに緊張しなくて良いのよ。肩の力を抜いて、深呼吸ね。

さて、ここに来る前に聞いていると思うけれど…貴方にはこの村のハンターになっていただきたいの。

この村に現在居るハンターはたった1人。それでも何とかなっていたのだけれど、彼も忙しい身。常にこの村に居るという訳にもいかないのです。」

 

「それって…さっき見かけた男の人…ですか?」

 

セツナがそう聞くと、シオンはビックリしたように笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

「ええ。ここに定住して早5年といった所かしらね。クエストも受けてもらっているけれど、そんなに頻度が有るわけではありませんわね。ですから貴女にこの村の専属ハンターになって頂きたいのです。」

 

そこで一旦会話を途切り、シオンはセツナのちょうど真後ろにある家を刺す。

 

 

「そこに家がございますしょう?

あそこを自由に使ってくれて構いません。

ベッドや一通りの武器や防具など、ハンターとして必要なものは揃っているはずですわ。そして来るときに登ってきて頂いた階段を下りた

ところには、お店があります。

アイテムなら雑貨屋、武器や防具なら鍛冶屋を

ご利用くださいね。」

 

「はい!何から何までありがとうございます!」

 

そしてシオンはセツナに見えるよう、羊皮紙を差し出す。

 

 

「セツナ様にお願いするクエストについては、わたくしにご相談ください。

手近なところから、お願いしますわ。

あとこちら、何かと入り用でしょうから支度金をお渡ししておきます。

 

お話は以上です。

ではそうですね、村の中を一通り見て回られてはいかがですか?

村の人達も貴方に興味があるようですから。」

 

「はい、そうさせて貰います。」

 

そう言ってセツナはシオンと別れて、来た道を少し戻る。

自身が教わったハンター教訓として、アイテムが何より重要と。

アイテムを買うために雑貨屋へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

        ーーーー△ーーーー

 

 

 

 

「マナ、今戻ったぞ。」

 

「お帰りにゃさいにゃ!食事は出来ているにゃ!」

 

アレックスが自身の家へと戻ってくると、1匹の猫がアレックスの前へとやってくる。

この猫はアレックスのオトモアイルー、戦闘を苦手とするが家事が得意なマナだ。

 

 

「フィア、異常は無かったか?」

 

『ええ、平和そのものね。正直暇だったわ。』

 

アレックスの問いに答えたのは、庭に寝そべり首だけを向けたナルガクルガがそこに居た。

ただ他のナルガクルガ種と大きく違う点がそこに見られる、通常種は紅い眼をして居るが、フィアと呼ばれたナルガクルガは碧い眼をしている。

 

 

「まあ良い、飯にするか。」

 

『ええ、そろそろお腹空いたわ。』

 

「にゃ!もう準備出来てるにゃ。今から広げるにゃ。」

 

そう言うとマナは、庭に備え付けられたテーブルへと料理を広げていく。

 

 

「今日はガーグァのステーキにゃ。フィアが丸々太って、すごく脂が乗ったガーグァを取ってきてくれたにゃ。」

 

『私は食べたいと思ったから狩っただけよ。』

 

「それでもにゃ。そのお陰で私もアレクも助かっているのにゃから、すごく助かるのにゃ。」

 

「そうだな、ありがとうフィア。」

 

そう言いながら、アレックスはフィアの顔を撫でる。

それに眼を細めて、嬉しそうに喉を鳴らすフィアは、まるで猫のようだった。

 

 

 

 




キャラ設定






アレックス


HR6

元はポッケ村のG級ハンターであったが、流れに流れここに居る。

ユクモ村選任ハンターでありながら技術者である。
村の危機に陥った場合に駆り出される、謂わば最後の砦としての役割を担う。

普段は狩りに出ながら、自宅で武器の改造を行っている。


家はユクモ村から少々離れた高台を丸々所有しており、アイルー達や半ばペット化しているナルガクルガと一緒に生活している。




チャシャ

オトモアイルーであり、ポッケ村からの戦友。
最近の趣味は料理らしく、単独で狩猟に出掛けることはあまりない。




マナ

ユクモ村に来てから雇い入れたオトモアイルー。
戦い自体が得意では無い為、もっぱら家事をするだけになってきている。
雇われた当初からの最初の仕事がフィアの世話という、割と恐怖を感じる仕事であった。
現在のフィアとの関係は良好。



フィア

人語を解し、喋ることが出来る。
恐らく唯一無二のナルガクルガ。

卵の時からアレックスに育てられ、どんな時でも共に生きてきた。
ペットというより最早家族である。

現在はアレックスの家の隣にある洞窟が寝床である。




セツナ

ユクモ村へと新たに配属となった、新人女ハンター。
常に村に居ることが出来ないアレックスの、有り体に言えば変わりである。



シオン


ユクモ村村長




設定






因みにこの世界はゲームとは違う。


どんなに堅牢な防具を身に纏っていようとも、一撃でも喰らえばその防具は意図も容易く引き裂かれる。
そしてハンターだとしても、一撃を貰えば当然死を招く。


死ねば報酬金が減るだけ?
キャンプからスタート?
制限時間?



そんな物は一切無い。
狩るか狩られるか、弱肉強食の世界。

負けたら強くなってもう一度なんて効かない、負けたら即ち死を意味する。




そのかわりモンスターも、弱点を上手いこと潰せれば一撃で殺すことも可能である。



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