とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト) 作:nozomu7
「不幸だー!」
ツンツンと髪の毛が立った少年がそう叫びながら、公園から一目散に駆け出してくる。なぜ彼がこんなにも慌てているのか。それは……
「まさかあの球をきっかけに、結果的にハチの巣が落ちるなんて……」
公園に入ったとき、小学生たちが野球をしていた。この少年、上条当麻がこっちに転がってきたその球を返すために投げたら手が狂い、球は明後日の方向に飛んでいった。
その結果、今スズメバチの大群に追い掛け回されている。
これでも足はかなり速いほうなのであるが、さすがにハチには追いつかれる。
「やば、うわー!」
ついに追いつかれた瞬間、
「はあ、まったく世話が焼ける野郎だ」
という声がすると、ハチが当麻の視界から一斉に消えた。
当麻は声の主に振り向いて言う。
「
その少年、神谷駿斗はだるそうに頭を掻きながら立っていた。
この少年も同じように黒髪ではあるが、髪の毛は立ってはおらず少し短めにされているというだけである。爽やかな第一印象を与える少年だ。
「まあ、大した手間じゃあないからいいけどよ」
駿斗はそう言って当麻の頭の上、1メートルのところにある
そこにはさっきまで当麻を追いかけていたハチが集められ、動かないまま浮いていた。
「いや、やっぱお礼に今日の夕飯おごれ。今月は少し余裕があるはずだろ、お前」
「それはやめてくれ!いや、やめてくださいお願いします!」
「拒否権はなしだ」
駿斗は愉快そうにそう言い放つ。その言葉を聞いた当麻は
「不幸だ……」
と呟いてうなだれた。
ここは『学園都市』。
総人口230万人のうちの8割を学生が占める、超巨大な教育機関であり、東京、埼玉、神奈川の1都2県にわたる広範囲を開発して作られ、東京都の中央3分の1を占める広大な面積を持つ。
同時に学生を対象として『超能力』の研究が行われている最先端科学の研究機関でもある。
技術の漏洩を防ぐため、外周部は厚く高い壁に囲まれ、交通遮断・衛星による監視が行われている、そんな街にこの2人は住んでいた。
上条当麻と神谷駿斗は学園都市の第7学区にある同じ高校に通う者であり、住んでいるアパートの部屋も隣である。
仲は良いと言え、高校でのクラスも同じ、席も前後隣である。
「ふう、やっぱり人のおごりで飯を食うのはいいもんだな」
「野口さんが財布から持ってかれてしまった……はあ、不幸だ……」
「そうため息ばかりつくなよ。余計に幸運が逃げるぜ?」
しかし、一見普通の学園都市の高校生に見える二人であるが、実はかなり特殊な二人なのである。
なぜなら、彼らの能力は
上条当麻の右手はあらゆる異能の力を打ち消すことができる。
……もっともこの右手はあらゆる不幸の源泉となっているようだが。
しかし、神谷駿斗はあらゆる異能の力を
先ほどハチを集めたのもこの能力で創った
これは、あらゆる