とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト)   作:nozomu7

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第10話 魔術師

 俺が寮に帰ってきて自分の部屋がある階まできて見たものは背中をバッサリ切られた血まみれのインデックスとそれを抱き上げる当麻だった。

 

「しっかりしろインデックス! 」

 

 部屋の前で血まみれで倒れている少女を当麻は必死に揺すっていた。俺は慌てて駆け寄る。

 

「当麻! 何があった。」

「わかんねえよ。インデックスを見つけたときにはもう……。くそ! いったい、どこのどいつにやられたんだ!?」

「ん? 僕たち、魔術師だけど? 」

 

 俺たちは背後から聞こえてきた声にふりかえる。そこには背の高い、煙草をくわえた赤髪の神父がいた。

 

「お前が……!」

「こりゃまた、ずいぶん派手にやっちゃって」

 

 俺たちを気にもとめないように、神父はインデックスを見下ろした。

 

「なんで…… 」

「この子が部屋に戻った理由? さあね、忘れ物でもしたんじゃないかな? 昨日はフードを被ってたんだけど……,あれ、どこに落としたんだろうね? 」

 

 目の前の神父は平然とした顔で話している。

 

「バッカやろうが! 」

「フンフンフンフン.....やだな、そんな顔されても困るんだけどね。それをやったのは僕じゃないし.....神裂だって、なにも血まみれにするつもりはなかったんじゃないかな。その修道服、『歩く教会』は絶対防御なんだけど.....はあ、なんの因果で壊れたのか」

 

 俺たちは目の前の相手を強くにらみつける。

 

「邪魔だから退いてくれないかな?ソレの回収に邪魔だ」

「回収だと・・・・・・ッ!」

「あぁ回収さ。そこに居る十万三千冊を回収しに来た」

 

 俺はインデックスの言葉を思い出した。

 

「こいつの頭の中身が目的ってことか……!」

 

 互いににらみ合っていると、

 

「生命の危機に従い『自動書記(ヨハネのペン)』始動します」

 

 インデックスが突然、機械的な口調で話し始めた。

 

「あと二十分で生命活動が危険になります」

「そんなわけだからはやくどけよ、素人」

 

 神父は一歩、インデックスを囲む俺たちに近づいた。

 

「お前の名前はなんだ?」

 

 神父はいきなりで少し面食らうが、すぐに答える。

 

「ステイル=マグネスと名乗りたいんだけどここはForitis931と名乗っておくよ。魔法名と言ってね。色々意味があるんだがここではね」

 

 赤髪の神父、ステイルは一度目を閉じるとこう言った。

 

「殺し名だよ」

 

 

 

「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ

 それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。

 それは穏やかな幸せを運ぶと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり。

 その名は炎、その役は剣。

 顕現せよ我が身を喰らいて力と為せ――――――――――――――――」

 

「『魔女狩りの王(イノケンティウス)』!」

 

 呼び出された炎の固まりは巨人の形となって当麻へと向かい、うでを振り上げる。

 

「これが魔術ってものなのか……?」

「くっ……当麻! 幻想殺しを使って防いでくれ!」

「おう!」

 

 当麻は右手でその炎を防ぐが、いつまでたっても完全には消えることがない。なら、本人を叩く!

 

「さあ行くぞ、イノケンティウス。『我が名が最強である理由をここに証明する!』」

「くっ、てめえが炎ならこっちは氷だ!」

 

 近くにいるだけでも熱く感じられるその炎に対し、俺は構成変換(コンスチチュートチェンジ)で水蒸気から氷を創り出して相手を取り囲む。しかし、

 

魔女狩りの王(イノケンティウス)は摂氏三千℃にも至る! その程度で止められると思うな!」

 

 氷は一瞬で水蒸気と化してしまう。くそ! これでは氷や結晶を作ったところで蒸発してしまう!

 

「おい、これいつまでたっても消えないぞ!」

「なに!」

 

 炎の巨人は当麻の右手を喰らっても平然としている。

 

魔女狩りの王(イノケンティウス)。それは水面に映る月のようなものです。ルーン文字を使った魔方陣を消さない限り再生します」

 

 インデックスはいきなり解説を始めた。

 

「魔方陣? だったら!」

 

 当麻は炎の中に突っ込んでいく。魔方陣を探すつもりのようだ。

 

「これで!」

 

 炎は消滅した。

 

「なに!」

 

ステイルのその一瞬の隙を俺は見逃さない。

 

「吹き飛べっ!」

 

 その背後に重力を発生させる。ステイルは後ろ向きに吹き飛び、頭を強く打って気絶した。 

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