とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト)   作:nozomu7

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第19話 黄金錬成

 俺たちはなぜか三沢塾の前にいた。いや、ステイルに会ったところまでは覚えているのだが、なぜここにいるのかが思い出せない。

 

「なあ当麻。なんで俺たちはこんなところにいるんだっけ?」

「いや、さあ……?」

 

 当麻はそう言って右手を頭に当てた。すると、

 

「な……! ああ。そういうことか」

 

 当麻は何か思い出したのか、一人で納得して言う。

 

「どうしたんだ?」

 

 ステイルが聞くと、

 

「駿斗、こっちに来てくれ」

 

 当麻はそう言って手招きをする。俺が言われたとおりに当麻に近づくと、当麻は俺の頭にその右手を当てた。

 

「なっ!」

 

『いいか、我々の主たる目的は、吸血殺し(ディープブラッド)の保護及び錬金術師アウレオルス=イザードの討伐だ』

『当然。その二人、なかなか面白い力を持つようだな』

『侵入者よ。……ここであったことは全て忘れろ!』

 

 頭の中に鮮明な映像が浮かび上がり……俺は記憶を取り戻した。

 

「ごはっ!」

 

 その声に振り向くと、当麻がステイルにアッパーカットをお見舞いしていた。おい。確かにそれでも記憶は元に戻るだろうけどさ。

 

「じゃあ、もう一度殴り込みに行きますか?」

「いや、その前に三沢塾を破壊しようと思う」

「は?」

 

 ステイルがそんなことを言い出した。

 

「三沢塾が結界となっているんだったら、それごと破壊すればいいからね」

 

 ステイルがそう言うと三沢塾のビルから爆発が起き、崩れ始めた。ステイルは滞った魔力が拡散しているのを見て、アウレオルスの力がもがれるのも時間の問題だと考える。

 

 しかし、

 

――元に戻れ

 

「な…に……ッ!?」

 

 確かに爆破したはずの三沢塾のビルが元に戻っていく。世界最高の錬金術師、アウレオルス=イザードの力は予想以上だった。

 

「おい……これが錬金術なのかよ……」

 

 俺も驚きのあまり、ただビルが音を立てて元に戻っていくのを見ていることしかできない。

 

「ばかな……。まさか、黄金錬成(アルス=マグナ)を……」

「黄金錬成……?」

 

 当麻が聞く。

 

「錬金術の到達点ともいうべきものだ。だがあれは実際には詠唱に時間がかかりすぎて不可能なはずだ」

 

 ステイルはそう言うが、俺はその最悪の予想が正しいのではないかと思う。

 

「何か抜け道となる方法を見つけ出した……と考えるしかないな。実際に奇跡のような光景をこの目で見てしまってからは」

 

 錬金術の到達点というのがどれほどの力を持っているのかは分からない。それでも、俺たちのすべきことには変わりはない。

 

「もう一度行くぞ」

「おう」

 

 

 

 俺たちは先ほどと同じように、しかしまだアウレオルスには会わないように注意しながら三沢塾内を進んでいった。

 

「さて。アウレオルス相手にどうしようか、だな……」

「次こそ殺されかねないからね」

 

 三人で対策を考えながら進んでいく。

 

「じゃあ、黄金錬成を使用される前に口論に持ち込むしかないな。とりあえず今のところは」

 

 そうやって歩いていくと。

 

「姫神……!」

 

 目の前に巫女服の少女が現れた。当麻の言葉からして、姫神秋沙のようだ。

 

「あなた達は何をしに来たの?」

「お前を助けに来た」

 

 当麻がそう言うと、彼女は少し困ったように頬に手をあてる。

 

「助けに……? 何から助けるというの?」

「えっ……アウレオルスからだよ。監禁されているんだろ?」

 

 予想外の言葉に戸惑いつつも、俺は答える。

 

「それは違う。かつてはあなたの言うとおり監禁されていたのかもしれないけれど。今の私は監禁などされていない。私は少し前まではここにいる連中に監禁されていた。でも。今はアウレオルスとの協力のためにここにいる」

「協力? どういうことだ?」

 

 すかさず当麻が聞く。

 

「私がここにいるのは。吸血殺しを抑えるため。そして。アウレオルスを助けるため。彼は言った。助けたい人がいるって。だけど自分一人ではどうあがいてもダメだって。私の力が必要だって。そう。私は生まれて初めて。殺す為ではなく助けるためにこの力を使う事ができる」

 

 この殺すだけしか能がない力で人を救う事ができる。私が殺す存在ではなく、人を救える存在だと証明する事ができる。

 

 姫神はそう言った。

 

「助けたい人とは……もしかして、あの子、インデックスのことか?」

 

 ステイルが言った言葉に、当麻と俺は驚く。

 

「インデックスを助けるって、どういうことだ!?」

「実はアウレオルスはね……かつて、あの子の教師役だったんだよ」

 

 ステイルは話す。

 

「つまり、黄金錬成の力でインデックスの記憶消去をなんとかしようとした……ってところか」

「そうだろうね」

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