とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト) 作:nozomu7
「さて、じゃあ始めますか?」
「ええ」
夜になり、俺たちは侵入を開始する。御坂のおかげで、セキリュティシステムなんてあってないようなものだ。
初めは当麻も連れてこようかと思ったが、こういう場所の研究者なら能力の攻撃よりも銃で攻撃してくる可能性のほうが高いのではないか、と考えた俺はやっぱり連れてくるのはやめにしておいた。幻想殺しは実際の兵器には役に立たない。
当麻の場合、話を聞いたら絶対について来る。だから、インデックスが住むようになったのは俺にとってもこのような点で都合がよかった。
俺は当麻を信頼してはいるが、わざわざ危険な場所に連れてくるつもりはないからな。
「で、協力者が他にもいるんだって?」
布束砥信という、もとは『実験』の研究員だった人だそうだ。
「ええ。彼女は私たちが盛大に破壊活動をしている間に、妹達に『感情』のプログラムを入力するみたい」
感情を持たせることで、計画の足止めとなる。妹達にも、この実験に疑問や恐怖を抱くものが現れるのだ。
ちなみに、俺たちが今いるのが病理解析研究所。布束がいるのが脳神経応用分析所だ。この二つはわりと近い位置にある。俺はこっちが終わったら一応、布束の様子を確認しに行くつもりだ。
「よし、ここもクリア」
さらに奥へと突き進む。すると、天井で爆発が起きた。
「「っ!」」
御坂が磁力を使って落ちてくる鉄骨をそらす。
「やっぱり、そろそろ来るとは思っていたけれどね」
さらに、床に火が走り、その先の人形が爆発した。
(爆弾!)
「いくぞ!」
俺たちは走り出した。再び床の上を火が走り、辺りで爆発が立て続けに起こる。
(よく見たらテープみたいなのが張られているな……導火線としても、爆弾としても使える代物ってことか)
「消え散れ!」
周辺の導火線が消える。
「うそ! 導火線がなくなった!?」
金髪碧眼の少女、フレンダは驚く。
(物質を消せる能力者なんて聞いたことがない。多分物質を分解したんだ。……どちらにしても、相性が悪いってわけよ)
フレンダは基本的に、爆弾を用いた攻撃を得意としている。そのため、物質攻撃を無意味とする駿斗の
「くっ!」
向かってくる二人組の先にある爆弾をリモコンで爆発させる。すると、中から陶器の破片が飛び散った。勢いよく飛ぶそれは、普通の人間だったら十分に脅威である。
だが、それも女が出した電気で簡単に防がれてしまう。フレンダは、御坂が辺りに発している電磁場によって空間把握ができることを知らないのだ。
「陶器爆弾を一蹴って……」
フレンダは階段を駆け上がる。
「見つけたぜ!」
「やっばーいっ」
(すでに階段にはテープを仕掛けてある。これで終わりってわけよ!)
階段で爆発が起こった。
「ぎりぎりまで引き付けたから、結構な高さだったわけよ。これならあの二人でも……」
「この程度か?」
煙が晴れたその後には、鉄骨を宙に浮かせその上に立つ女と、宙に浮いている男がいた。
「マジでピンチってわけよ! っていうか、人が足場もなしに宙に浮くって何!?」
フレンダは全速力で逃げた。
「追い詰めたぜ!」
俺は次の部屋でとうとう接触した。すると、
「Miji cavino capri citreva sgichovire sgicacci slano happa fumifumi?!」
「「は?」」
なんだこいつ? 確かに金髪碧眼だし……って、さっきまで日本語だったじゃないか!
「こんな言語ねえっつうの!」
そして、ビンが投げつけられる。
「っ!」
御坂が電撃で壊すと、爆発が起きた。辺りが何かの気体に包まれる。
「気体爆薬イグニス……さっきのビンに入れた状態であの威力。この状態で電撃を起こしたらどうなるか、分かっているわよねえ?」
俺たちは驚いて相手を見る。
「自殺志願者を見るような眼ね。だけど、こっちは仕事なわけよ。……死ぬのが怖くて、暗部をやってられるか!」
御坂に蹴りが入れられる。
「御坂!」
どうする。下手なことをすると相手は自爆しかねない。まずは、この粉を何とかするべきだ。とりあえず、
「あれ? これ、ただの窒素ガスじゃねえか」
「え?」
やば、なんでばれた? そんな顔を女はした。御坂は……あ、こいつめっちゃ怒ってるわ。
雷撃が走った。