とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト)   作:nozomu7

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第25話 再会と戦闘

 パン! と銃声が脳神経応用研究所に響く。

 

 しかし、布束から銃を向けられた少女は傷一つ付くことなく立っていた。

 

「この期に及んで急所を外す、その気遣いは超見上げたものですが……わたしの窒素装甲(オフェンスアーマー)は拳銃ごときでは貫けませんので」

 

 窒素装甲。

 

 体に窒素をまとわせて、360度どの方向からでも防御ができる。また、それを制御することで拳ひとつで壁を破壊し、片手で自動車を持ち上げることもできる。

 

 それが『暗闇の五月計画』により『一方通行の防御性』を植え付けられた、絹旗最愛(きぬはたさいあい)が持つ能力。

 

「超速やかに運び出してください」

 

 彼女は部下に指示を出し、布束を連れ去る。

 

「さてと……私の仕事は超終わったみたいですね。麦野たちはまだでしょうか」

 

 そうつぶやいて施設から出ようとしたとき、外から騒がしい声が聞こえてきた。布束を連れ出した部下がいる方からだ。

 

「他の侵入者でしょうか……超排除した方がいいですね」

 

 絹旗は声がする方に向かった。

 

 

 

「吹き飛べっ!」

 

 俺は重力操作(グラビティ)で最後に残ったやつを壁に叩き付け、意識を奪う。

 

「これで大丈夫かな」

「well……ありがとう」

 

 布束が話すには、『感情』のプログラムはなぜかミサカネットワークが受け付けなかったということだ。何かロックでもされているのか。原因は分からないと言う。

 

「しかし、面倒なことに――」

「超見つけましたよ」

 

 曲がり角から、少女が現れた。それは……

 

「さっちゃん?」

 

 あの時から年月を経て十二歳ほどになっていたが、その子は確かに俺の幼馴染の少女だった。その証拠に、その左腕には俺が持っている物と同じミサンガがある。

 

 月に照らされたその顔は、目を大きく見開いていた。

 

「まさか……駿斗兄ちゃんなんですか……?」

「久しぶり、だよね」

 

 俺は衝撃から抜け出せないまま言う。

 

「どうして、こんなことしているんですか……」

「決まっているだろ。絶対能力者進化計画とかいうのを止めるためだ。それよりも」

 

 俺は一度息を吐き出す。

 

「どうしてさっちゃんがこんな所にいるんだ……」

 

 認めたくない。自分の幼馴染が裏社会で生きているなんて。

 

 しかし、

 

「決まっているじゃあないですか。施設の破壊を超止めるためですよ。……暗部組織の一員として」

 

 事実は突きつけられた。

 

「だから、ここで超倒れてもらいますよ!」

 

 さっちゃんは拳を握りしめ、素早く俺の懐に飛び込んでくる。重力操作(グラビティ)じゃ、間に合わない! 俺はそのまま肉弾戦に挑む。が、

 

「ぐはっ!」

 

 なんて力だ。これは、肉体強化系か? いや、そもそも人の骨があたる感触がなかった。とすると……

 

「何か、見えない鎧か!」

 

 迫る拳を避けながら、俺は事象解析(アナリーオール)で調べる。すると、窒素の鎧を着ていることが分かった。すぐに構成変換(コンスチチュートチェンジ)を使う。これは基本的に分子単位での結合、状態変化に使用しているが、少しずつだったら原子に分解して組み合わせを変えることで化学反応を引き起こすこともできるのだ。

 

 結晶のトンファーでさっちゃんの攻撃をいなしながら、周辺の窒素を少しずつ一酸化窒素へと変えていく。

 

 そしてしばらくすると、ゴッ、という音とともにトンファーが生身の腕に当たった。さっちゃんは顔をしかめている。

 

「ごめん、さっちゃん」

 

 俺はトンファーを消すと、そのまま腕をつかんで地面に叩き付けた。すぐに重力操作(グラビティ)で拘束する。

 

「そんな……」

「まあ、確かに最初に防御した腕ごと吹き飛ばされたのは痛かったよ。だけど、すぐに治療したからね」

 

 万象再現(リプロダクション)のおかげだ。

 

「それで、どうして暗部組織にいるのか……その理由を聞かせてもらうぞ? うみちゃんのことも一緒にね」

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