とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト) 作:nozomu7
「ふう。できたばかりだったとはいえ、『
俺はそうつぶやくと、気絶しているうみちゃんを抱え上げて御坂と最愛を追いかけた。
「で、目的はこれで達成ってわけ?」
追いつくとすぐに御坂が聞いてくる。
「ああ。と言っても、治療が残っているけどな。こいつの」
俺たちは撤退するために、向きを変えて歩き始めた。
「駿斗兄ちゃん。黒夜の腕は超どうにかできないんですか?」
横を一緒に歩く最愛に聞かれる。
「ああ。少し時間はかかるだろうが、何とかなるよ。……何とかするさ、絶対に」
これを治すには、いつもの
そんなことを考えていた時、轟音が響いた。
「な、なによこれ!?」
「超爆弾だと思います! やつら研究所を丸ごと超爆破するつもりですよ!」
あたりの壁が、少しずつ崩れていく。だが危機的な状況とは対照的に、俺は落ち着いていた。
「えっと、確認なんだけれど。ここって一階だよな?」
「ってことは余計に危険じゃない! アタシ達このままじゃ瓦礫の下敷きよ!」
「慌てんなって」
俺はそう言うと、近くの壁を適当な大きさで
それによって、建物を丸ごと無に帰した。
「はあ、アンタって本当に何でもありね」
月光に照らされる中、御坂が言う。
「まあな。つーか、あいつら研究所ごと俺たちを埋める方針で来やがった……。つまり、ここのデータはどこかにバックアップが取られているということか」
まあそれでも、もうそのデータは不要な訳であるが。
「じゃあ、帰るか」
「ええ」「はい」
帰った後、俺はうみちゃんの機械の腕を外し、ただの鉄くずにしてから就寝した。ちなみにベッドは少女2人に占領されたので、風呂場で寝た。
で、その翌日。
「いい匂いがするな……」
俺は台所から匂ってくるそれで目が覚めた。
「黒夜! 駿斗兄ちゃんが超起きましたよ」
最愛の声が聞こえる。……あれ? なんで俺が起きたって分かったんだ?
そう思った直後、風呂場のドアは開きっぱなしであったことに気がつく。ドアを開ける音がしなかったから、近くに来たことに俺が気がつかなかっただけか。
俺が食卓に向かうと、そこにはすでに朝食が用意されてあった。
「サンキュー。朝食作ってくれたんだな」
俺は2人に声をかける。すると、うみちゃんは料理の手を止めて俺の方に向き直って言った。
「ごめんなさい。駿斗兄ちゃん」
それだけを言うと、うつむいてしまった。
俺はその下げられた頭にぽん、と手を置くと言った。
「おかえり」
「……ただいま」
俺は朝食を済ませると、2人には少し待っていてもらい、隣の当麻の部屋に行った。
「おはよう。朝早くに悪いんだけれど、インデックスに頼みがある」
俺がここに来たのは、海鳥(朝食の時に呼び方を変えさせられた)の腕を取り戻すためだ。万象再現で再現しきれなかった腕を、十万三千冊の知識を借りて復活させたいのだ。
俺は当麻とインデックスに2人のことを話した後、相談をした。
「うん、事情は分かったんだよ。うみどりの腕を再生できるような術式はいくつかあるんだよ」
俺はその言葉にほっとする。インデックスの指導の下、術式を使うための魔方陣を組み立て始めた。
俺の
「文字。星に円。本。石。……こんな感じか」
陣は完成した。海鳥と最愛を呼び出す。
「っと……超何なんですか、この部屋は!?」
「うわ。すげえオカルティック」
2人が部屋の様子に驚く。まあ、魔術を知らない人間はそうだろうな。
「じゃあ、これで海鳥の腕を復活させるぞ。じゃあ、当麻は出て行ってくれよ?」
「了解」
「じゃあ、始めるか」
俺は以前不完全ながら解析したステイルの魔力を『再現』し、回復魔術を使い始めた。
海鳥の体が光に包まれる。