とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト)   作:nozomu7

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第32話 表の世界

 無事に海鳥の腕は復活した。

 

 俺たちはインデックスに礼を言うと、自分の部屋に戻る。

 

「で、とりあえずやることやっちゃったことだし。適当に出かけるか?」

 

 俺は早速提案する。

 

 こいつらには『表』の世界に早く慣れておいてもらいたいし、その他にもついでに佐天さんや初春さんにも会わせておきたい。『表』の世界で友達を作っておいてもらいたいのだ。

 

「で、どこに行くんだ?」

 

 海鳥に聞かれる。

 

「……さあ? 適当に街中でもぶらつく」

「超適当過ぎるんじゃあないですか!?」

 

 気にするな。

 

 

 

「……という訳で街中にやってきたわけだが」

「何やら騒がしいよな」

 

 2人の少女を連れて街中まで来たわけであるが、警備員(アンチスキル)だの、風紀委員(ジャッジメント)だのが大勢いた。

 

「事件でも超起こったんでしょうか」

 

 最愛はそう言って辺りを見渡した。

 

 すると、近くに風紀委員の腕章をつけた初春さんがいるのを見つけたので、俺は声をかける。

 

「初春さん。何が起こったんだ?」

 

 俺がかけた声に、初春さんが振り向いた。

 

「あ、神谷さん。その線から入らないようにしてください。武装無能力集団(スキルアウト)がこの路地裏をよく活用しているとの情報があったので封鎖しようとしたところ、偶然居合わせた人達が銃を持って応戦してきまして。今、銃撃戦になっているんです」

 

 野次馬を呼び寄せないためか、何らかの方法で防音処置がされているようで音は聞こえない。しかし、これだけのの人数がかり出されていることを考ええると、それなりに大きな事件のようだ。

 

 最愛が言う。

 

「超片付けましょうか?」

「ああ」「おう」

 

 俺たちは野次馬達に近づかれないように張られているその線を越えて、銃声が鳴り響く方に進む。

 

「って、だめですって! 神谷さん!?」

 

 初春さんの声をスルーして、俺たちは路地裏へと飛び込んだ。

 

 

 

 俺は路地裏に飛び込むと同時、構成変換(コンスチチュートチェンジ)で周りの警備員を含めて守るように結晶の盾を作り出す。警備員と武装無能力集団は突如現れた俺たちに驚くが、次の攻撃を待たずに最愛が武装無能力集団の男たちに突進していく。

 

「くっ! なんだこいつら!?」

 

 すると、男たちは慌てて最愛に銃を向けて発砲した。しかし、

 

「残念ですが、私の窒素装甲(オフェンスアーマー)は拳銃ごときでは貫けませんので」

 

 最愛は窒素装甲を展開してそれを無効化、そのまま接近する。さらに海鳥の窒素爆槍(ボンバーランス)で銃が破壊された。丸腰になった男達を最愛が拳でなぎ払う。

 

 一気に決着が着いた。

 

 つい最近まで闇の中で生きてきた2人にとって、銃はもはや見慣れたものとなっていた。だから、銃口を向けられた程度で動揺する2人ではない。

 

 そして、 

 

「はい、終わり」

 

 俺は銃撃が収まったのを確認すると、重力操作(グラビティ)で相手を地面に叩きつける。

 

「あ、あなたたちは!?」

 

 1人の警備員が驚いたように言う。だけど、

 

「じゃ、さいなら。2人とも行くぞ」

 

 俺は波動干渉(ウェーブインターフェア)で姿を消すと、面倒なことになる前に脱出した。

 

「「(超)待ってくれよ(くださいよ)、駿斗兄ちゃん!」」

 

 あ、これじゃああいつらにも分からないんだった。俺は角を曲がったところで能力を解除する。2人が追いついてから、周りを包囲している線から出るためにしばらく歩くと、「あの」と声がかけられた。

 

 初春さんだ。

 

「ありがとうございました」

 

 初春さんはそう言うと、頭を下げた。

 

「気にすんな。俺たちがやりたくてやっていることだからな」

 

 そう言うと、

 

「そう言えば駿斗兄ちゃん。超知り合いだったんですか?」

 

と、最愛に聞かれた。

 

「ああ、前にちょっとな」

 

 俺はそう答えると、海鳥が歩み出た。

 

「黒夜海鳥だ。よろしくな」

「絹旗最愛です。超よろしく」

 

 2人はそう言って、手を出した。でもそれは少しだけ、恐る恐る、という感じがした。

 

 彼女たちは闇に落ちてから、裏世界とはほとんど関わっていない人間に触れたことはない。当麻にしろ、御坂にしろ、何らかの形で闇と関わっている人間ばかりだったのだ。

 

「初春飾利です。よろしくお願いします」

 

 初春さんの手が2人の手を順に握る。

 

 俺は、そして2人も同じように、表の世界にやってきたことを実感したのだった。

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