とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト)   作:nozomu7

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第33話 常盤台へ行こう

「そう言えば夏休み明けに転入する中学校、2人とも決めておけよ」

 

 ある日、最愛と海鳥の2人と昼飯を食っているときに俺は言った。

 

「「中学校?」」

 

 その言葉を聞いた2人は、いかにもだるいですって感じの表情になった。

 

「今更通い直すのも超面倒くさいんですが」

「だよな。研究所の方でかなり色々勉強はさせられていたし」

 

 2人は口々に言う。

 

「っていうか、中学校の勉強内容でしたらたぶん、超勉強し終わっていると思いますけれど」

「そういう問題じゃなくてさ、ほら。こういう言い方も何だが、お前ら友達とか少ないだろ? さしずめ、御坂と初春さんくらいじゃねえか。年が同じ友達つくっておけよ。それに、学校行事とか数少ない体験ができるじゃねえか」

 

 夏休みが明ければ大覇星祭(だいはせいさい)が、さらに十一月になれば一端覧祭(いちはならんさい)がある。2人にとってはいい経験になるだろう。

 

「ということで、見学にでも行ってこい中一ども。お前らなら常盤台だって入れるだろうからな」

 

 

 

「そんな感じで、中学校見学をすることが超決まってしまったのですが」

 

 最愛と海鳥は、ファミレスで待ち合わせをした御坂と初春、そしてそれぞれについてきた佐天と白井に話す。なんだかんだで2人では不安なので、御坂と初春を相談役に呼んだのだった。

 

「お姉様が納得なさるお2人でしたら、常盤台中学でも何も問題はないと思われますの。わたくしとお姉様で案内して差し上げますわよ?」

 

 一通り自己紹介を互いに済ませた後に、事情を聞いた白井はそう言う。

 

「お2人とも大能力者(レベル4)なんですね。うらやましいです。常盤台ですよ常盤台!」

「すごいよねー。わたしたちじゃあ、学舎の園に入ることもできないからなあ」

 

 初春と佐天は口々に言う。

 

 お嬢様学校への憧れがある初春は、とてもうらやましそうに最愛と海鳥を見た。

 

「常盤台かー。寮とか大変そうだよな」

 

 海鳥はつぶやく。

 

「そんなことないわよ。能力の使用と門限さえ守ればいいようなものなんだし」

 

 そんなことを言う御坂が、実は寮官に一番に目をつけられている人間だったりするのだが。

 

 能力の使用、門限。同じ部屋である御坂と白井はともに校内一の違反者だったり……。

 

「でもやっぱり超制限は付くんですね」

 

 はあ、と最愛と海鳥の2人は肩を落とす。

 

「別に、そこまで落ち込まなくてもいいんじゃない? それに2人の能力は、日常生活で便利ってわけでもないでしょ?」

 

 必要以上にがっかりとした様子の2人に御坂が声をかけた。

 

 すると、2人は言った。

 

「能力が超制限されることではありませんよ」

「門限があると、な」

 

((駿人兄ちゃんに(超)会いに行く時間が減る……))

 

 考えることが2人して同じであった。

 

「わたしたちも一緒に行っていいですか!学舎の園に入ってみたかったんです!」

 

 ここぞ、とばかりに佐天が前に乗り出した。初春も目を輝かせて首を縦に振る。

 

 しかし、御坂は言った。

 

「え、でも前に一回入らなかったっけ?」

 

 実はこの2人、以前に一回だけ学舎の園に御坂と白井に招待されるような形で入ったことがある。

 

 だが、

 

「前回のあれはちょっと」

「はい」

「ああ、ごめん……」

 

 佐天と初春の言葉に、御坂は苦い顔をして謝った。 

 

 前回来たときは、佐天が幻想御手(レベルアッパー)を使用した重福省帆(じゅうふくみほ)に襲われ、1週間は消えないというフェルトペンで濃い眉毛を描かれ痛い目にあったのだ。そして、そのまま相手を逮捕するために動いたので、あまりゆっくり中を回ることができなかった。

 

 ちなみに重福を励ました佐天は後日手紙をもらい、その後も幻想御手使用者が対象の補習などで会ったりしたらしい。

 

「今回こそは……行きたい店を全部回りましょう!」

「超気合いが入っている!?」

 

 初春も気合い十分であった。

 

「あれ、これってアタシ達の中学見学の話だったよな?」

 

 海鳥は1人、つぶやいた。

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