とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト)   作:nozomu7

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第34話 食蜂操祈

 そんなわけで2人の案内者の下、常盤台中学校に4人の部外者(転入希望者2人+おまけ2人)が来た。

 

 しかし、その4人と白井黒子は現在、非常に困っていた。

 

 なぜかというと……

 

「あらぁ、御坂さんはまた新しい子をつかまえたのかしらぁ? もう下手な派閥よりも大きいわねぇ」

「この3人、いやアタシの友達に手を出したら、ただじゃあおかないわよアンタ……!」

 

 御坂が1人の生徒と火花を散らしていたからだ。

 

「ええと、御坂さん。その人は……?」

「アタシの後ろに下がっていて、初春さん! こいつに操られたら何されるか分かったもんじゃないわ!」

「とりあえず落ち着けよ、御坂」

 

 海鳥が御坂に言う。

 

 彼女らの目の前に立つのは超能力者(レベル5)、第5位。心理掌握(メンタルアウト)食蜂操祈(しょくほうみさき)

 

 精神系では学園都市最強の能力で、記憶の読心・人格の洗脳・念話・想いの消去・意志の増幅・思考の再現・感情の移植など……精神に関する事ならなんでもできる十徳ナイフのような能力。

 

 そして彼女は、常盤台中学の中で最大の派閥を作っている人物でもある。

 

「もう御坂さんったらぁ。そんな怖い顔をしなくてもいいんだゾ☆」

 

 食蜂はそんなことを言う。が、御坂は気がついていた。

 

「アンタ、周りの人を操った状態にしておいてよくそんなことが言えるわね……!」

「お、お姉様。落ち着いてくださいまし。食蜂さんも、挑発するようなことはやめてこの場はどうか収めてほしいですの」

「とりあえず、2人とも超離れましょうよ」

 

 白井と最愛が止めに入った。

 

「じゃあ御坂さん。また後でねぇ」

 

 食蜂は去っていた。

 

(まあ、あの子達おもしろそうだからちょっと後をつけてもらいましょうかねぇ)

 

 何人かに後ろをつけさせてから。

 

 

 

「あの人と何かあったんですか御坂さん?」

 

 佐天が御坂に聞く。すると、御坂は食蜂の持つ力の説明をした上で「気をつけて」と強い口調で念を押していた。

 

 とりあえず去って行ったので一安心した御坂だが。

 

「なあ絹旗」

「ええ黒夜。超分かってますよ」

 

 この少女2人は、元暗部の人間である。そのため、尾行されていることには薄々気がついていた。

 

 しかし一瞬、その気配が消える。

 

(超諦めた? いや、それとも気配を超消すことができるような能力でしょうか……?)

 

 最愛は考える。が、御坂がその様子に気づく。

 

「どうしたの、2人とも? 何か難しそうな顔をしているけれど」

 

 そっちに集中して4人のことを忘れてしまっていた。

 

 とりあえずは見学のことに集中しよう、そう2人は考えて常盤台の校舎の中に入っていく。

 

 ちなみに柵川中学の2人は常盤台の中にまでは入れないのでここで待機、ということになり、それに白井が監視役になった。

 

 校舎の中に入ったところで海鳥が言う。

 

「まあ白井だっているのなら、下っ端くらいは大丈夫だよな」

「ええ。危険は超ないとは思いますけど」

 

 突然そんな話を始めた少女2人を御坂は訝しげな目で見た。

 

「どうしたのよ。いきなりそんな……」

「超尾行されていたんですよ」

 

 返答に御坂は驚きをあらわにした。

 

「そんな、そこまで……!?」

「まあ、下っ端でも操っていたんでしょうね。強度(レベル)は低いけれど、一瞬だけ人からの認知を阻害するような能力でしょうか」

 

 その言葉に、御坂は一人の少女を思い出した。

 

「重福さん……!」

 

 前に常盤台中学の生徒や佐天を襲った、学舎の園にある別の中学の女子学生だった。

 

 御坂は怒りを露わにしたままだが、それでも2人になだめられながら外部の受付まで案内をする。

 

 一方、最愛と海鳥は先ほどから視線を感じていた。

 

 これは先ほど話題に上がっていた、食蜂操祈からの差し金ではない。

 

「やっぱり目立つよな。私服では(・・・・)

 

 そう、2人は制服ではなく私服なのである。

 

 理由は単純。『闇』で生きていた彼女らが持っていたはずがないのだ。

 

「「はあ……」」

 

 改めて表と裏の違いをかみしめた2人だった。

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