とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト) 作:nozomu7
結局、最愛と海鳥の2人は佐天さんを外に出すことはできなかった。
地上へと通じる階段やエレベーターは隔壁により封鎖され、ダクトは元より人が通れるサイズではないのだ。
「……向こうはこっちの顔を確かめてから襲ってきたみたいだし」
当麻がつぶやくが、俺はさっき魔術師が言っていた言葉が気になっていた。
風斬氷華を『虚数学区の鍵』と言ったのだ。
姫神も同じようなことを言っていた。おそらくは間違いないのだろう。
しかし、風斬の正体は気になるが今は優先事項があった。
「えっと……どうするんですか?」
佐天さんが聞いてくる。
「あの野郎を迎え撃つぞ。中学生3人とインデックスはどこかに隠れてろ。あいつの狙いは俺たち高校生組らしいからな」
「おう。とりあえず、テロリストの野郎をぶん殴って、さっさと終わらせるぞ」
と、俺たちは言ったが、
「とうまたちこそ、ひょうかと一緒に隠れてて。敵が魔術師なら、これは私の仕事なんだから」
インデックスはそう言って聞かない。
まじゅつし? とインデックスの言葉に?マークを浮かべている中学生達を無視して、当麻が言う。
「アホか、お前の細腕で喧嘩なんかできるかよ。いいからお前は風斬と一緒に隠れてろって」
「今までのラッキーが実力だと思っている魔術の素人のとうまとはやとは、ひょうかと一緒に隠れててって言ってるの」
「はっ、何を仰いますやら。この不幸の擬人化である当麻さんにラッキーなんかあるはずねーだろ」
「つーか、今まで表だって戦ってきてないインデックスが言える台詞じゃあないと思うんだが」
そこに窒素少女2人が加わってくる。
「何の話をしているのかは超よく分かりませんが、とりあえずここを出る方法を考えましょうよ」
「っつーか、なんなら出口を塞いでいる瓦礫をわたしが
そう言いあっている俺たちに、風斬はオロオロしながら言う。
「……あ、あの…何だかよく分からないんだけど…私が、何か手伝うって方向は…ない、の?」
「「「「「ない(超ありません)」」」」」
俺たちと窒素コンビに即答された。
しょんぼりとうな垂れた風斬だが、次に手近な曲がり角から聞こえたカツン、という足音に反応する。
「お前ら! 下がってろ!」
「みんな逃げて!」
当麻とインデックスは皆を庇うように前に出て――
「わっ」「きゃ」
――その結果、互いの身体がぶつかって、2人はもつれて勢い良く転んでしまった。
と、その時、曲がり角の向こうから聞いたことのある声が飛んできた。
「あら? 猫の鳴き声が聞こえますわね」
「白井か……?」
そういえば、あいつも
やはりというか、曲がり角から御坂と白井が現れた。
「アンタ、こんなトコで女の子に押し倒されて、何やってる訳?」
「……あらあら。こんな時間から大胆ですこと」
やばい。当麻の様子を見た御坂が漏電しかかっている。
対してインデックスは顔だけを上げると、
「む、短髪!」
やはり、己の敵を見たかのような対応をする。
「修羅場かな」
「だな((ですね))」
俺たちを無視して、2人の少女は互いをにらみつける。
「ねぇ、アンタに1つだけ聞きたい事があるんだけど」
「私も聞きたい事があるんだよ、短髪」
「へぇー……ってことはアンタも頼んでもないのに駆けつけてきてくれたクチ?」
「……うん、命の恩人だったりする?」
「「……」」
2人はほんの僅かに沈黙して、それから同時に溜息をついた。
「「アンタ(とうま)!私の見てない所で何やってたか説明してもらうわよ(欲しいかも)っ!!」」
突然矛先を己の身に変えられた当麻は表情を変える。ちなみに、事情を知らない風斬は先ほどからオロオロするばかりである。
「はあ、お前ら。今の状況分かってんのか? テロだぞテロ。まずはこの地下から脱出することが優先だろうが」
「そ、そうですよ、御坂さん!」
俺は呆れて言い、佐天さんも言ってくれたが、彼女たちは目の前のライバルのほうが重要らしい。
「(なるほど。大体あやしいとは思っていましたが、お姉さまがわたくしを差し置いて上条当麻に身も心も全てさらけ出したというわけですわね……)」
白井が何かぶつぶつと言っているが、何だろうか。
とりあえず、俺たちは状況を白井に確認することにした。
「この地下街でテロリストが活動中のようなので……。大規模な戦闘が起きる場合に備えてわたくしが閉じ込められた人たちの避難を
「じゃあ、白井がこいつらを送ってくれ。俺らはここに残って……」
「「あんたがまず先に出るの!」」
インデックスと御坂が息をピッタリにして反論する。だけど、
「お前ら、当麻の力は知っているだろ? 当麻をテレポートすることはできないぞ」
「あ……」
ちなみに、俺も基本的にはテレポートさせられない。多分、精神系能力と同じ理屈だろう。ただ、前に会った
そういえば、あいつはどうしているんだろうか。さすがにあんなことに何度も遭遇はしていないと思うんだけれど。
なんとなく、悲しげな顔をしていたので『許可』を出してしまったが。まあ、名前と年齢と学校名くらいばれたところで差し支えはないだろう。
白井が強引に喧嘩中の2人を連れて行ってくれたのは非常に助かった。
今この場に残っているのは、高校1年生3人と中学1年生がやはり3人。