とある神谷の幻想創造(イマジンクリエイト)   作:nozomu7

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第55話 遊園地での戦闘

「げっ、アニェーゼ!?」

 

 当麻のその声で俺は目が覚めた。

 

 見ると、下着姿のアニェーゼが当麻の上にのしかかっている。……って、いつものラッキースケベかよ。

 

「夢……そう、これは夢。だから当麻にどれだけ噛みついても大丈夫……」

 

 その声の方向を見ると、インデックスが歯を光らせている。

 

 ……やばくね?

 

 とりあえず俺はアニェーゼを毛布で包んで当麻から引き離すと、銀髪シスターを止めにかかる。

 

 

 

 当麻のいつも通りの不幸(ラッキースケベ)も無事に解決(?)し、今は天草式がいるというパラレルスウィーツパークに向けて準備を進めている。

 

 俺たちのやるべきことは法の書とオルソラの救出。そして、『渦』の破壊。

 

「おいステイル。お前、本当に時間内に全部の仕事を片付けられると思うか?」

 

 俺はルーンの魔術師に問う。

 

「正直厳しいだろうね。実は、ローマ正教に伝えていない情報が一つある」

「えっ?」

「……それは何だ?」

 

 俺は嫌な予感を抱えて聞く。

 

「イギリス国内にいたはずの、神裂火織が消えた」

「神裂だと!?」

 

 神裂は大天使の攻撃を迎え撃ったほどの実力を持つ、世界に20人といない『聖人』だ。彼女の居場所が分からないことは、危険にも程がある。

 

「恐らくはかつての部下……いや、仲間を思っての行動だろうね」

「と言ってもな……」

 

 神裂の魔法名は『救われぬものに救いの手を(Salvare000)』。オルソラを助け出すまではOKだろうが、アニェーゼ部隊が不必要に天草式を追い詰めようとすると彼女を敵に回しかねない。

 

「だったら、オルソラ優先ってことでいいな。法の書だって、解読できなければ宝の持ち腐れなんだろ?」

「構わないさ」

 

 俺の言葉に、ステイルはそう返した。

 

「わたしもそれでいいと思うよ。ただでさえ人数が少ないんだから、みんなでまとまらないとね!」

 

 インデックスもそう言った。

 

 その時、大きな音が聞こえた。陽動が始まったのだ。

 

 

 

 俺たちが移動していると、俺は魔力を感じた。

 

「いるぞ。数は6、7人ってところだ」

 

 すると、建物から剣を持った少女が飛びかかって来た。俺は構成変換(コンスチチュートチェンジ)で結晶の大剣を作りだすと、身体強化術式を使用して3メートル近いそれを叩き付けて剣ごと少女を吹き飛ばした。

 

「当麻は先にオルソラを探しに行け! ここは俺だけで十分だ!」

 

 当麻は一瞬戸惑ったようだが、ステイルが投げた十字架を受け取ると走って行った。すると、他の連中が出てきたので俺はそいつらの中で一番当麻に近い位置にいるやつを重力操作(グラビティ)で壁に叩き付ける。

 

「さてと……お前らをまずは片づけてから当麻と合流させてもらうぜ」

 

 俺がそう言うと、連中は何も言わずに武器を構えなおした。

 

「いくぞっ!」

 

 リーダー格の少年が号令をかけ、武器を持った少年少女が一斉に地面を蹴る。俺は地面に細工をしながら、左右に魔方陣を描いた結晶を作りだした。

 

 右から放たれるのは水の塊。それは一気に彼らたちを飲み込んだ。

 

天使の力(テレズマ)を使ったものも考えておいて正解だったな。力の質が魔力とは違う)

 

 さらに、左から放たれるのは風。それによって水の勢いを増し、攻撃範囲を広げる。

 

「くそ! もっと広がれ!」

 

 誰かが言うと、奴らはさらに均等に囲むような配置になった。

 

「なるほど。じゃあ、広範囲攻撃にするか」

 

 俺は先ほどの水に火と土を混ぜるように術式を使う。そして、爆発が起こった。

 

 水蒸気爆発。

 

 水が非常に温度の高い物質と接触することにより気化されて発生する爆発現象。

 

 爆発が晴れた後には、多くの天草式の人たちが倒れていた。

 

「まあ、大したケガはしていないと思うけど」

 

 残った天草式の人は、警戒を強めたようだ。陣形が変わる。

 

 1人が他の人の背中に触れると、連中が俺と戦いながらも同じように他の人の背中に触れていくのが分かった。すると、変化が起こる。

 

 彼らの速度が速くなったのだ。それも、聖人に追いつけるのではないかというレベルで。

 

 身体強化か。……いや、慌てるな。

 

 俺は大剣を地面に叩き付けて砂埃で姿を消すと、波動干渉(ウェーブインターフェア)で完全に隠れて移動する。

 

 しばらくすると、風で砂埃が晴れる。いなくなっていた(ように見える)俺を連中は探しに行くようだ。

 

 注意がそれるそのタイミングを待っていた。

 

 先ほどの砂埃を晴らした風は、俺が魔方陣を書いて発生させたものだ。それによって、相手に「敵はいなくなった」と思い込ませた。

 

「オルソラを連れ去ったときのお礼だよ」

 

 俺はつぶやいたその時、彼らが踏んだ地面が崩れ落ちる。先ほどの細工だ。

 

 構成変換(コンスチチュートチェンジ)は基本的に物質の結合状態を変えているだけなので、別の能力に切り替えてもそのまま残る。(ただし空気中の不純物などから作りだした結晶のように、結合に大きなエネルギーを必要とするものはもとに戻ってしまうが)

 

 だから、今のような細工程度だったら他の能力を使ってもOKだ。

 

「じゃあ、当麻たちと合流しますかね」

 

 俺は走って向かう。

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