遊戯王艦これ5Ds 遊星提督が着任しました   作:パトラッシュS

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邂逅

 

 

 鎮守府工廠内

 

 Dホイールで突っ込んだ彼は辺りを見渡した、そこは見たことが無いような造りの建造物に囲まれた工廠。

 

 どこなのか、自分があの光の道の先でどうなってしまったのか、皆目検討もつかない。

 

 

「ここは…一体…俺はどこに来てしまったんだ」

 

 

 遊星はそうつぶやいて辺りを見渡す。

 

 寂れたとは言わないが、最近、あまり使われた形跡がない工廠、そして、何かと使い捨てにされた弾薬や鋼材。

 

 なんとも言い難い雰囲気を醸し出すそこは、遊星がかつていたサテライトをどこか思い出させる様なそんな雰囲気であった。

 

 

「…とりあえず、Dホイールはなんとか大丈夫だな……しかしそれにしても、なんだか懐かしいなこの機械臭さは」

 

 

 そう言って、遊星は辺りに散らばる鋼材や弾薬を手に取り、見定める様にそれぞれじっくりと観察する。

 

 遊星はデュエルリストである前に本来、優秀なメカニックであり、サテライトにいた頃は自分でDホイールを作ったり機械弄りやそちらの方面のスペシャリストだった。

 

 そんな遊星からしてみれば、ここはいわば宝の倉庫の様なもの、これならばDホイールを直すどころか二台ほど新たに作れるくらいだと遊星は思った。

 

 本来、恵まれた環境でないサテライトではガラクタを集めてはDホイールの部品にしていた遊星

 

 彼に掛かればここにあるもので十分に色んなものが作れる。

 

 

「お…?こいつは使えそうだ、鉄や鉛が結構あるからだいぶ助かるな…」

 

 

 そう言って、鋼材などの資材を漁くる遊星、そうして、彼はふと、鉄臭さの他に何か別の匂いを感じその場から立ち上がる

 

 そう、それは自分がいる場所に関係する事であった、明らかにどこか違う場所、だが、その自分がいる場所を確信するにはその匂いは確定的な匂いであった。

 

 

(潮の匂い…そうだ、この特有な匂いは潮風の匂いだな…という事はこの工廠は海の近くにあるのか…)

 

 

 遊星はそう内心で気がついた事を呟く

 

 そう、海の近く、彼はその事を踏まえて工廠を見渡してみた、よくよくみれば造船所のような…しかし、似てはいるがまた違っている場所

 

 普通の造船所ではなく、何かしら不可思議で奇妙な工廠である事は間違いない事実であった

 

 ふと…遊星がそんな考えにふけっていると…。

 

 

「ヘーイ!ユーが新しい提督ですネー!待ってたネー!」

「!うぉ!?」

 

 

 後ろから何者からかいきなり抱きつかれた。

 

 不意打ちだった事もあり、遊星は反応できずにその腕と何かしら柔らかい物に顔と頭を挟まれる。

 

 そして、何かしら甘い香りというか、男性にはないその柔らかい匂いから彼はそれが女性である事を察した。

 

 

「な、なんだ!」

 

 

 そう言って、彼は巻きつく腕を掴むとゆっくりと自分の身体から引き離そうとするがなかなか離れない。

 

 それどころか、遊星に絡みつくその手はガッチリとホールドし、まるで獲物を逃さない様にするかの如くものすごい力だった。

 

 

(ば、バカな…!この匂いや細い腕からして恐らくは女性な筈!なんだこの力!)

「ノンノーン!私は一度食らいついたら離さないワー!、新しいテートクですよネー!待ってたネー!」

 

 

 そう言ってはしゃぐ様に声を上げる女性

 

 遊星はとりあえず、この状態では冷静な話や事情を話し合う事や聞いたり出来ないことを悟ると、とりあえず自分をガッチリとホールドしている女性にゆっくりとこう告げた。

 

 

「とりあえず、逃げないから離してくれないか…?俺も話がしたいし、君の話も聞きたい」

「あ、…oh!…ソーリィー!つい嬉しさのあまり感情が先走っちゃったデース!申し訳ないネー」

 

 

 そう言って、遊星の言葉に素直に従う様にして拘束を解く女性

 

 そうして遊星は拘束を解いてくれた彼女の方へと振り返った

 

 茶髪と言うのだろうか、いや、それよりもまず最初に眼がいったのは彼女が身に纏う巫女服の様な格好、容姿と言えば文句のつけようがない程の凛々しい美人であった

 

 彼は一先ず、息を整えると、彼女にこう語りかける。

 

 

「ここはどこなんだ…?、それと君は一体…、あの力は普通の女性では出せるようなものじゃないだろ?」

「oh…そうネー、いきなりこんなところに来たんだし混乱もしますよネー、それじゃ私が今から1から説明するからサー、しっかりと聞いてくださいネー」

 

 

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 金剛からのすべての説明を受けて、再び沈黙する遊星

 

 彼は彼女から色んな事を聞いた、それは彼女達が戦う敵の事、そして、捕らわれた姉妹達や仲間の事、それと自分達が艦娘と呼ばれる、対深海棲艦の兵器であり他の女の子達とは違う存在だということ、そして、自分達が心がある少女である事、この鎮守府が今危機に晒されている事を全て遊星に語り尽くした。

 

 遊星は静かにそれを全て聞き入れると静かに眼を閉じ、金剛にこう告げはじめた。

 

 

「…そうか、そんな事が…、だが、仮にその提督という役目、俺が勝手に引き受けてもいいものか…」

「…そこのとこは大丈夫ネー、本来それぞれ鎮守府というのは独立してマース、だから、誰が成ろうが構わないという感じで、それにここは辺境ですからネー、この鎮守府に来たがる人も居ないんデース」

「そうか、しかし、前の提督は何故左遷を…?」

 

 

 そう金剛に訪ねる遊星、確かに自分でなくても前に着任したという提督ならば、専門分野や彼女達の使い方も熟知していたはずである

 

 しかし、左遷、この訳を遊星は聞きたかった、だが、金剛は重い表情を浮かべたままこう告げはじめる

 

 

「…まぁ、考え方の違いネ、言ったでショー?私達には心があるって、妹達や仲間を奪われるような指揮、怠慢な仕事、娯楽やお酒に溺れ、艦娘を道具としてしか見ない、そして私達に身体を要求する様な筋違いの考えの提督を誰が容認できますカー?」

「…酷い話だ」

「でショー?、私達艦娘には一人一人には意思表明出来る直談判権が特別に作られてマース、艦娘一人一人の意見を運営と呼ばれる管理者に上訴する事ができるのデース、これによって彼は短期間のうちに剥奪の後に左遷されたわけですヨー

 まぁ、幸いだったのが大事になる前に彼に汚された艦娘が0人だった事デスネー」

 

 

 そう答えながら金剛は思い出したくもないと言わんばかりに嫌悪感を示した表情を浮かべて遊星に告げる

 

 確かに、彼女の多様な表情を見ていると艦娘は色んな感情を持った1人の少女であると認識させられる

 

 

「だが、そんな辛い事があってもまだ君は諦めなかった、そうか…だから俺はここに来たのかもしれないな」

「What?どういう事デース?」

 

 

 金剛は何か思い当たる様な表情を浮かべている遊星にそう訊ねる

 

 遊星はそんな彼女の言葉にフッと軽く笑みを浮かべると、彼女にこう告げはじめた

 

 

「提督が居ない間、君はこの鎮守府を守り続けた、そして、なによりも妹達と仲間との絆を信じ続けた…、だからこそ、それを間違いではないと示すために俺がここに呼ばれたとそう思ってな」

「……………」

「だから、俺はこの絆が決して偽りじゃなく、本物だと証明してみせる、こんな俺で良ければここで提督をやらしてくれないだろうか?」

 

 

 遊星はそう言って、真っ直ぐに金剛に視線を向けたままそう告げた、彼は自分がここに呼ばれたのは彼女達を救う宿命を赤き龍に背負わされたからだと直感的に感じた

 

 デュエリストとして、そして、1人の人間として必要とされているのならば応えてあげなくてはいけない、そんな義務感に推される様に

 

 

「…なら、この金剛、提督の為に戦い抜きマース、提督、これからよろしくネー」

「あぁ…こちらこそよろしく…ッ!」

 

 

 その時だった、遊星が持つデッキの一番上のカードが光を帯び始め輝き始める

 

 遊星と金剛はその事に驚きつつも、遊星は一旦冷静になり、光ったカードを掴みドローする

 

 するとそこには…

 

 

「…これは…」

 

 

 それは、遊星のデッキにおける古き戦友であるシンクロモンスタージャンクウォリアーのカード

 

 そして、そのカードを手にとった瞬間、遊星の頭にあるものが過る

 

 

(……!…なるほど…これが金剛との新たな絆の力か…)

「な、なんデスカー?!いきなりカードが光ったケド…、…提督?」

 

 

 カードを手にとった遊星を見ていた金剛は何も応えない彼をじっと見つめたまま首を傾げ声をかける

 

 すると、遊星は手にとったカードをしまうと彼女にこう告げた

 

 

「いや、大丈夫だ、問題ない、それじゃ部屋に案内して貰えるか?いろいろとやることがあるんだろ?」

「えっと…もうカードは大丈夫なの?」

「あぁ、もう問題ない、もう済んだ、それじゃ改めて案内を頼もうか」

 

 

 そう言って、金剛から連れられて、ひとまずDホイールを置いて工廠を後にする遊星

 

 こうして、世界を救った英雄、不動遊星は辺境にある鎮守府へと提督として着任する事になったのだった

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