第8話 インダストリアル7.1
わたし気づいたんだけどさ、この世界って原作と違って接岸場がないんだよねー。
だから普通に入国管理局があって、パスポートが必要なんだけど...
「三人ともパスポートどころか、保護者も無いからほんとどーしようか...」
という、かなり出鼻を挫かれた状態になってるんだけど...
「もしもし、茜さん?はい、えぇ...学長が?はい...ラステイション教会に...
わかりました。すいません...はい。」
黒君の転生鎧装に茜から通信が入った。
あれ通信機能もあったんだ...って思いながら黒君は入国管理局の受付の人に
その通信の内容と何かを見せていて...あ、なんか渡された。
それをもって黒君はこっちに戻ってくる。
「お兄ちゃん、何を言ったの?権力?それとも暴力?」
「そんなことしてないよ白...僕をなんだと思っているのさ...」
なーんてことを言いながら黒君は説明してくれた。
途中はよくわかんなかったけど、黒君がざっくりとまとめた
概要も話してくれたんだ。
「つまり、全国に顔の広い学長が僕たちの国境移動を自由にしてくれって
頼んだんだよ。で、今は管理局の人が会議しているわけさ。」
「結局権力じゃん...まぁいいけど...」
白ちゃんの毒が黒君に注がれるけど、そこは気にせず...
そして気づけば...呼ばれるまでに十数分経っていた。
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どうにか入国審査を突破した僕たち三人は、
国境近くにある工業ブロック、インダストリアル7.1にいる。
「凄いなぁ...工場がたくさんある...」
「それよりもお兄ちゃん、とりあえず教会に行かないと。
あかねぇが言うには一番ここの女神様が性格がまともな方って話だし。」
毎度毎度思うけど、やっぱり茜さんって凄い人だよなぁ...
っと、そんなことはともあれ、夕方4時に僕たちは教会に着くことが出来た。
「ネプテューヌさん、一番大人っぽそうなので最初に門を叩いて下さい。」
「え?なんで?」
教会に着くと異様なまでのはりつめた空気を感じた。
白もさっきから毒を挟まずに無言で僕の背中にくっついてる。
「なんでって...僕と白はまだ子供ですよ?取り合ってくれるわけないじゃないですか。」
「えー、言葉はわたしより大人なのに?」
「それは事実ですけど...」
「認めるの!?自分で言っちゃう系男子だったの黒君!」
あ、この人頼りにならない。
「口答えしないで下さい、用事を済ませればあかねぇに教えてもらった
美味しいプリンがあるお店を紹介しますから。」
「もしもーし、たのもー!」
『変わり身早っ!?』
この人はちょろいかもしれない。
プリンでこんな派手にやってくれるのだから。
が、ネプテューヌさんの言葉は僕よりも子供だから...
「ぐすん、子供に取り合ってる余裕はないだってさー。
酷いよ、わたしはこれでも大人だよ!?」
ダメだったようだ。
「仕方ないですね...白、プリンのお店に行こうか。」
「そうだねお兄ちゃん。」
「そうだった、プリンがわたしを待っている!」
...ほんとに大人なのか怪しいなぁ...
と、そんなことを思いながら僕たちは歩き、プリンを人数分買ったら
もう夜の7時になっていた。
「お兄ちゃん、もう歩けない...」
「そうだよなぁ...とはいえここ、最初のインダストリアル7.1だよね...
どーしよ。宿がない...」
暗い夜道を歩いてくるような人もいn...いた。
「もしもーし、そこの人ー!」
ネプテューヌさんが呼び止めたその人が、この章で僕たちを助けてくれる人、
シアンさんであったのだ。
「なんだ、お前たち...子連れか?」
「違います、ちょっとかくかくしかじかなんですよ...」
「なるほどな...うち来るか?」
「いいの?じゃあそうさせてもらうよ!」
「まぁ、ただというわけにもいかないんだけどな。少し頼み事を受けて貰えるか?」
「僕たちでできることなら。」
「じゃあ決まりだな。こっちだ。」
というわけで、どうにか宿も決まったのだった。
次回、第9話「凛黒の刃、顕る」
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