女神世界の新生世代   作:Feldelt

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第12話 決着の果てに

二刀流、高速機動...ただそれだけだが、確実にこちらの戦況が悪くなっている。

 

「っく...動きは見えるけど...」

「体が追い付かないわね...来る...!」

 

ネプテューヌさんの合図で私達は散開するも、女性は確実に私を狙う。

 

「援護さえなければネプテューヌは余裕なのよ!」

「しつこい...!けど、ゼロ距離ならば!」

「甘い!」

 

ゼロ距離の矢を避けられた。

背中に手痛い反撃も受ける。

 

そしてその矢は岩影でバテているお兄ちゃんの近くの岩に当たって爆発する。

 

「あ...お兄ちゃん!」

「白ちゃん、下!」

 

ネプテューヌさんの声で第二波をどうにか防ぐ。

 

「うぐっ...速い上に二刀流なんて...!」

「私だって大人げないとは思うけど、食らいなさい!」

 

弾き飛ばされて、相手の会心の間合いに入らされる。

 

「白ちゃん!」

「邪魔よ!」

 

ネプテューヌさんの妨害は受け流され、私への加速は止められない。

 

--やられる...!

 

「させるかよ...!」

 

女性の剣が私に届く前に、さっきの爆発の痕が少し残ってるお兄ちゃんが

女性の剣を受けていた。

 

『なっ...』

 

その場にいる全員が驚いた。

その硬直を見逃す私じゃない。

 

「そこっ...!」

 

正確に女性の左手を狙い、剣を落とす。

 

「もう一撃!」

 

ネプテューヌさんの追撃も入る。

 

「っく...3vs1になるなんて...けどね!」

「白!ネプテューヌさん!」

 

お兄ちゃんが私たちに合図を送る。何の合図かは分からないけど...

視界が開けてる。きっと、お兄ちゃんの補助魔法。

 

「これなら、いくら速くても...!」

 

動きが見える。見えてしまえば、当たる。

 

「そこだ...《ストレイト·レイ》...!」

 

私の矢が女性を貫く、とまではいかなかった。

どうやら間一髪でかすり傷程度に留めたようだ。

 

「甘いのよ...!」

「あ、そ。けど、同じこと。」

 

無理に避ければ体勢を崩し、私への突撃の軌道が逸れる。

そして、その先には。

 

「かかったわね、《クロスコンビネーション》!」

「蛇足だろうと!《バーチカルクロス》!」

 

お兄ちゃんとネプテューヌさん。

二者の斬撃が入れば到底動けまい。

 

「きゃあぁぁ!?」

 

黒の女性が墜落していく。落下点にさらにダメ出しの一射をぶつけてっと...

 

「わお...白、さらにだめ押しですか...」

「無いよりかはいいでしょ、お兄ちゃん。」

 

「それよりも、あの人わたしの手がかりなんだから...」

 

あぁ、そうだった。出来るだけの警戒をしてから墜落先に向かわないと。

 

「っく...認めない...認めないわ!」

 

この期に及んで往生際の悪い...

 

「確かにこちらが多勢に無勢なのは認めるわ。けど、約束は約束よ。」

「--!こんなの...!勝ったのうちに入らないわよ!」

 

女性が予備動作なしに飛び立った。

 

「んなっ...一瞬で射程距離外に逃げられた...あう...」

 

疲労で変身が解ける。っく、こんなときに...

 

「お兄ちゃん!ネプテューヌさん!」

「悪い白、十秒待って...」

「もうだめ疲れた~」

 

二人もダメときた。ここまで追い詰めたのに...

 

「じゃあ、走って、お兄ちゃん!」

「あと五秒!ウイラー食ってるから!」

 

お兄ちゃんならあとで追い付けるかな...

 

「じゃあ、いくよ、ネプテューヌさん!ここで頑張ったらまたプリンの店

 行ってもいいですからね!プリンのために死ぬくらい努力してください!」

「ほ、本末転倒だよ~」

 

そして、陸路を三人で走って追いかけた先には...

という結果に行き着く前に空を見ていたせいか何か、いや、誰かに当たった。

 

「捕まえたー!」

「の、のわ~!?」

 

私がぶつかって後ろに行くと同時にネプテューヌさんがその人を捕まえる。

 

「ぜぇ、はぁ、捕まえた?」

「はぁ、はぁ...うん...」

 

その捕まえた人は、黒髪ツインテの人...つまり人違い...?

 

「ダリナンダアンダイッタイ!」

「それ、女の子が言った事じゃないでしょ!はっ...!」

 

的確な突っ込み。これは...

 

「こほん...で、貴女は誰で、ここで何をしてるんですか。」

 

お兄ちゃんが質問する。しかし、この人、よく見たら傷だらけ...

 

「え、えーっと、あれー、私って誰だっけー。」

 

「ま、まさかわたしと同じ、記憶喪失!?」

 

...頭が痛い。まさか、二人目の記憶喪失なんて...

 

「白、仕方がないから追いかけるのは諦めて、シアンさんのところへ戻ろう。」

「そうだねお兄ちゃん...」

 

これが、私たちとノワールさんとの出会い。

 

あぁ、もう、記憶喪失って、厄介というよりかは...都合のいい言い訳に聞こえてきた。

 




次回、「第13話 二人の黒」

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